2010年に読んだ本
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64 千の風になって 紙袋に書かれた詩 井上文勝 ★★★★
63 怪の壺 あやしい古典文学 山ン本真樹 ★★★★
62 屍鬼 1 小野不由美 ★★☆☆☆
61 ゾンビ解体新書 ゾンビハザード究極マニュアル 笠倉出版 ★☆☆☆☆
60 オカルトの惑星〜1980年代、もう一つの世界地図 吉田司雄・編著 ★★★☆☆
59 林家三平の実話怪談 林家三平 ★☆☆☆☆
58 カヌー犬・ガク 野田知佑 ★★★★
57 九十九怪談 第三夜 木原浩勝 ★★★☆☆
56 百物語 第九夜 平谷美樹・岡本美月 ★★☆☆☆
55 謎解き超常現象2 ASIOS ★★★☆☆
54 霧多布人になった医者 津波の村で命守って 道下俊一 ★★☆☆☆
53 これがC級グルメのありったけ 小泉武夫 ★★★☆☆
52 超弦領域 年刊日本SF傑作選 大森望・日下三蔵・編 ★★☆☆☆
51 墜落の夏 日航123便事故全記録 吉岡忍 ★★★☆☆
50 虚構機関 年刊日本SF傑作選 大森望・日下三蔵・編 ★★☆☆☆
49 北の動物園できいた12のお話 旭山動物園物語 浜なつ子 ★☆☆☆☆
48 石垣島自然誌 安間繁樹 ★★☆☆☆
47 岡村道雄・やってみよう縄文人生活 NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ編 ★★☆☆☆
46 吉原耕一郎・チンパンジーにハマった! NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ編 ★★★☆☆
45 帰還 異形コレクション16 井上雅彦・編 ★★★☆☆
44 誰も書けなかった日本のタブー 西岡研介・他 ★★☆☆☆
43 ひまわりのかっちゃん 西川つかさ ★★★★
42 レインツリーの国 有川浩 ☆☆☆☆☆
41 ニセ科学を10倍楽しむ本 山本弘 ★★★☆☆
40 アクセス 誉田哲也 ★★☆☆☆
39 プラズマUMAの謎とチュパカブラ 飛鳥昭雄・三神たける ★☆☆☆☆
38 札幌刑務所4泊5日 東直巳 ★☆☆☆☆
37 ぶたぶたの食卓 矢崎存美 ★★☆☆☆
36 さくらえび さくらももこ ★☆☆☆☆
35 カランバ!アマゾン奥地へ向かう 高野潤 ★★☆☆☆
34 機龍警察 月村了衛 ★★☆☆☆
33 テンダーワールド 藤木稟 ★★☆☆☆
32 ステーシーズ 少女再殺全談 大槻ケンヂ ★★☆☆☆
31 KAMIKAZE神風 石丸元章 ★★☆☆☆
30 塩の街 有川浩 ★★☆☆☆
29 ネトゲ廃女 石川結貴 ☆☆☆☆☆
28 怪談実話系3 幽編集部 ☆☆☆☆☆
27 さらば愛しき女と男よ ススキノエッセイ 東直巳 ★☆☆☆☆
26 幽霊を捕まえようとした科学者たち デボラ・ブラム ★★★☆☆
25 UMA謎の未確認生物 科学的解説FILE 佐久間誠 ★★★☆☆
24 砂漠の死体泥棒 ニック・レッドファーン ★☆☆☆☆
23 ミサイルマン 平山夢明 ★★★☆☆
22 はいけい女王様、弟を助けてください モーリス・グライツマン ☆☆☆☆☆
21 僕の見たネトゲ廃神 西村本気 ★☆☆☆☆
20 ゼロ年代SF傑作選 SFマガジン編集部 ★★★☆☆
19 エンドゲーム 常野物語 恩田陸 ★★☆☆☆
18 フシギな寄生虫 藤田紘一郎 ★☆☆☆☆
17 黒魔館の惨劇 友成純一 ★★★☆☆
16 蒲公英草紙 常野物語 恩田陸 ★★☆☆☆
15 光の帝国 常野物語 恩田陸 ★★★☆☆
14 いなかのせんきょ 藤谷治 ★★☆☆☆
13 ほしのこえ 大場惑 ★★☆☆☆
12 キャラねっと 清涼院流水 ★☆☆☆☆
11 偉人たちの死亡診断書 佐川峻 ★☆☆☆☆
10 生たまご ゆでたまご ★★★☆☆
09 アバター 山田悠介 ★★★☆☆
08 日航ジャンボ機墜落 朝日新聞の24時 朝日新聞社会部編 ★★☆☆☆
07 「ひかりごけ」事件 合田一道 ★★☆☆☆
06 池田大作 権力者の構造 溝口敦 ★★☆☆☆
05 未来妖怪 異形コレクション 井上雅彦編 ★★☆☆☆
04 喜劇綺劇 異形コレクション 井上雅彦編 ★★☆☆☆
03 1001秒の恐怖映画 井上雅彦 ★★★☆☆
02 社会派くんがゆく!疾風編 唐沢俊一・村崎百郎 ★★☆☆☆
01 UMA大全画像600 ダイアプレス ★☆☆☆☆




「千の風になって 紙袋に書かれた詩」 井上文勝 (ポプラ社)\1200 ★★★★
 ふだんだとこういう有名どころを扱った本は買わないのだが、この曲が流行っていたときは実は全然知らなくて、確かにどこかで聞いたことのあるメロディーだとは思っていたが、こういう詩の内容であるということも知らなかった。歌詞ともども知ったのはちょうど母が亡くなった頃であり、そういう立場から聞くと、これは実にいい曲だなあ、ということで。本書ではこの原詩を書いた人物探しについてドキュメンタリーとして詳細に記録している。また、著者は実際にその作者である女性の家族ともやりとりし、貴重な証言や写真も得ている。詩のほとんどが何度も繰り返し本の中で引用されているのがちょっとしつこいきらいもあるが、一応感動の物語として読むことはできた。
(2010/08/19)64  ▲TOP


「怪の壺 あやしい古典文学」 山ン本真樹 (学研)\1400 ★★★★
 副題にあるように、古典文学の中に登場する怪奇実話、不思議な話を紹介している。「耳袋」などの著名なものをはじめとして、いろいろな本からの文章が口語訳されているので読みやすくもある。内容もバラエティーにとんでいるし、原典にあたって読み解くのは無が強いので、こういった本があると非常に助かる。
(2010/08/16)63  ▲TOP


