2007年に読んだ本
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74 太陽の塔 森見登美彦★★☆☆☆
73 トンデモ版・ユーチューブのハマり方 唐沢俊一★★☆☆☆
72 超都市伝説スペシャル2 あすかあきお☆☆☆☆
71 人体の不思議面白びっくり博学知識 博学こだわり倶楽部☆☆☆☆
70 チーム・バチスタの栄光・下 海堂尊★★★☆☆
69 最新版驚愕の怪事件 並木伸一郎☆☆☆☆
68 チーム・バチスタの栄光・上 海堂尊★★☆☆☆
67 怪魚ウモッカ格闘記 高野秀行★★☆☆☆
66 探偵ガリレオ 東野圭吾☆☆☆☆
65 怪獣記 高野秀行★★☆☆☆
64 超都市伝説スペシャル あすかあきお☆☆☆☆
63 超−1怪コレクション 夜明けの章 加藤一・編★★☆☆☆
62 超−1怪コレクション 黄昏の章 加藤一・編★★☆☆☆
61 百年の誤読 岡野宏文・豊崎由美★★★★
60 ホームレス中学生 田村裕★★★☆☆
59 オタク的中国学入門 と学会レポート 明木茂夫★★★☆☆
58 Project SEVEN 七瀬 晶★★★★
57 トンデモ本の世界V と学会★★★☆☆
56 トンデモ本の世界U と学会★★★☆☆
55 ニュースの現場 19のストーリー 山藤章一郎★★★☆☆
54 なまら北海道だべさ! 千石涼太郎★★☆☆☆
53 異常快楽殺人 平山夢明★★★☆☆
52 Fake 五十嵐貴久★★★★
51 仮面ライダー響鬼の事情 片岡力★★★☆☆
50 トンデモ超常レポート傑作選 志水一夫★★★☆☆
49 続・岳物語 椎名誠★★☆☆☆
48 ホラー映画ベスト10殺人事件 友成純一★★☆☆☆
47 岳物語 椎名誠★★★☆☆
46 わたしは特別なのよ! 田中真紀子の実像 須藤義雄★★★★
45 超怖い話 怪記 松村進吉★★☆☆☆
44 会派くんがゆく! 激動編 唐沢俊一・村崎百郎★★★☆☆
43 平成怪談実録 福澤徹三★★☆☆☆
42 百物語 第六話 平谷美樹・他★★☆☆☆
41 新耳袋 殴り込み ギンティ小林★★☆☆☆
40 オカルトの帝国 一柳廣孝・編★★★★★
39 失われたドラゴン 怪獣UMAの謎 飛鳥昭雄★★☆☆☆
38 超怖い話 怪歴 久田樹生★★☆☆☆
37 おまえら行くな。 北野誠★★☆☆☆
36 続・おまえら行くな。 北野誠★★☆☆☆
35 社会派くんがゆく! 死闘編 唐沢俊一・村崎百郎★★☆☆☆
34 やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版 千石涼太郎★★★☆☆
33 日本「黒幕」列伝 別冊宝島編集部★★☆☆☆
32 怪異実聞禄 なまなりさん 中山市朗★★★☆☆
31 隣之怪 木守り 木原浩勝★★★☆☆
30 文学賞メッタ斬り!リターンズ 大森望・豊崎由美★★★☆☆
29 日本文学ふいんき語り 麻野一哉・他★★☆☆☆
28 泣かぬなら殺してしまえホトトギス スネ〜ク☆☆☆☆
27 裏のハローワーク 草下シンヤ★★☆☆☆
26 オタク論 唐沢俊一・岡田斗司夫★★★☆☆
25 逃亡日記 吾妻ひでお★★☆☆☆
24 となり町戦争 三崎亜記★★☆☆☆
23 ロミオとロミオは永遠に (下) 恩田陸★★★☆☆
22 ロミオとロミオは永遠に (上) 恩田陸★★★☆☆
21 と学年鑑 ORANGE と学会★★★☆☆
20 その英語、ネイティブにはこう聞こえます 小池信孝☆☆☆☆
19 吸血蟲  北上秋彦★★☆☆☆
18 バッテリー あさのあつこ ★★★☆☆
17 社会派くんがゆく!乱世編 唐沢俊一・村崎百郎 ★★☆☆☆
16 がばいばあちゃんの幸せのトランク 島田洋七 ★☆☆☆☆
15 心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている 神永学 ★☆☆☆☆
14 新・トンデモ超常現象60の真相 皆神龍太郎・他 ★★☆☆☆
13 超能力番組を10倍楽しむ本 山本弘 ★★☆☆☆
12 TBS報道テロ全記録 普遊舎MOOK ★★★☆☆
11 感謝されない医者 ある凍傷Dr.のモノローグ 金田正樹 ★★★☆☆
10 実録!平成日本タブー大全 1 一ノ宮美成・他 ★★★☆☆
09 駒まわし 多伍望美 ★☆☆☆☆
08 どぜうの丸かじり 東海林さだお ★☆☆☆☆
07 同和利権の真相3 一ノ宮美成・他 ★★★☆☆
06 ハッカーズ その侵入の手口 ケビン・ミトニック他 ★★★☆☆
05 同和利権の真相2 一ノ宮美成・他 ★★★☆☆
04 野中広務 差別と権力 魚住 昭 ★★★★
03 同和利権の真相1 寺園敦史・他 ★★★☆☆
02 佐賀のがばいばあゃん 島田洋七 ★★☆☆☆
01 超怖い話 超−1怪コレクション3 加藤一・編 ★★☆☆☆




「太陽の塔」 森見登美彦 (新潮社)\400 ★★☆☆☆ ▲TOP
 今年度最後の一冊をちょうど読み終わった。日本ファンタジーノベル大賞受賞作ということなのだが、なぜこれがファンタジーのジャンルにあたるのだろう?ちょっと筒井康隆の雰囲気を感じるような物語で、ちょっと夏目漱石も入っているような。こういう文体の文章を書くのつて、さぞかし肩が凝っただろうに。くすりと笑える部分もあったりして、不思議な雰囲気をもった物語である。あっ、だからファンタジーなのかっ?
(2007/12/30)


「トンデモ版・ユーチューブのハマり方」 唐沢俊一 (白夜書房)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 トンデモ版と銘打ってはいるものの、これは出版上の事情だろうなあ(苦笑)。著者のユーチューブとの出会いからいかにそれを深化してきたかの解説のような本。図版が結構あるので厚くなっているが、内容は読みやすくあっさりしている。俺も最近ユーチューブでいろいろ検索して動画を見る機会が増えたのだが、確かによくこんなのがと思うようなものがアップされている。ただ、探してもないのがあって残念がったり、見つかって当たり前と考えないようにしなければと自戒。自分でも何かアップしてみようかとも思うのだが、著作権の問題があるしなあ。
(2007/12/28)


「超都市伝説スペシャル2」 あすかあきお (徳間書店)\840 ☆☆☆☆ ▲TOP
 第2弾。今回もUMAスペシャルと言っていいだろう。ネッシー、チャンプ、モケーレムベンベ、ニューネッシーといろいろなタイプのUMAを登場させているが、すべてインチキ臭い写真ばかりというのはどうしてだろう。あと出てないのは、グリーンアイズとオゴポゴか。たぶん第3弾までひっぱるつもりなんだろうなあ。でも、この程度の写真がホンモノだと言い張るのはサイエンス”エンターテイナー”としてもどうだろう?今回の文体は時節に乗ってオネエ言葉を使っているが、あまりにもまわりくどい言い回しが多くてくどすぎる。そういいつつも買ってしまう、業の深さよ…。
(2007/12/26)


「人体の不思議面白びっくり博学知識」 博学こだわり倶楽部 (河出書房新社)\540 ☆☆☆☆ ▲TOP
 人体に関する雑学本。内蔵から病気まで、結構広範囲にわたって解説しているが、二度読みたいとまでは思わない。結構面白いこと書いてあるんだけどな。
(2007/12/21)


「チーム・バチスタの栄光・下」 海堂尊 (宝島社文庫)\476 ★★★☆☆ ▲TOP
 後編になって、実に奇妙で魅力あるキャラクターが登場する。こういう多弁な人物をこのタイミングで登場させるのは結構難しいと思うのだが、作者は実にうまくそれをとけ込ませている。ただ、横文字を多用したせいでそのロジカルな部分の理解を阻んでいるような気もするのだが。このキャラクターを映画でどのように演じるのか、ちょっと興味が出てきた。不定愁訴内科という言葉もなかなか興味深い。
(2007/12/17)


「最新版驚愕の怪事件」 並木伸一郎 (竹書房)\500 ☆☆☆☆ ▲TOP
 よくあるコンビニのワンコイン本。それほど目新しい情報は載っていないのだが、地元・北海道に関わる情報は見逃せないところ。特に、道内にあるストーン・サークル(環状列石)は名前こそ昔から知ってはいるものの、実際に訪ねたとこはないので、いつかは行ってみたいものである。
(2007/12/12)


「チーム・バチスタの栄光・上」 海堂尊 (宝島社文庫)\476 ★★☆☆☆ ▲TOP
 「このミステリーがすごい」で奨められてたので。現役の医師が書いたとのことだが、確かに医師の日常についての描写は優れているかも。章立てがしっかりしているせいで、登場人物のキャラクターもしっかり書き分けられており、それぞれに特徴がつけられているので判別もしやすい。ただ、物語が遅々として進まない印象があるので、次巻をどうしようか迷っていたら、すでに読み終えた人から、主人公となるべき人物が後編に登場すると教えられた。ちょっと楽しみかも。
(2007/12/07)


「怪魚ウモッカ格闘記」 高野秀行 (集英社文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 怪魚ウモッカを追ってインドに行く話。怪獣記とは違って肯定的な立場からアプローチしているので熱意に満ちているのだが、いかんせんこれだけの頁を使っていながら結局入国できなかったというオチ。物語初盤にあれだけ期待させておきながら…という感じでがっかりすることこのうえなかった。
(2007/12/03)


「探偵ガリレオ」 東野圭吾 (文春文庫)\540 ☆☆☆☆ ▲TOP
 TV番組の原作として書店で平積み。連作短編ということで読み進めるにはちょうどいい長さの物語なのだが、推理小説としてはどうか、という感じ。シリーズの一作目ということで主要なキャラクターの魅力もまだ発揮されていないし、何よりトリックが今ひとつ。面白科学実験のレベルじゃあ…。
(2007/11/28)


「怪獣記」 高野秀行 (講談社)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 トルコのヴァン湖のUMA・ジャノを追ったルポルタージュ。固定的な見解からスタートしているので実際はどうだつたのかと思うのだが、ジャノ自体よりもヴァン湖周辺の自然や環境、国情について詳しく調べられているのには感心した。こういう周辺事情をきっちり押さえておくのが大切なのだろうとも思う。ジャノの映像についすては、俺個人としては結構ホンモノっぽく見えていたのだが、フェイクとして断定されてしまったのは残念…。
(2007/11/23)


「超都市伝説スペシャル」 あすかあきお (徳間書店)\724 ☆☆☆☆ ▲TOP
 あすかあきおは、自分自身で「都市伝説の総本家」などと名乗っているのがどうにも嫌である。今回はUMAに関わる情報がほとんどなのだが、宇宙人グレイと河童が同一のものだという主張はともかく、すべての事象をなんでもかんでもプラズマと結びつけるのはいかがなものか、と思うのだが。あと、恐竜には毛が生えていたという自説を補強するために、UMA写真(と称するもの)にすべて体毛をつれ銜えているのも。
(2007/11/21)


「超−1怪コレクション 夜明けの章」 加藤一・編 (竹書房文庫)\600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 実話系怪談の短編というのも、書いてみる価値はあるかもしれないなあ。
(2007/11/18)


「超−1怪コレクション 黄昏の章」 加藤一・編 (竹書房文庫)\600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 毎年角川のほーらー小説に応募しようとしているのだが、ここ10年くらい果たせずにいる。アイディアはあるのだが、資料を集めたりプロットをまとめる時間がない。一年くらいかけてじっくり取り組んでみたい気はするのだが。
(2007/11/17)