「屍鬼 1」 小野不由美 (新潮文庫)\743 ★★☆☆☆
 アニメ化を機にまた再評価されているようで、この機会に読んでみた。昔初版でぶ暑い本が出たときにも読もうかどうか迷ったのだが、要するにスティーブン・キング「呪われた町」を日本の土着とからめた吸血鬼談というのはわかっていたので食指が動かなかったのである。文庫化にあたっては全5巻の大作なのだが、1巻を読んだだけでお腹いっぱい。とにかく筆致が細かく人物描写も詳しく、それだけに読んでいて疲れてしまった。ホラー小説というよりも純文学を読んでいるみたいだ。登場人物も多いし。このあとの展開が気になってWikipediaでついつい検索してしまつたら、ほとんどネタバレのような記述で展開も読めてしまったので、たぶんこのあとは読まないだろう。どうも、半村良「石の血脈」を思い出したのだが。
(2010/08/13)62  ▲TOP


「ゾンビ解体新書 ゾンビハザード究極マニュアル」 (笠倉出版)\571 ☆☆☆☆
 コンビニ本。以前同じようなゾンビ本を買ったので、同じものかとも思ったのだが、紹介されている映画やゲームが最新のものだったので安心して購入。たいして興味をひくものでもなかったのだが、もしも日本でゾンビが発生したらというシミュレーションだけは面白かった。 これは、富山県で発生したてゾンビハザードが拡大するというもので、三日もたてば、北海道と沖縄を除く本州全域が壊滅する、というもの。このくだりはなかなか具体的で面白かった。
(2010/08/11)61  ▲TOP


「オカルトの惑星〜1980年代、もう一つの世界地図」 吉田司雄・編著 (青弓社)\2000 ★★★☆☆
 「オカルトの帝国 1970年代の日本を読む」の続編。切り口として、1960年代の秘境ブームがオカルトへと変遷していったとする指摘は実に最もな気がする。今回は、邪馬台国超古代史、宇宙考古学、超文明などに加えて、カリフォルニアを発祥の地とするニューエイジやら精神世界の分野にも触れているのだが、このへん時系列に沿って解き明かされとてもわかりやすくなっている。評論ということでなかなか手を出しづらい面もあるだろうが、オカルト界隈に興味のある人には是非読んでもらいたいものである。このシリーズ、3部作になるらしいが、次作は1990年代の終末感あたりが中心となるんだろうか。
(2010/08/04)60  ▲TOP


「林家三平の実話怪談」 林家三平 (竹書房)\1200 ☆☆☆☆
 残念ながら、林家三平という大名跡にもたれかかっているだけの薄っぺらい内容。二代目本人としてはもしかしたら大真面目に書いているのかもしれないが、案外問いつめたらシャレだつて返されるような気までしてしまう。女子供のような”初心者”にはいい読み物なのかもれないが。
(2010/07/31)59  ▲TOP


「カヌー犬・ガク」 野田知佑 (ポプラ文庫)\580 ★★★★
 そうか、ガクは死んじゃったのか…。小学館のアウトドア雑誌「BE-PAL」が創刊されて、著者のエッセイが連載されだしたのを読んだのが大学2年生の頃だから、すでに30年近く昔になるわけだ。カヌー犬という名称や括りには別段興味はわかなかったのだが、こうしてその生涯のエピソードを通して読むと、やはり人間と犬の関係というか絆というものは深いものなんだなあ、と思わされる。転勤のある職業の俺がペットを飼う機会はきつとないんだろうけど、こうして読んでいるとうらやましい気も。
(2010/07/28)58  ▲TOP


「九十九怪談 第三夜」 木原浩勝 (角川書店)\1200 ★★★☆☆
 シリーズ第3弾。「新耳袋」シリーズにくらべると格段に怖い話しは減っていると思う。ただ、この巻では、前半のほうに、(たぶん)キツネやタヌキにダマされた話がたくさん載っていて、これは特に面白く興味がひかれた。
(2010/07/26)57  ▲TOP


「百物語 第九夜」 平谷美樹・岡本美月 (ハルキホラー文庫)\590 ★★☆☆☆
 シリーズ第9弾。途中、このシリーズは止めるかもしれないようなことが書かれていた時期もあったのだが、季節柄需要が多いのだろう、それ以降も毎年刊行されている。身の回りで聞いた怪談やそれを聞くための会の開催など、ネタ集めには苦労しているように感じられる。同様の怪談本はこの時期たくさん出てくるが、結構レベルが高いような気がする。ただし、ものすごく怖い話というのは少ないのだけれど。
(2010/07/24)56  ▲TOP


「謎解き超常現象2」 ASIOS (彩図社)\1429 ★★★☆☆
 シリーズ第2弾。「トンデモ超常現象の真相」シリーズと同じ体裁だが、こちらのほうが情報が新しい。特に昨年話題になった、空からオタマジャクシ等が降ってきた事件について、現場を踏んで詳しい解説がなされている。他の謎本ですでに解説されているような情報や、古い事件についての解説なども含まれているが、とりあえず最新・最近の事件についてはだいたいフォローされているのがいい。
(2010/07/19)55  ▲TOP


「霧多布人になった医者 津波の村で命守って」 道下俊一 (北海道新聞社)借り物 ★★☆☆☆
 北海道の僻地・霧多布に若いながらにして赴任し、そこで47年間僻地医療に従事した作者の回想録。俺くらいの年代だと、まだコンビニも携帯電話もない暮らしをしっているので、どのくらい苦労したかは想像に難くない。まず人の命を救うことを期待される仕事としての大変さ、そして田舎の人間関係をつくっていく大変さを考えると、作者の苦労がしのばれる。こういう苦労や大変さは、現代の若者にはわからないことなのだろう。
(2010/07/16)54  ▲TOP


「これがC級グルメのありったけ」 小泉武夫 (新潮文庫)\476 ★★★☆☆
 A級でもB級でもなく、あえてC級を名乗っているところがいさぎよい。登場する食べ物も、日頃の食卓に並びやすいもの、誰にでも簡単に手に木いるものばかりである。なるほど、こういう食べ方もあるのか、面白い、と思わせ目ものばかりだったのだが、納豆とかサバとか俺の苦手なものが、結構日本人の食卓に上がりやすいものとして紹介されているのはどうも。食べるという行為を文章で表現するのは難しいのだろうが、それが成功している一冊。
(2010/07/12)53  ▲TOP