「百年の誤読」 岡野宏文・豊崎由美 (ぴあ)\1600 ★★★★☆ ▲TOP
 月刊「ダ・ヴィンチ」で連載されていたもの。興味のある何回かは読んだが、あとは面倒で書籍化を待っていたもの。この百年間ノベストセラー小説について、対談形式で書評をしている。俺自身が読んだことのある本は少ない方だが、読んだ気にさせられるのがいい。特に昭和後期、知っている署名や読んだことのある本が出てくると楽しかった。ブ厚い本なので何回も読み直すことはないだろうが、こういう本こそ「読み応えがある」と言えるだろう。
(2007/11/14)


「ホームレス中学生」 田村裕 (ワニブックス)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 話題の一冊で平積みされていたもの。普段ならこういう芸人の書いたハードカバーなど買う気にならないものだが、なんとなく手にとってなんとなく買ってしまった。で、予想外に面白かったのである。一般の人はホームレス生活というその”ネタ”の部分を面白がって読むのだろうが、俺は母をなくした著者の心情のほうにおおいに共感してしまった。これもまた、人に奨めることのできる一冊である。
(207/11/07)


「オタク的中国学入門 と学会レポート」 明木茂夫 (楽工社)\1680 ★★★☆☆ ▲TOP
 と学会シリーズの一冊なのだが、内容は実にアカデミック。様々なジャンルの事象を通して中国学に触れることができる。国語を仕事にしている俺にとっては、いろいろなアイディアの源泉にすることができそうな一冊。特に、資料をあたって中国のUFOについて調べる章があるのだが、こういう一次資料にあたって何かを調査する方法というのは推理小説のようで感心せられるものである。
(2007/10/31)


「Project SEVEN」 七瀬晶 (アルファポリス文庫)\620 ★★★★☆ ▲TOP
 久々に読み応えのあったSF作品。「セカンド・ライフ」の世界観を予見していたようなことがオビに謳われていたのだが、これくらいの仮想現実モノは昔からあったんだけど。とは言うものの、読み物としてはかなりの出来で、結構な分量はあるものの、最後まで飽きずに読むことができた。結末がちょっとありきたりな感じがしたけど。ストーリーの全てがバーチャル世界で進行せず、現実世界のハッカーがいろいろいと動くのがよかったのかも知れない。
(2007/10/26)


「トンデモ本の世界 V」 と学会 (楽工社)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 2冊同時刊行。俺個人のトンデモ関係で言えば、ここ数年興味があるのは毎度ながらのUMAと歴史関係である。特に偽史・偽書について書かれている本を読むことが多い。これは、ひとりの人間の力でどれだけ壮大で、しかも整合性のある歴史を構築できるか、ということに興味があるため。実際ものすごい労力を使って”創られ”ているものが多いまだが、その発想がどこから来ているのか。やっぱり、一種の天才と言っていいのだろうなあ。
(2007/10/19)


「トンデモ本の世界 U」 と学会 (楽工社)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 2冊同時刊行。と学会が16年も続いていたとは。この本の中では、俺の年代の人間なら必ず引っかかるであろう、「サブカルチャー研究本」の章が読み応えがあるだろう。ライアル・ワトソン中岡俊哉の名前なんか特にそう。昨今はスピリチュアリズムがブームのようだが、この頃は「なんだか不思議な話」が流行だったよなあ。科学的な考察だとかツッコミだとか、そういうのが無縁だった頃が懐かしい。
(2007/10/17)


「ニュースの現場 19のストーリー」 山藤章一郎 (小学館)\850 ★★★☆☆ ▲TOP
 実際の題名は、『 「私の手は母を殺めるためにあったのか」と男は泣いた』、という長いもの。確かに書店では目立ったんだよな。小学館の『週間ポスト』
の連載記事「ニュースを見に行く!現場の磁力」からのダイジェストだそうだが、この事件と土地柄を結びつけるという手法はなかなか面白い。まあ、どこまで深読みできるか、というのが問題とにってくるのだろうが。また、この文体がなかなか味のあるもので、1本1本違っていねのだが、散文詩的な書き方の文章が特にいいのだ。書名にもなっている『 「私の手は母を殺めるためにあったのか」と男は泣いた』という委嘱殺人の話は実に痛ましいものだったが、何年か前、認知症の妻を介護する夫が夫婦揃って火葬場に入って自死するという事件を思い出した。
(2007/10/13)


「なまら北海道だべさ!!」 千石涼太郎 (双葉文庫)\600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 前作「やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版」がなかなか面白かったので、続けて。こういうご当地ものはあまり興味なかったのだが、こうして自分の住む地域についてあらためて見ていくとやっぱり面白い。他府県の人間にどううつっているのか、などと考えてしまう。読んでいて、あなずける部分もそうでない部分もあるのだが、そのへんは地域差というものだろうか。とにかく、知っている地名や特産物、事柄がどんどん登場するので読んでいて飽きない。
(2007/10/12)


「異常快楽殺人」 平山夢明 (角川ホラー文庫)\720 ★★★☆☆ ▲TOP
 著者は怪談の名手として認識していたのだが、こんな本まで上梓していたとは。登場する殺人者からして、エドワード・ゲインジョン・ゲイシーアンドレイ・チカチロジェフリー・ダーマーと、ホラー映画・スプラッタ・ムービーのモデルとなった有名人が目白押しであり、マニアとしては大いに満足である。本書の中では、快楽殺人と殺人快楽の違いについて分析されている箇所が興味深かったのだが、これらのシリアル・キラーがなぜ死体というものに異常なまでの執着をみせるのか、病理上のことだけではなく、なにか人間性の深奥に隠されているものがあるとしか思えない。
(2007/10/08)


「Fake」 五十嵐貴久 (幻冬舎文庫)\800 ★★★★☆ ▲TOP
 帯に「コン(詐欺)・ゲーム」という文字が踊っているのを見て購入。俺自身は映画「スティング」が原体験となっているのだが、最後の最後での大逆転、どんでん返しというのが実にスリリングなのである。推理小説との境界がどうなっているのかは知らないが、作者にダマされたという感じはせず、登場人物にうまくダマされたと思わされるのがいいのかもしれない。最後まで読み進めると、トリック自体は簡単で誰でも思いつけるようなものなのだろうが、それをここまで引っ張ってすんなり納得させるのは、やっぱり作者の力量というものだろう。ポーカーゲームの知識や、駆け引きをするうえでの人間心理の機微など、うまく描かれていたと思う。
(2007/09/25)


「仮面ライダー響鬼の事情」 片岡力 (五月書房)\2400 ★★★☆☆ ▲TOP
 最初は買うつもりはなかったのだが、DVDでレンタルしたテレビ版「仮面ライダー響鬼」が予想に反して面白くて、最後まで観てしまう勢いだったので、背景にあつたものが何かを知りたくて探してまで買ってしまった。副題は『ドキュメント ヒーローはどう〈設定〉されたのか』。物語の設定に関わったライターによる本。裏幕の暴露にかんする部分が少ないが、これはよかったのか悪かったのか。それにしても、たかがジャリ番(子供番組)に、ここまでの労力をかけて考証・設定をしているとは思わなかった。夢物語に論理的な説明づけをするところまでしていたとは。ネットではこの「響鬼」、平成仮面ライダートリーズの中では酷評されているのだが、俺はこういうのもあり、だと思うんだけどなあ。
(2007/09/21)


「トンデモ超常レポート傑作選」 志水一夫 (楽工社)\1600 ★★★☆☆ ▲TOP
 著者10年ぶりの最新刊だそうである。6部から構成されている本書、オカルト界隈、トンデモ方面を話題に、詳細な調査をモトに論じている、文字通りのレポートになっている。俺はやっぱりこの著者の守備範囲の中ではUFO関係の造詣の深さに感心させられる。特に、世界のなはらカルト巡りと題したものは、UFOの起源から、各カルト宗派の主張や変遷、どこに元ネタをとっているかまで概観することができる。10年前の同著者による「UFOの嘘」も丁寧な解説で理解しやすかったし、新刊にも期待したい。
(2007/09/14)


「続・岳物語」 椎名誠 (集英社文庫)\467 ★★☆☆☆ ▲TOP
 「岳物語」の続巻。少年が大人になっていく姿を描いた物語としては、こんなに読みやすいものはないのではないか。ただ、成長過程を追っていくなかで、少年それ自体をみつめる視点からら、自分の手を離れていく息子の姿を見ている父親の視点になっていくのは、ちょっと。これは人の親らねばわからない感覚なのかもしれないが。
(2007/09/10)


「ホラー映画ベスト10殺人事件」 友成純一 (光文社文庫)\2100 ★★☆☆☆ ▲TOP
 書店で見て、表紙が「悪魔のいけにえ」だったというただそれだけの理由で買ってしまった一冊。作者の友成純一の名前はスプラッタホラー方面でよく聞くので間違いはないだろう、と。本書の中で描かれているのは、ホラー映画評論家の世界で、解説を読むとどうやらモデルも存在するらしく、実際の生態が書き込まれているそうである。ホラー映画と同じ殺し方で、というのであればそれをしっかりなぞってほしかったところだが、こんなに突飛な殺人事件が結構現実的な時間軸の中で進行していくのであった。スプラッタ・コメディー。
(2007/09/07)


「岳物語」 椎名誠 (集英社文庫)\429 ★★★☆☆ ▲TOP
 これは、続編とともに昔ハードカバー版で買って読んでいた本。たまたま仕事の資料に一節が載っていて、懐かしくてついつい買ってしまった。子供の成長を見守る親バカの話、ではなく、単にバカバカしい親の話。いや、ほめ言葉として。愛情がどうのとか教育がどうのとか、そういう難しい理屈抜きで、ただただあるがままをそのまま写し取ったような物語である。作者の他の作品での文体はあまり好きではないのだが、この本ではそういうごたごたした修飾がないのがいい。この本が書かれた頃から20年、登場人物の岳が今どうなっているのか、そのへんも何かで読んでみたかったり。
(2007/09/03)


「わたしは特別なのよ! 田中真紀子の実像」 須藤義雄 (スタジオ・セロ)\1600 ★★★★☆ ▲TOP
 政治家・田中真紀子の元公設秘書による裏話。スキャンダラスな話が数多く出てくるのだが、それがたぶん真実だろうと思わせてしまうの゛、田中真紀子のイメージというものだろう。また、秘書時代のメモや手帳をもとに、時系列に沿って丁寧に綴っているのが、ドキュメントとして成功している要因だろう。それにしても、一介の会社員がこのように政治の世界に巻き込まれてボロボロになっていくというのも、なんて数奇な運命なんたろうか。頁数も多くぶ厚い本だったが、最後まで何の抵抗もなく読み進めることができた。面白かった。
(2007/08/31)


「超怖い話 怪記」 松村進吉 (竹書房文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 怪談新世代(ニューウェーブ)シリーズ第2弾だそうである。たぶん、この路線で実話怪談の書き手を育てて、世代交代に備えるつもりなのだろうが、これは実にうまい手法だと思う。通年で考えるとなかなか難しいだろうが、怪談というのは一年の中で夏のこのシーズには欠かせない、間違いなく需要がみこめるジャンルなのだから。ただ、その書き手の力量がどうか、ということであるが、なかなか今までに発表された名作のようにはいかないのが現状。彼らが量産を強要されて消耗してかないかが心配だったり。
(2007/08/29)


「社会派くんがゆく! 激動編」 唐沢俊一・村崎百郎 (アスペクト)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 このシリーズ、本当にクセになるっ!偽悪趣味の言葉など、読んでいてあまり気分のよくない部分もあるのだが、これ、社会時評としてはなんとも興味深いのだ。本書では、鈴木宗男山崎拓の関係した政治事件や、タマちゃんや雪印の偽装問題など、今となっては懐かしい事件の数々について論評されている。決して真っ正面からではなく、ナナメからとらえた個人的な主張のオンパレードなのだが、その考え方、捉え方の面白いこと。ネットではリアルタイムで読めるらしいのだが、こうしてまとめてみると、その一年間のニュース事情が概観できていい。
(2007/08/20)