「超弦領域 年刊日本SF傑作選」 大森望・日下三蔵・編 (創元SF文庫)\1100 ★★☆☆☆
 全547ページ。選ぶ際の基準や思い入れが編者独自のものであって、それだけに読む立場としては結構当たりはずれがあるような気がする。特に”文学系”。sfの本線というよりは幻想文学や不条理文学の線を狙っているのだろうが、設定も展開も分かりづらく結末にも納得できるようなものがない、そんな作品が結構あった。まるでSFをひとめぐりしたベテラン作家が頭でコシラエたような、といえばいいのだろうか。世みたいのは、ハードであろうがソフトであろうが、SFらしいSF、空想科学小説なのである。もとSFっぽい作品の登場を望む。
(2010/07/09)52  ▲TOP


「墜落の夏 日航123便事故全記録」 吉岡忍 (新潮文庫)\514 ★★★☆☆
 ここ15年ばかりずっと負い続けている日航ジャンボ123便の墜落事故。本作は初出が昭和61年ということで発表されたのはずいぶんと昔になるのだが、たぶん新潮社から出ているからだろ、全然食指がのびなかったので24年(四半世紀!)ぶりの初読である。それだけに目新しい情報や新説は紹介されてはいないが、取材の結果をあますことなく網羅したデータの種類や数についてはたいしはたものだと思う。近年、陰謀説とあいまつていろいろな説が展開されているのだが、初心に戻るという意味ではこういう固い本を読んでみるのもいいのではないだろうか。
(2010/06/11)51  ▲TOP


「虚構機関 年刊日本SF傑作選」 大森望・日下三蔵・編 (創元SF文庫)\1100 ★★☆☆☆
 全516ページ。「異形コレクション」シリーズを通してホラーのアンソロジーは読む機会があるのだが、SFのそれを読むのは久しぶりである。SFが冬の時代といわれてから。どれくらいがたっただろう。徳間文庫で出ていた年刊SF傑作選のアンソロジーを読んだのが中学生か高校生の頃だから、実に30年は過ぎている。あの頃は、集英社のコバルト文庫でもSFのアンソロジーが出ていたっけ。俺のSFやホラーの原点が、角川文庫で二分冊になっていた「幻想と怪奇」なので、それを思うとずいぶんとたったものである。本作では、実にSFらしいというか直球勝負のものから、これがSF?というようなものまで玉石混淆、久しぶりに楽しませてもらった。
(2010/06/09)50  ▲TOP


「北の動物園できいた12のお話 旭山動物園物語」 浜なつ子 (角川学芸出版)借り物 ☆☆☆☆
 まあ、子供向けの本だということで、動物の擬人化とそれへの思い入れが強いのは仕方がないことだろう。動物たちというよりも、そこで働く飼育員たちにスポットの当たっている部分が大きいような気もする。自然や野生との関わりかたを教えるという面では、使いやすい本かも知れない。
(2010/06/04)49  ▲TOP


「石垣島自然誌」 安間繁樹 (晶文社)借り物 ★★☆☆☆
 日本に復帰する前の石垣島に赴任したひとりの中学校理科教師の回想録。ああ、こんなふうにへき地に赴任して教員人生が始まる場合もあるんだなあ、と感心させられることと共感させられることと。仕事と自分の興味あることのフィールドワークを両立するという、望ましい生活を送ることのできる、幸運な人もいるのだなあ。変に教員としての仕事の内容などをくわしく書きこまなかったのがよかつた。それがあると、現実と引き比べて嫌な気持ちになったりするので(笑)。
(2010/06/02)48  ▲TOP


「岡村道雄・やってみよう縄文人生活」 NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ編 (KTC中央出版)借り物 ★★☆☆☆
 「課外授業ようこそ先輩」シリーズ。縄文文化の専門家が、小学生にその生活や文化を教える。採集や狩猟、そしてその調理まで、実際に縄文人が使用していた道具を使って挑戦するというのが面白い。もちろん、定番の日起こしもちゃんとあったりして。ところで、昨年、余市のフゴッペ洞窟に行って来た。宇宙人のような姿を模した線刻画が残されているところで、北海土のミステリースポトとしてはかなり有名な場所だったのだが、偶然さくらんぼ狩りの途中でみつけて立ち寄ったのである。そこで初めて知ったのが、わが北海道には弥生文化がなかつたということ。北海道では、旧石器時代、縄文時代、続縄文時代、捺縄文時代と、本州で平安時代が終わるまでの期間、立ち後れた時代が続いていたのだそうだ。これは不勉強だったなあ。そして、面白い。
(2010/05/26)47  ▲TOP


「吉原耕一郎・チンパンジーにハマった!」 NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ編 (KTC中央出版)借り物 ★★★☆☆
 「課外授業ようこそ先輩」シリーズ。東京都多摩動物公園の飼育係が登場。チンパンジーの飼育を30年間も続けてきたそうで、どのようにしてその飼育に関わり、心や気持ちをよんでいるのかが語られている。あまりにも人間に近いその行動や思考てせあるが、それも当然、チンパンジーはサルではなくて類人猿、人間に近いサル、なのであるから。このあたりの分岐について、俺はあまり詳しく調べることがなかったので、興味深く読むことができた。手話で意志疎通をするチンパンジーやゴリラの話しはよく聞くが、なるほどそれだけヒトと近いからなんだろうなあ。
(2010/05/24)46  ▲TOP


「帰還 異形コレクション16」 井上雅彦・編 (光文社文庫)\840 ★★★☆☆
 買っては”積ん読”だった異形コレクションシリーズをぼちぼち読んでいる。何十冊と残っているのでまだまだ楽しめそうである。このシリーズのいいところは、短編・掌編で構成され、たくさんの作家による競作となっているので毛色の変わったいろいろな文章を楽しめるところだろう。これだけの分量のある長編小説だつたりしたら、もう見ただけでうんざりするところだ。編者の井上雅彦氏も序文で書いているが<”帰還”テーマとしては、「猿の手」や「ペット・セメタリー」が重い浮かぶが、そこにレイ・ヴラッドベリの「みずうみ」が加わっているところに編者のセンスを感じるなあ。
(2010/05/17)45  ▲TOP


「誰も書けなかった日本のタブー」 西岡研介・他 (宝島SUGOI文庫)\590 ★★☆☆☆
 宝島社のこの手の本は結構読んでいる。特に、一ノ宮美成氏・他による「同和利権の真相」シリーズは、今まで上っつらの知識しか持っていなかつたので、読んでいてためになることしきりだった。本書では、全7章からなる構成で、興業・マル暴・菊(天皇家)・宗教・政治・食品・性のそれぞれのタブーについて触れ、解説をしている。実際書かれている情報の真偽がどのくにいなのかはわからないが、確かにこれが真相だとしたら大したものではある。特に、1章・興業のタブーの中にある吉本興業のお家騒動はそれぞれの事情とマスコミの表には表れない裏の世界の住人たちの事情が書き込まれていて面白かった。これも陰謀本の一種とみていいのだろうか?
(2010/05/14)44  ▲TOP


「ひまわりのかっちゃん」 西川つかさ (講談社)\借り物 ★★★★
 ひまわり学級、どこの小学校にでもあった特殊学級(現在は特別支援学級)の呼び名である。作者の西川氏は小学校の頃、普通学級での生活になじめずにこのひまわり学級に出入りしていたのだが、転校を境に普通学級への通学を余儀なくされることになる。そこで出会った担任の森田先生の指導をきっかけに、のちには児童会長を務めるまでに成績も優秀に、人間的にも大きく成長してゆく。これは作者の自伝的物語らしいが、できない子・わからない子の立場からの感じ方、考え方がしっかり書き込まれており、そこからひとつひとつ脱却していく姿がたくましく描かれている。よくある、いい先生に出会って才能を開花させた、という美談に終わっていないところに価値があると思う。
(2010/05/07)43  ▲TOP


「レインツリーの国」 有川浩 (新潮文庫)\420 ☆☆☆☆☆
 「図書館戦争」シリーズからのスピンオフ作品。健聴者の男と聴覚障害者の女がネット上のブログの書き込みから知り合って、互いに惹かれていくという純粋な恋物語。自衛隊三部作から有川ワールドに入った俺だが、残念ながらこれにはついていけなかった。テレビドラマによくあるような甘ったるい恋愛ドラマが展開し、ああ、ライトノベルの本質ってこんな感じなのねと改めて思い知らされたようん気がする。確かに思春期の中高生の憧れるピュアな恋愛劇ではあるのだが。それとも、障害という重いテーマを扱ってる割に内容が薄っぺらく感じるからか、俺自身が障害を持っているために冷静に見ることができなかつたのか。というか、関西弁を使っている時点で嘘臭くみえてしまうのは、共通語の文学に慣れ親しんでしまったせいだろうか。もう、最初の数ページを読んだだけでうんざりしてしまって、早く読み終わりたいというただその一心で苦行のような思いで読んだ一冊。
(2010/05/01)42  ▲TOP


「ニセ科学を10倍楽しむ本」 山本弘 (楽工社)\1995 ★★★☆☆
 前作「超能力番組を10倍楽しむ本」の続巻。今回は、「水からの伝言」をはじめとして、ゲーム脳、911陰謀論、アポロ陰謀論など、世にはびこるニセ科学の多くを取り上げ痛快にぶった斬っている。中でも「有害食品、買ってはいけない?」と題した章では、有害物質の濃度や基準値など、明らかに今まで数字のマジックにダマされていたと気づかされることもあったりして、正に目からウロコの落ちる思い。なるほど、物事を懐疑的に見て検証すめとはこういったものの見方をさすのだな、と。他にも2012年滅亡論や地震雲、血液型性格判断など、さすがと学会会長、トンデモ方面のさまざまな話題が目白押しで、どの分野に興味があっても楽しめる一冊だった。
(2010/04/30)41  ▲TOP


「アクセス」 誉田哲也 (新潮文庫)\629 ★★☆☆☆
 ホラーサスペンス大賞第4回特別賞を受賞した作品。他の誰かを勧誘するとネット接続も携帯もタダになるという謎のプロバイダに登録した人間が、次々と奇怪な事件に巻き込まれていくというストーリー。サスペンス仕立てなのでどこかに謎をとくカギがあるのかと思いつつ読み進めていったのだが、結局はスピリチュアルなホラー話というオチだった。サーバーの中に取り込まれる魂とか、妙にデジタルとアナログが混在しているところなどは面白みがあったのだが、結局は予想どおりの結末。続編に続くような伏線もなく、ああなるほどね。という感じで。
(2010/04/28)40  ▲TOP


「プラズマUMAの謎とチュパカブラ」 飛鳥昭雄・三神たける (学研)\950 ☆☆☆☆
 でました!飛鳥センセの最新刊。例によってすべてをプラズマで解決する強引さと節操のない捏造写真の数々で、サイキック・エンターテイナーという肩書きどおり、楽しませようという魂胆は往々にして感じられるのだが胡散臭いことこのうえない。カッパもチュパカブラも翼龍も、全部プラズマを吐く生物で、そのうえ今回は南極に棲むというニンゲンまでがプラズマ生物として登場している。引用している写真もネットからのフェイクの引用だし。UMAとついているだけでついつい買ってしまう俺も俺なんだろうが、こんな本が蔓延するからこそ正統uUMA好きの肩身はどんどん狭くなってまうのである。それにしても飛鳥センセの持ち出してくる写真、妙にリアルで鮮明で、これがホンモノだったらこのうえなくうれしいのに。
(2010/04/25)39  ▲TOP


「札幌刑務所4泊5日」 東直巳 (光文社文庫)\495 ☆☆☆☆
 嫌いだという割にいつも買ってしまうのが、東直巳の本。本書では筆者は「故意に」行政処分を受けて刑務所に入所しそのルポルタージュに挑戦してている。以前別の本の感想でも書いたが、明らかに文体としては椎名誠が「入って」いて、しかも本家ほどうくはないので、読んでいて疲れることもしばしば。刑務所生活の記録としては「刑務所の中」花輪和一)に勝るものはないだろうし、なんか筆者の反体制を気取っているような斜に構えたものの見方にも反感が募るばかりだった。で、この本、たぶん別の文庫として10年くらい前に買っていたような気がするのだが?
(2010/04/16)38  ▲TOP