「平成怪談実録」 福澤徹三 (新潮文庫)\362 ★★☆☆☆ ▲TOP
 正直言って、「新潮も怪談ブームに迎合したかっ」とか思ったものである。この季節だから仕方はないのだろうが、新潮文庫らではの重厚感とか文学っぽさがない刊行はどんなものだろう。この作者の怪談関係の本は読んだことがあるが、新潮文庫とは趣が違うような気も。実録怪談ということなのだが、なんだか、実録怪談風の純文学を目指しているような雰囲気で。
(2007/08/17)


「百物語 第六話」 平谷美樹・他 (ハルキ・ホラー文庫)\660 ★★☆☆☆ ▲TOP
 お盆のまっただ中に怪談を読むというのも、季節感あふれて、というか何というか。巻を重ねると初期の荒々しさというか原始的(プリミティブ)な怖さ、せまってくる迫力が薄れていってしまうのが残念なところである。枯れたような、とはよくいったもので、どこか達観したような、ホラー映画の登場人物が怖がっているのを画面の外から見ているような、そんな読後感が残った。
(2007/08/15)


「新耳袋 殴り込み」 ギンティ小林 (洋泉社)\1300 ★★☆☆☆ ▲TOP
 実話怪談の名シリーズ「新耳袋」に登場した怪奇スポットに実際に行ってみようという企画。いかにも、という企画なのだが、面白おかしい雰囲気でしかとらえていないのはどんなものか、と。もう少し真面目に(というか)怪談っぽいアプローチでもよかったのではないかと思うのである。これは「新耳袋」本編を読破している人間だけが楽しめる本であり、今はこれくらいでしか「新耳袋」を楽しめないのは残念のかぎり。
(2007/08/13)


「オカルトの帝国 1970年代の日本を読む」 一柳廣孝・編 (青弓社)\2100 ★★★★★ ▲TOP
 厚みの割に値段が高いので買うかどうか迷ったのだが、これは思い切って大正解。俺にとってもいろいろと思い出の深い、1970年代の日本のオカルト全般についての評論を集めた本。ざっと固有名詞だけ拾ってみても、日本沈没、横溝正史、エクソシスト、ノストラダムス、中岡俊哉、水木しげる、つのだじろう、アダムスキ、ユリゲラー、などなど…。まさに、俺がこのジャンルの深みにはまっていった、その時代性を浮き彫りにしてくれる文章ばかりである。懐古のみにとどまらず、これはこの時代を知るための資料としても一級ではあるまいか。個人的には、UFO教団CBAの内紛と思想的背景について詳細に解説してあるところが興味深かった、この本はぜひいろいろな人に奨めたいのだが、この気持ちに共感してくれる人を探す方が難しいのだろうなあ(遠い目)。
(2007/08/11)


「失われたドラゴン 怪獣UMAの謎」 飛鳥昭雄 (学研)\950 ★★☆☆☆ ▲TOP
 ついつい買ってしまうのがUMA者の悲しい性。あいかわらずの飛鳥昭雄節炸裂で、「秘密結社を通じて入手した」「なもちの鮮明な写真」なのだが、そのほとんどが「は虫類型ほ乳類」で「体毛が生えてて耳がある」というもの(^^;。確かに最新の学説には見合っているように思えるのだが、こうまで統一感があるとかえって怪しく感じてしまうものである。特に、日本古来の妖怪である河童がグレイの正体で、プラズマを発生させる力を持っている、などというのは…。でもインチキ臭いとわかってはいても、こうまで鮮明な写真が見れるのは飛鳥本だけなんだよなあ。
(2007/08/10)


「超怖い話 怪歴」 久田樹生 (竹書房文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 ものすごく怖いというのではないが、なんとなく生理的に嫌悪感のある物語が多かったように思う。特に、土着的というか因縁話に近いような物語は、この作者の嗜好なのだろうか。若くしてこういう雰囲気の物語を作話できるとしたらたいしたものだとは思うが、さていったいいくつくらいの人なのだろう。それにしても、この実話怪談というジャンル、実話なのか創作なのか?
(2007/08/08)


「おまえら行くな。」 北野誠 (マイクロマガジン)\980 ★★☆☆☆ ▲TOP
 続編がよかつたので安心して購入。幼少時からの不思議な、あるいは怖い体験から始まって、「新耳袋」でも有名になったエピソードの裏話などにも触れている。また、この話をインタビューして構成しているのが加藤一という実話怪談系では巧みなライターで、北野氏のいわんとするニュアンスをうまく伝えているのだ。こういう有名人の体験をもとにした話だと、なんだか顔の見えない一般人の話よりもイメージ化しやすいから不思議。
(2007/08/02)


「続・おまえら行くな。」 北野誠 (マイクロマガジン)\980 ★★☆☆☆ ▲TOP
 続編から勝ったのは、たぶん2冊目の方がこなれていると思ったから。北野誠の顔と名前はテレビで依然から知ってはいたが、こういう心霊ものの系統に詳しい人物だとは知らなかった。また、てっきり懐疑的な、あるいはネタとして面白がっている風を演じているとばかり思っていたのだが、結構真剣に取り組んでいるのもわかってびっくり。結構怖い話もあったりするので、シリーズ化もいいかも。
(2007/08/01)


「社会派くんがゆく! 死闘編」 唐沢俊一・村崎百郎 (アスペクト)\1300 ★★☆☆☆ ▲TOP
 シリーズの2003年度版。この年どんな出来事があったかを俯瞰して見るには絶好の一冊。イラク戦争や、日本中で凄惨な殺人事件の続発した一年だったんだなあ。唐沢・村崎両氏のコメントは偽悪的ともいえるものだが、なかなかどうして良心的というか、正鵠を射ているのではないか。確かに、一般の言論人が使わないような差別用語や視点から論じてはいるが、ふだん思っていても口にできないようなことが語られていると、このシリーズ、読むのを止めることができない。
(2007/07/20)


「やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版」 千石涼太郎 (双葉文庫)\476 ★★★☆☆ ▲TOP
 北海道在住の人間としては、こうして北海道の紹介をしている本を見かけるとついつい手にしてしまう。確かに、それぞれの地方によって習慣も違ってくるのだが、住んでいる人間にとってはそれが当たり前で他からどのように見られているのかはわからないものである。本書に登場するいろいろな事物は、内地(本州)の人間に北海道を紹介する体裁をとっているので、ああ、こういう風にうつっているんだ、と気づかされる。なかでも、ジンギスカンやザンギなど、食べ物の項目が面白かった。ただ、ワザとらしい北海道弁はどんなものかと。
(2007/07/06)


「日本 黒幕列伝」 別冊宝島編集部 (宝島社文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 笹川良一をはじめとして、日本の黒幕、フィクサーと呼ばれた人間について書かれている。ひとりあたりが4ページ程度と分量が少ないので、どういう経歴があるかとどんな分野で活躍したかだけに絞ってあっさりまとめられているので、出てくる人数は多いが内容としては今ひとつ深みに欠けると言えよう。ただ、経済、政治、任侠など、いろいろな分野にわたっての有名人が登場するので、軽い読み物としては適しているかもしれない。
(2007/07/04)


「怪異実聞禄 なまなりさん」 中山市朗 (メディアファクトリー)\1000 ★★★☆☆ ▲TOP
 「新耳袋」の編者による実話怪談長編。これは額面どおりに実話体験談と受け取っていいものだろうか。キャラクターの造型や登場人物など、どうしてもフィクションのような気がしてならないのだが。始めは、なんだかストーカーの度合いが激しくなっていく話なのかと思っていたのだが、読み進めていくと次第な怪談としての色合いが濃くなっていく。このへんの構成はなかなか巧みである。ビジュアルに訴えるような場面が多いので、これは映画化前提に書かれた話のような気も。
(2007/06/29)


「隣の怪 木守り」 木原浩勝 (メディアファクトリー)\1200 ★★★☆☆ ▲TOP
 「新耳袋」の編者による実話怪談短編集。封印していた話を解禁、ということだったのだが、いったいどれがその話だったのだろう?とはいえ、ゾッとする話もいくつかあって、「新耳袋」が終了した今となっては、貴重な怪談本であることは確か。こういうのを読むと自分でも書きたくなってしまうのだから、因業深いよなあ。
(2007/06/27)


「文学賞メッタ斬り!リターンズ」 大森望・豊崎由美 (PARCO出版)\1600 ★★★☆☆ ▲TOP
 「文学賞メッタ斬り!リターンズ」の続編。前作で、いろいろな文学賞のエピソードや受賞作の傾向などある程度の知識を得ることができたので、今度こは楽しんで読み奨めることができた。特に、特別ゲストの島田雅彦による文壇の裏事情が面白い。なるほど、初期の文芸春秋はこんな感じで読者を得ていたんだなあ、などと。
(2007/06/25)


「日本文学ふいんき語り」 麻野一哉・飯田和敏・米光一成 (双葉社)\1600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 日本の名作文学をゲーム化したらどうなるか、というテーマの本。どこかで聞いたことのあるような話だと思ったら、「ベストセラー本ゲーム化会議」の続編にあたるような趣。ただし、今回は近代文学の名作ということで、それを読んだ3人の感想の部分に重きが置かれている。読む人の趣味や嗜好によって、こうまで読まれ方が違うのか、といったことを感じさせられた。それにしても、ゲーム化の部分自体はあまり重要視されていないような気が。
(2007/06/15)


「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」 スネ〜ク (角川SSC)\1200 ☆☆☆☆ ▲TOP
 人気blogランキング1位と聞いて、期待して買ってみたのだが、これはちょっと期待はずれ。悪徳業者やクレーマーとの闘いを綴ったものなのだが、どうにもすべての設定がウソくさく感じてしまうのである。作者は、笑ってもらえるための文章を意識して書いているそうなのだが、そのツボというのがどうも底が浅いような気がして。笑えたのは一カ所くらいで、あとは後味の悪い読後感が。俺にとってこれは、逆クレーマーのような存在荷重得手しまうのだが。
(2007/06/08)


「裏のハローワーク」 草下シンヤ (彩図社)\1200 ★★☆☆☆ ▲TOP
 ずっと積んでいた本。いざ読んでみると、結構あっさりと読み終わってしまった。内容は、月刊の裏情報誌によく載っているコラムをまとめたような感じ。今までに見聞きしたことのある職業がほとんどだったが、とさつ業者や原発作業員の仕事など、初耳のものも。ただ、いろいろな裏モノ職業を広く浅く紹介しているので、もう少しつっこんで知りたい場合にはむかないかも。
(2007/06/01)


「オタク論」 唐沢俊一・岡田斗司夫 (創出版)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 オタク”第一世代”による、現代のオタク業界周辺雑記、とでも言えばいいだろうか。マンガ、アニメに限定せず、インターネットの世界から世相まで、いろいろな分野にわたっての対談がなされている。オタクの定義についてはすでに論が出尽くしたような感があるが、この二人によるオタクという生き方・性質の説明はとても具体的でわかりやすい。俺なんかは、第二世代ということになるのか。
(2007/05/28)


「逃亡日記」 吾妻ひでお (日本文芸社)\1260 ★★☆☆☆ ▲TOP
 同作者による「失踪日記」の便乗本みたいな感じ。生い立ちや漫画家としてのデビュー時期のことなど、今まで語られていなかったことものっているが、新味はいまひとつ、といった感じか。インタビューの部分も多いのだが、やはり書き下ろし漫画の数々が貴重かも。
(2007/05/23)