「ぶたぶたの食卓」 矢崎存美 (光文社文庫)\476 ★★☆☆☆
 「ぶたぶた」シリーズって有名なんだろうか?全然知らなかったけど。見た目はぶたのぬいぐるみ、中身は中年男という謎の存在が主人公であるファンタジー連作の一冊。シリーズがどのように構成されているのかはわからないが、ファンタジーの要件と現実的なニンゲン模様とそれぞれに抱える悩みはうまく溶け合っているような気はする。本作では、タイトルどおり食べ物が物語の中で大切な役割を果たしているのだが、俺が一番気にかかってのが1話目に出てくるチャーハン。このこげのあるチャーハンは是非とも食べてみたいと思わせるものだったりして。
(2010/04/12)37  ▲TOP


「さくらえび」 さくらももこ (新潮文庫)\借り物 ☆☆☆☆
 すでに”有名人”となった作者がその日常生活をほのぼのと描いた一冊。作者は、高校時代に書いた作文を現代の清少納言とまで激賞されたそうだが、そんなに肩に力の入らない文体が読んでいて心地よい。というか、やっぱり有名人の生活、舞台裏を覗いているというその気分で読み進めていっただけなのかも知れないが。
(2010/04/07)36  ▲TOP


「カランバ!アマゾン奥地へ向かう」 高野潤 (理論社)\借り物 ★★☆☆☆
 冒険家というわけでもないのだろうが、アマゾン奥地に何度も行っている筆者の紀行文。特別珍しいことや目新しいことが書かれているわけではないが、自分ではたとえ憧れても決して行くはずもない土地や旅のことはやはり読んでいて楽しいものである。カヌを背負ってぬかるみの中を丸一日歩くだとか、毒虫やヘビのいる中でのキャンプなど、考えるだに恐ろしいものがあるのだが、まあ人間そういったものに限って憧れてしまう、ということで。
(2010/04/02)35  ▲TOP


「機龍警察」 月村了衛 (ハヤカワ文庫JA)\720 ★★☆☆☆
 オビに「最新鋭の二則歩行型有人兵器」とか書かれているので、人によってはガンダム、世代によってはパトレイバーを想起するだろうが、ここはやっぱり肉弾戦向けノボトムズでしょう。近未来郡司アクションと警察内部の対立、というのは欲張りすぎなきらいがある。主要な登場3人の描写と性格漬けはなかなか緻密に書き込まれているのだが、これは続編への伏線なのだろうか。ただ、この拍子イラスト、なんとかならなかったものか。せめて、ハインライン「宇宙の戦士」くらいならなあ。あと、読んでいるうちに平井和正「死霊狩り」思い出して懐かしかった。
(2010/03/31)34  ▲TOP


「テンダーワールド」 藤木稟 (講談社文庫)\838 ★★☆☆☆
 ずいぶんと厚い一冊で、読むのに時間がかかってしまった。買ったのはずいぶんと前(6年前くらい?)なのだが、この厚さにめげたんだよなあ。読み始めてみると、結構本格的なサイバーパンクしていて、しかも西洋人がよくやるような呪術的な見立ても取り入れられている。タブレットと称されるパソコン端末が普及した近未来、謎のカルト集団を中心とした変死事件が多発し、それを追うFBI捜査官や突撃レポーターの視点から事件に迫っていくサイバーアクション。小道具も結構凝っているし期待して読み進めていったのだが、結末が尻つぼみな感じで残念。まあ、これだけ広げた大風呂敷をどうやって?というのは途中から感じていたことではあるのだけれど。
(2010/03/30)33  ▲TOP


「ステーシーズ 少女再殺全談」 大槻ケンヂ (角川文庫)\476 ★★☆☆☆
 以前出ていた分に外伝を加えて決定版とした一冊。俺の知る限り、A.ロメロの正統的なゾンビを描いた日本人によるゾンビ小説はこの一冊のみである。もあう、走るゾンビとかは論外なんだけどね。近未来、15歳から17歳までの少女が突然ゾンビ化するという現象が始まり、それを狩る部隊まで組織される。あとがきで作者本人が書いているように、ある意味”純愛”を描いた物語としても読めてしまうから不思議である。
(2010/03/28)32  ▲TOP


「KAMIKAZE神風」 石丸元章 (文春文庫)\638 ★★☆☆☆
 ドラッグがらみの著作で有名な筆者が元特攻隊員たちに取材する過程を描いたロードムービーのような趣の一冊。あいかわらず軽薄な文体と、どみまでは真実でどこからがフィクションかわからないような、いわばメタフィクションを取り入れたような作風なのだが、それが後半に近づくにつれて次第にリアルさを伴って迫ってくる。これって真面目に取り組めば結構感動大作になったんじゃないだろうか。この本に描かれている内容、史実のひとつとして記憶しておく価値はあるだろうとは思う。
(2010/03/26)31  ▲TOP


「塩の街」 有川浩 (角川文庫)\700 ★★☆☆☆
 自衛隊三部作の一冊目。さすがにデビュー作だけあって青臭い理屈が出てきたりもするのだが、発想と展開はやはり読ませるものをもっている。「塩害」と呼ばれる世界的な大災害の中、静かに暮らす男女。この二人の絆が世界を救うという結末に収束されていく。人間が結晶化していくというのは昔のSFにもよくある設定なのだが、そこに至るまでの経過や理論をしっかり立てようとしている点には感心させられる。この作品のみが今までハードカバー版しかなかったのだが、ようやく文庫化。あせって買わなくてよかった。
(2010/03/24)30  ▲TOP


「ネトゲ廃女」 石川結貴 (リーダーズノート)\1300 ☆☆☆☆☆
 ひとことで言うならば便乗本。要は。ネットゲーヘムにはまった主婦達の体験談を集めたの。テーマというものを感じられず。
(2010/03/22)29  ▲TOP


「怪談実話系3」 幽編集部 (メディアファクトリー)\552 ☆☆☆☆☆
 このシリーズも3冊目。巻を追うごとに恐怖感が薄れていくのは何故なんだろう?競作している作家陣はどれも豪華で怪談界隈では有名であり定評のある人ばかり。だからこそなんだろうか、実話系と謳っている割にはどれもが実話には聞こえてこない。よくできたお話にしか見えないのである。特に、三人の作者が同一の事象、事件について書いているものがあるのだが、三人三様に書かせることによって事件に真実味をもたせようという意図はわかるのだが、どれもが怪談好きな女子高生か何かの”思いこみ”のように聞こえてしまうのである。このぶんだとこのシリーズはもう読まないかも。
(2010/03/19)28  ▲TOP