「となり町戦争」 三崎亜記 (集英社文庫)\500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 小説すばる文学賞。不条理モノというか、どうしてもイメージ的に筒井康隆のショートショートを思い浮かべてします。たぶん、70年代SFに親しんだ人なら、俺と同様の感想をもつのではないだろうか。どちらかというと漫画向きなテーマのような気もするが、文章ではその不条理感がうまく伝えられていないような気もしたりして。主人公となる2人以外の人物が薄っぺらく感じられるのが原因かもしれない。
(2007/05/18)


「ロミオとロミオは永遠に (下)」 恩田陸 (ハヤカワJA文庫)\640 ★★★☆☆ ▲TOP
 修学旅行引率3日目に読了。この作品の成功は、やはり昭和の時代のカルチャー、サブカルチャー用語をたくさん織り込んでいるところにあるのだろう。逆に、読者の年代を選ぶ作品だとも言えるのだろうが。不条理SFのひとつとして数えていいのだろうか、30代〜40代の人間が読むのにふさわしいような気も。こういう不思議な物語設定をするSF作家が昔いたような気がするのだが、さて誰だったろう。
(2007/05/11)


「ロミオとロミオは永遠に (上)」 恩田陸 (ハヤカワJA文庫)\640 ★★★☆☆ ▲TOP
 修学旅行引率2日目に読了。作品の名前こそ知っていたものの、上下2巻で読み始めてつまらなかつたら最悪。こういう体裁の本を買うのは一種の賭け、である。では一冊ずつ買えばいいところなのだが、俺の性格上そうもいかないし。買ってからパラパラと斜め読みしたときは、「これは失敗したかも…」と思ったのだが、実際に読み始めると、もともと連載されていたものだからか、章立てが短くて読み進みやすいし、設定も昔のSF作品のようで、ついつい引き込まれてしまうのだった。
(2007/05/10)


「と学会年鑑 ORANGE」 と学会 (楽工社)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 久々の”純正”と学会本。年鑑(学会発表)シリーズはあまりたいしたものがないと思っていたが、この巻はなかかな練れてきているような気が。特に、古史古伝の項は、紹介されている本を読んでみたくなってしまった。思えば俺の本棚にも、かなりの「と本」があるような気がするし。第15回トンデモ本大賞のノミネート作品の発表場面が収録されているが、初期のように腹を抱えて笑える作品が減ってきているのが残念。慣れてきてしまったのだろうか。
(2007/05/06)


「その英語、ネイティブにはこう聞こえます」 小池信孝 (主婦の友社)\1260 ☆☆☆☆ ▲TOP
 普段英語でチャットする機会が多いのだが、英語圏のガイジンには俺との会話がどのように映っているのかちょっと気になって手にした一冊。読んでみると、なるほど、学校で習う文法に忠実な英語が、彼らにとっては奇異に感じられる部分が多いことに気づかされる。日本語の情感をこめた言い回しが、英語においても十分可能なのだ、と気づかされたところに価値あり、の一冊だったか。
(2007/05/02)


「吸血蟲 」 北上秋彦 (角川ホラー文庫)\819 ★★☆☆☆ ▲TOP
 オビに「吸血鬼・驚愕の新解釈」と謳っているが、題名どおり寄生虫がその正体。寄生虫とモンスターの関連については、俺にも独自の考えがあったりするのだが。さて、解説の中にもあるのだが、スティーヴン・キング「呪われた町」の影響が色濃く感じられる舞台設定とストーリー展開である。日本の寒村に舞台を移して日本人にも共感、想起できるように工夫されてはいるが、20年ほど前のホラーブームの頃に海外の作品に数多く触れた人間にはもの足りない部分もあったのではないだろうか。俺はというと、個人的にはこれくらいの軽いテイストはお気に入り。あまりの超大作となると、読むのに疲れてしまうし。主人公たちの設定にはちょっと都合のよすぎる部分もあったかも知れないが、ジャパニーズ・ホラーとしては十分に成立していたと思う。
(2007/04/30)


「バッテリー」 あさのあつこ (角川文庫)借り物\540 ★★★☆☆ ▲TOP
 映画化もされ、ずいぶんと話題になっていたが、ほとぼりがさめたこのへんで一読。オビには「児童書を越えた」とか書かれているのだが、なるほど、これは「オトナのための児童書」と言っていいかも知れない。俺は野球自体には興味がないので、もっと違うアプローチの仕方のほうがすんなり入ってくるのだろうが、この主人公の心理描写は確かに巧い。あとは、彼らが過ごす自然の豊かな情景をもう少し織り込んだほうが、とか思った。
(2007/04/20)


「社会派くんがゆく!乱世編」 唐沢俊一・村崎百郎 (アスペクト) \1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 シリーズで読むのは2冊目だが、まだまだ過去のぶんも読んでみたいと思わせる。特に、”イラク3バカと自己責任論”に関わる時評など。この本の中では、主に2006年にあった、ホリエモン・村上ファンドをはじめとする金融関係、多発した幼児の虐待や殺人についてページが多く割かれている。こうして時系列に並べて追っていくと、当時の社会事情が浮き彫りになってくるから、実に効果的な手法だろう。前回読んだときは、このシリーズ、もっと毒があったような覚えがあるのだが、事件の多様性と深刻化のためか、それが薄まっているようなのが気になるような、安心して読めるような。
(2007/04/18)


「がばいばあちゃんの幸せのトランク」 島田洋七 (徳間書店) \560 ☆☆☆☆ ▲TOP
 「がばいばあちゃん」エッセイシリーズ2作目。上手いとは思わないのだが、味のある文章であるのは確か。本作ではばあちゃんはほとんど登場しないが、島田洋七が芸人になるまでのいきさつが描かれているのは興味深い。舞台で話したのを聴いたら笑っておしまいになるだろうエピソードも、こうして活字で読むとしみじみとした気持ちになってしまうから不思議なものである。
(2007/04/16)