「さらば愛しき女と男よ ススキノエッセイ」 東直巳 (光文社文庫)\476 ☆☆☆☆
 嫌いだ嫌いだと公言している北海道出身ハードボイルド作家のエッセイ。やっぱり、ススキノとか地元の名前が出てくると買ってしまうんだよなあ。内容はススキノ、酒場にまつわるエッセイ。文体のみで言うと、椎名誠倉本聰(奇しくも二人とも北海道に縁があるのな。)を足して二で割った感じ。洒脱な感じを狙っているんだろうな、と気づかれてしまうあたりがまだまだ、かな。酒飲まない身としては、「酒も飲めないつまらない人生」みたいな目線が見え見えでちょっと不愉快だったり。
(2010/03/17)27  ▲TOP


「幽霊を捕まえようとした科学者たち」 デボラ・ブラム (文春文庫)\933 ★★★☆☆
 文春文庫はたまにこういう本を出すからチェックが怠れない(笑)本書は、19世紀半ばから欧米でブームになった降霊会をはじめとして、多くの科学者の否定の中で心霊現象に真面目に取り組んできた科学者たちの記録。ノンフィクションとして心霊現象、幽霊が描かれているところに何ともいえないおかしさを感じる。降霊会エクトプラズム、心霊写真など、古きよき時代ノスピリチュアリズムの台頭を知るにはもってこいの一冊。そういえば、高校の修学旅行で行った東京で買ったウイジャ盤、確かまだ捨てずにとってあるよなあ。
(2010/03/15)26  ▲TOP


「UMA謎の未確認生物 科学的解説FILE」 佐久間誠 (ウェッジホールディングス)\1800 ★★★☆☆
 敬愛するさくだいおう氏の手になる本。同様のものが以前出版されたが、出版社が倒産したために絶版になったとのこと。買ったけど読んでなかったなあ。新装として今回新たに出版されたわけだが、内容が若干古いというか、サイトで読んだ文章がほとんどなので目新しさにかけるのが残念なところ。ただし、生物に関してはさすがにスペシャリスト、UMAだけではなくさまざまな生物とその生息環境についてんもんてきな意見が読めるのは貴重である。特に、UMAの実在生についてどんな点に注目したらいいのか、専門家ならではの視点はさすがといっていいだろう。次回作にも大いに期待。
(2010/03/12)25  ▲TOP


「砂漠の死体泥棒」 ニック・レッドファーン (マガジンランド)\1500 ☆☆☆☆
 コーチャンフォーで購入。平積みにもなっていなかったので見過ごすところだったが、これはあの「ロズウェル事件」の新解釈の陰謀論。かの事件については、UFOの墜落説から始まって、近年米国自身が当時機密としていた気球の実験の残骸だったと正式に発表したが、本書はそりを踏まえたうえでの新説を展開している。しかも、これまでに明らかになっている事実(と言われているもの)と矛盾しないような収束させようとしているところが涙ぐましいというか。本書の中では、あの事件は当時実験されていた別の計画のための気球や飛行物の墜落とするもので、しかも宇宙人の死体とされていたものは日本人をはじめとした障害者のそれであり、当時の人体実験を隠すためにUFO事件として流布されたというのが筆者の主張である。なるほど乗員の死体に関しては納得できそうな解釈ではあるのだが、そこに日本の731部隊等がからんでくると、これはもう眉ツバものになってしまう。最後のほうの章でMJ12文書についても軽く触れているのだが、偽書として確認されているはずの文書が登場することで本説の信憑性が損なわれてしまったことは否めないだろう。このへんのこと、訳者の並木伸一郎氏はどう解釈するのだろう。
(2010/03/05)24  ▲TOP


「ミサイルマン」 平山夢明 (光文社文庫)\619 ★★★☆☆
 実話怪談の周辺ではとみに著名な作者の短編集。昨年の短編集「独白するユニバーサル横メルカトル」が”異常に”よかったので嬉々として購入。本作も異常なまでの”鬼畜モノ”として楽しむことができた。ただ単に痛みの描写がうまいというたけではなく、読んでいくうちに加虐と被虐の視点が逆転していくような倒錯した雰囲気になるのである。このへんは、昔SFが隆盛だつた頃に楽しんだ作品同様、読者が作品世界に没入できるという、ある意味作者冥利に尽きるような現象がある。どういう世代の読者が多いのかはわからないが、こういう(以前よく言われていたところの)皮膚感覚に訴える作品にはなかなか出会えるものではない。文体に、なんかドラッグでもやっているようなスピード感を感じるのがアレなのだが。
(2010/03/03)23  ▲TOP


「はいけい女王様、弟を助けてください」 モーリス・グライツマン (徳間書店)借り物 ☆☆☆☆☆
 子供向けの本というのはわかったていたが、ハリーポッターを読んだとき同様、国民性の違いというかそういうものをまざまざと思い知らされた。同性愛をこんもな風に子供の読み物の中に織り込んで、結局は家族「愛」に結びつけるその強引な論旨と展開、やはり欧米人ならではのものなのではないだろうか。
(2010/02/24)22  ▲TOP


「僕の見たネトゲ廃神」 西村本気 (リーダーズノート)\1200 ☆☆☆☆
 便乗本。違っているのは、本作では実際に一人の青年(筆者)が、自分のひきこもりの生活とゲームとの関わりを赤裸々に語っているところだろうか。このゲーム遍歴にはさすがに目をみはるものがある。ただし、家族との軋轢と虐待など、後半自分語りに過ぎていくところはいただけない。この本のテーマとは明らかにそれていってしまっているような気がするのだが。
(2010/02/22)21  ▲TOP


「ゼロ年代SF傑作選」 SFマガジン編集部編 (ハヤカワ文庫JA)\700 ★★★☆☆
 年代別SF傑作選というと、徳間文庫のそれを思い出して懐かしくなった。確かにあれは珠玉の一冊と言える贅沢なものだった気がする。本作ではゼロ年代ということで、現在メインストリームにいる作家達を紹介するという意味で編まれているようだが、いかんせん、昔の星新一筒井康隆小松左京のような「スター」が見あたらないのである。設定こそSFっぽいものの、コレは現代の通俗小説にはよくあるパターンで、いかにもSFっぽい作品というのはあまりうけない時代なのだろうか。SF冬の時代はまだまだ続くような気がしてならない。
(2010/02/19)20  ▲TOP


「エンドゲーム 常野物語」 恩田陸 (集英社文庫)\619 ★★☆☆☆
 「常野物語」シリーズの三冊目。今までのどこかほのぼのとした雰囲気とはうって変わって、シリアスでサスペンスタッチな一冊となっている。これまでのシリーズでは連作短編どあったのが、ここにきて初の長編。それだけにいろいろな伏線を張ったり登場人物の内面を描いたりといろいろな工夫を懲らしているのだが、残念ながらそれらが全て普通の長編小説で終わってしまい、「常野物語」シリーズならではの不思議な味わい、雰囲気を損ねてしまっている。
(2010/02/17)19  ▲TOP


「フシギな寄生虫」 藤田紘一郎 (日本実業出版社)\1575 ☆☆☆☆
 出ました、俺のライフワークの寄生虫!図版が多くてわかりやすいだろうと思って買ったのだが、いかんせん対象年齢はちょっと低めのようで、わかりやすいがものたりないという残念な結果に終わってしまった。入門書としてはうってつけなのだろうが。
(2010/02/13)18  ▲TOP


「蒲公英草紙 常野物語」 恩田陸 (集英社文庫)\476 ★★☆☆☆
 「常野物語」シリーズの二冊目。時台が少しだけ遡り、常野一族の歴史のようなものがせ垣間見える一冊。読み始めは、この時代設定にしたことに疑問を感じたりもしたが、こうやって読み終えてみると、うまく成立し、成功しているのを感じる。現代風の超能力ではなく、普通の人間とはちょっとだけ違う能力、それだけに一般人とは違った悩みを抱いている人間らしさが描かれているのがいいのかもしれない。
(2010/02/12)17  ▲TOP


「黒魔館の惨劇」 友成純一 (光文社文庫)\552 ★★★☆☆
 鬼畜系の作者の面目躍如といった趣の一冊。ロンドンのある屋敷に入居してきた家族が次から次へと奇怪な現象に襲われむごたらしく死んでいく。舞台こそ英国であるものの、登場人物がみんな日本人なので、その心理もくみ取りやすい。「地獄の家」(映画「ヘルハウス」原作)というか、きつとそのあたりが発想の原点なんだろうと思われるが。物語の背景にあるもの、最終章で描かれるある事情も面白かった。
(2010/02/11)16  ▲TOP


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 (集英社文庫)\495 ★★★☆☆
 「常野物語」シリーズの一冊目。連作短編でありそれぞれの物語が結構短くて読みやすい。他者とはちょっとだけ違っている特殊な力をもつ一族の系譜。これ、どこかで読んだような雰囲気だなあと思ったら、筒井康隆「家族八景」「七瀬ふたたび」と重なるのだ。あちらも連作短編だったし、超能力者を描いていたし。ただ、本作のほうは題名が示しているとおり、「遠野物語」を下敷きにしたような民話のテイストと歴史の流れを感じさせるところが違うのだけれど。表題作の「光の帝国」は決してハッピーエンドではなく、それだけに感慨深い、いい物語であった。
(2010/02/10)15  ▲TOP


「いなかのせんきょ」 藤谷治 (祥伝社文庫)\552 ★★☆☆☆
 ド田舎の町長選挙をめぐるドタバタ・コメディー。弁士のような語り口の狂言回しの元に、方言を多用した台詞がほのぼのとした雰囲気を醸し出している。選挙選がどのように進んでいくのか、その舞台裏を垣間見るのも面白いし、ともすればドロドロとした人間模様になるはずが、もっと淡泊でほのぼのとしているのが成功の原因か、。
(2010/02/08)14  ▲TOP


「ほしのこえ」 大場惑 (メディアファクトリー)\524 ★★☆☆☆
 大好きなアニメ映画「ほしのこえ」のノヴェライズ。原作アニメではふたりが交差することがないような予感があったのだが、この小説版ではしっかりとハッピーエンドになっている。それがいいことなのか悪いことのかは別として、やはり細かい設定を文章で読むことができるというのもいいなあ、なんて。
(2010/02/03)13  ▲TOP


「キャラねっと」 清涼院流水 (角川書店)\1500 ☆☆☆☆
 オンラインゲーム内の世界を舞台に殺人事件をはじめとした様々に事件に探偵アイドルが挑む、という物語。仮想現実とその中での振る舞い方やゲーム設定など、細かい部分もずいぶんとつくりこまれているのだが、これが結構冗長で、章が変わるたびにはじめから説明をやり直すものだから、その部分は退屈きわまりない。小説という文章表現でここまでできるというのはたいした筆力だと認めはするのだが。
(2010/02/01)12  ▲TOP


「偉人たちの死亡診断書」 佐川峻 (小学館文庫)\540 ☆☆☆☆
 文字通り、著名人たちがどのような病気で没したか、その経緯とその病気の詳細についてまとめている。古今東西歴史上の有名人がほとんどで、俺の世みたいような文豪はそれほど含まれていなかったのが残念。こうしてみると、意外な病気というのはほとんどないが、現在も克服されていない病気がほとんどであり、医学は進歩しているのかいないのか。
(2010/01/29)11  ▲TOP


「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」 ゆでたまご (エンターブレテン)\1600 ★★★☆☆
 こういう舞台裏をのぞけるような雰囲気の本が好きなのである。本書は、「キン肉マン」で大ヒットを飛ばした漫画家・ゆでたまごのふたりがどのようにして出会い、コンビを組んで漫画を書くようになっていったかを綴っている。形式が工夫されていて、ふたりが同時代のことをそれぞれ別の視点から描いているというのが面白い。コンビ作家というと、岡嶋二人にせよ藤子不二雄にせよ、仲違いやケンカ別れがつきもののように思っていたが、このコンビどうも本当に仲がいいように思える。その秘訣は何なのだろう。
(2010/01/27)10  ▲TOP


「アバター」 山田悠介 (角川書店)\1100 ★★★☆☆
 文章下手で知られる(?)作者の平積みの最新作。携帯電話でアクセスするSNSサイトで自分の分身・アバターをさくり、それをどんどん着飾っていくという話。途中から荒唐無稽な飛躍をしていくのだが、そこに至るまでの欲望の高まりがうまく描かれていて、最後まで一気に読み通すことができた。なんだかんだ言っても、この勢いのあるストーリー性がこの作者の魅力なのだろう。
(2010/01/25)09  ▲TOP


「日航ジャンボ機墜落 朝日新聞の24時」 朝日新聞社会部編 (朝日文庫)\560 ★★☆☆☆
 日航123便ジャンボ機墜落のドキュメント。この事件に関わるノンフィクションは結構追いかけてきたが、本書は朝日新聞社会部がこの事件発生からどのように関わってきたのかを余すことなく描ききっている。事件の事実の羅列におさまらず、新聞記者たちがどのような思いで事件に取り組んでいるのかを知ることができる興味深い一冊。そこにはいろいろな立場の人間の思惑やしがらみがあるのだなあ。
(2010/01/22)08  ▲TOP


「「ひかりごけ」事件」 合田一道 (新風車文庫)\84 ★★☆☆☆
 副題が「難破船長食人犯罪の真相」。太平洋戦争時に北海道・知床で起きた、難破船の船長が死んだ船員の遺体を解体して食べ、餓えをしのいだという事件。この事件については昔から知っていたが、ドキュメントとして実際に文章を読むのは初めてである。筆者は北海道の民話や怪談をまとめた本の筆者として名前は知っていたが、それにしてもよくぞこれだけの取材を重ねて事件のあらましを浮き彫りにしたものである。極限状況というのがどんなものなのか、幸運にして味わったことはないが、自分がこの立場だったらどうしただろうか、考えるだに切ない。
(2010/01/18)07  ▲TOP


「池田大作 権力者の構造」 溝口敦 (宇暖社+α文庫)\838 ★★☆☆☆
 オビに「真実の創価学会史」とあるが、なるほど池田大作という人物が創価学会という組織とどのように出会い、その中でどうやってのし上がっていったかが克明に描かれている。仮にも名誉会長となった人物のこれだけの細かい歴史、いったいどのようにして調べたのか。よっぽど身近な人間から多くの情報をえなければ描き出すことは無理だと思うのだが。創価学会本で今まで読んだ中で一番面白かったのは、「折伏鬼」志茂田景樹)だが、久しぶりにあれも読みたくなってしまった。たとえば、この本を創価学会員に読ませたとしても、彼らは内容を信じたりしないのだろうな。陰謀論者の常、か。
(2010/01/15)06  ▲TOP


「未来妖怪 異形コレクション」 井上雅彦編 (光文社文庫)\971 ★★☆☆☆
 うーん、テーマこそ「妖怪」ではあるものの、どうも方向性が今ひとつわからない。というか、腑に落ちない。どうにも、妖怪らしい妖怪を登場させ過ぎているきらいのあるような。奇妙な味、怪奇小説にあるような不可思議なモノではなく、実存的な絵に描いたような妖怪ばかりのような気がするのである。外国で例えれば、ラヴクラフトのクトゥルー神話みたいな感じか。
(2010/01/11)05  ▲TOP


「喜劇綺劇 異形コレクション」 井上雅彦編 (光文社文庫)\914 ★★☆☆☆
 シリーズ最新刊。曰く、「ホラーと笑いは共通点が多い、紙一重」とのことだが、それが本書で証明されているかというと残念ながらそこまでは至っていないのではないだろうか。確かに面白い物語もあるにはあるのだが、どうしても不条理な笑い、例えるならば筒井康隆の短編のような雰囲気のものが多く、これはどちらかと言えばホラーではなくSFだろう?という感想が残った。
(2010/01/08)04  ▲TOP


「1001秒の恐怖映画」 井上雅彦 (創元社推理文庫)\840 ★★★☆☆
 「異形コレクション」シリーズの編者としての知名度のほうが高いが、ショートショート作家としての才能、才覚もたいしたものである。本作は、主にホラー映画専門誌「日本語版ファンゴリア」に連載されたショートショートをまとめたもので、それぞれの号の特集にあわせてテーマを設定して書きつづられている。実際に観たことのある映画もあれば、名前しか知らないような古い映画もあるが、いろいろな作品の雰囲気がうまく加味されており、なにより意外な展開とオチというショートショートの命ともいえる部分がしっかり書かれているのが、ショートショート出身作家の面目躍如といったところだろうか。こういう短い物語の中にぎっしりと詰め込んだウンチクものは菊地秀行のお家芸かと思っていたが、なかなかに読み応えのある作品群だった。ホラーマニアにはたまらないだろう、一般の読み手にはどうかはわからないが。
(2010/01/06)03  ▲TOP


「社会派くんがゆく!疾風編」 唐沢俊一・村崎百郎 (アスペクト)\1600 ★★★☆☆
 「社会派くんがゆく!」シリーズはかなり買って読んでいるのだが、いったいどれを読んでどれが欠けているのかわからなくなりつつあるのが残念である。本作は2008年11月から2009年10月までに起きた事件・事故をもとにした社会時評。このシリーズを読んで楽しいのは、その語り口ではなく、その時代にあった出来事を想起し追体験できるような部分が大きい。この年には、中川昭一の泥酔会見、マイケルジャクソンの死、そして酒井法子をはじめとする芸能界の薬物汚染の事件が続いている。個人的には、殺人犯・市橋達也の逮捕がかなり興味深かったニュースであった。数年におよぶ逃亡と潜伏、女装に整形と、犯罪小説を地でいくような展開とそれを成し遂げた意志の強さというのは感服ものである。ただし、こういう事件については逮捕されるまでのスリリングな展開に惹かれるのであって、このあとのことにはさほど興味がないのだが。
(2010/01/04)02  ▲OP


「集結!世界未確認生物UMA大全画像600」 ダイアプレス (ダイアプレス)\880 ☆☆☆☆
 今年初の一冊はやはりUMA本で。この頃UMA界でトレンドなのが、天野ミチヒロとこの本の著者・山口敏太郎である。この二人の名前は数年前からたびたび目にするようになってきたのだが、なによりそれが顕著になったのが、コンビニ廉価本でのUMA本の乱発であろう。依然なら一部マニアにしか知られていなかったUMAがこうしてコンビニで堂々とめにすることができるようになったのも、こうしたコンビニ本の隆盛によるところが大きい。ただし、その内容は、以前のイメージとしての恐竜の生き残りというよりも、都市伝説的な生物や科学実験の産物という面が大きいように思う。本書ではネッシーからモンゴリアンデスワームまで(笑)ありとあらゆるUMAの類が写真やイラストで紹介されているが、よくネタが尽きないものだと感心させられる。
(2010/01/02)01  ▲TOP


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