「心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている」 神永学 (文芸社)借り物\1000 ☆☆☆☆ ▲TOP
 名前は知っていたものの、なかなか食指の動かなかった一冊。なんとなく展開が読めていたし。今回借りて読んでみたのだが、さすがに文芸社、2時間あまりであっさり読み終えることができた。現在このシリーズは第6弾くらいまで出ていて、漫画化、ドラマ化もされていると聞くが、あまり興味はない。心霊探偵や妖怪退治モノで言えば、古くは「ゲゲゲの鬼太郎」都築道夫「雪崩連太郎」シリーズ、近年でも夢枕獏「闇狩り師」(九十九乱蔵)シリーズなどがあり、どうしてもそれらと比べてしまったりする。人物の性格や設定が甘いのはまだこれがシリーズの1作目だということもあるのだろうが、主人公・八雲の出生にまつわる描写などは蛇足だと思うのだが。連作短編で読みやすかったのが救いで、これが長編だときっと最後まで根気が続かなかっただろうなあ。
(2007/04/13)


「新・トンデモ超常上現象60の真相」 皆神龍太郎・他 (楽工社)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 これ、全部読み終えてから気づいたのだが、2001年に出版された「新・トンデモ超常上現象56の真相」の増補改訂版なのだった。確かに序文の中で「トンデモ超常上現象99の真相」の姉妹編だとは書いてあったのだが、全然気がつかなかった。で、全編読み終えてから本棚をみると、ほぼ同じ内容の一冊があってがっかり。しかし、読んでいたときは、全然気がつかなかったのだから、俺の記憶力というのもあてにならないものである。まあ、この分野の基礎知識をおさらいしたと思えばいいか…。
(2007/04/11)


「超能力番組を10倍楽しむ本」 山本弘 (楽工社)\1785 ★★☆☆☆ ▲TOP
 山本弘の懐疑論本。内容は心霊現象と超能力のトリックあばきなのだが、対象年齢が中学生程度、といった体裁の文体でまとめられているため、読みやすいことは読みやすいのだが、値段の割にはスカスカという印象。できるだけ丁寧にわかりやすくまとめられてはいるのだが、予備知識のある人間が読むにはどうだろうか。ただし、入門本としては最適といえるかもしれない。
(2007/04/10)


「TBS報道テロ全記録」 普遊舎MOOK (普遊舎)\880 ★★★☆☆ ▲TOP
 どうも最近、こういうネットサヨク(あるいはウヨク?)的な文章ばかり読んでいるような気がする。今回は、TBSの報道番組を中心に、歪曲・捏造報道についてのまとめ的な一冊だった。筑紫哲也が思想的にちょっと偏っているのではないかという意見はたびたび耳にしてきたことであるが、こうしてその発言や行動を時系列で並べてみてみると、なるほど、公正中立とは言い難いような気がしてくる。同様に、TBSによる報道にも何か指向性があるのは確かなようである。タイムリーなことに、本日TBSで報道した「不二家報道」に誤りがあったことが露見している。
(2007/03/29)


「感謝されない医者 ある凍傷Dr.のモノローグ」 金田正樹 (山と渓谷社)\1600 ★★★☆☆ ▲TOP
 整形外科の医師にして登山に随行するドクターとしても著名な作者によるエッセイ集。日本の著名な山岳家や冒険家の人となりをうかがえるエピソードや様々な事故遭難での凍傷の治療の話、さらにはアフガン野戦病院で従事した仕事の話など、多岐にわたり興味は尽きない。特に副題にもなっている凍傷の実態と、その治療(切断術)や術後のリハビリのことなど、実に生々しく描き出されていて興味は尽きない。
(2007/03/21)


「実録!平成日本タブー大全1」 一ノ宮美成・他 (宝島社文庫)\648 ★★★☆☆ ▲TOP
 日本の三大タブー、菊=皇室、鶴=創価学会、菱=山口組を中心に、日本の歴史の中でマスコミがあえて避けてきたタブーに切り込んだシリーズの第一作目。今年になってから「同和利権の真相」シリーズをずっと読み続けてきたわけだが、その路線にあると言っていいだろう。読んでいるうちは面白いのだが、確かにサヨクっぽさが漂っている部分なんかもあって、鵜呑みにしないように自戒しつつ…。
(2007/03/12)


「駒まわし」 多伍望美 (文芸社)\1500 ☆☆☆☆ ▲TOP
 オビはずいぶんと扇情的なコピーでX指定とか書いてあるんだが、よくよくかん゛えてみれば文芸社お得意の手法。死体の処理、活用の仕方は確かに猟奇的なものの、殺し方にしても全然残酷さは感じられない。登場人物もありきたりといえばありきたりで、結末や謎の部分もだいたい見当がついてしまった。せめて「TheCHAT」くらいの密度はあるかと期待してみたのだが。(2007/02/28)


「どぜうの丸かじり」 東海林さだお (文春文庫)\486 ☆☆☆☆ ▲TOP
 どうやら「丸かじり」シリーズみたいなものがあるようで。食にこだわるエッセイの一冊。どじょうはまだ食べたことがないので興味をもって読んでみた。軽い読み物が多く何の抵抗もないままに最後まで。みの軽さがいいのであろうが、あまりにも軽すぎるのでは、などとも思う。オチラシイオチのないような文章はどうも読み応えに欠けるような気がするのである。ただ、なんとなく「枕草子」を思わせるようなほのぼのとした味わい、趣があるとろころは気にいっているのだけれど。(2007/02/21)


「同和利権の真相3」 一ノ宮美成・他 (宝島社文庫)\695 ★★★☆☆ ▲TOP
 シリーズ第3弾。今回は、マスコミの”自主規制”とメディアへの”介入”の話題が大部分を占めている。解放同盟の賛同者としていくつかのマスコミ文化人が登場するのだが、その中には俺がその著書読んだことのある人物も。特に森達也「放送禁止歌」は、読んだ当時は★★★★★をつけているのだが、よくよく観ると解放出版から出ていたりして。まあ、書かれている内容自体は正しいことではあるのだろうが、すべての基準というものを一民間機関が担っているというのは確かに問題があるのかも。昨年京都市職員の欠勤問題が表面化し、ついでいろいろな問題が表出しているが、今年はそのへんでも何か大きな動きがあるのかも知れない。(2007/02/17)


「ハッカーズ その侵入の手口」 ケビン・ミトニック他 (インプレスジャパン)\1900 ★★★☆☆ ▲TOP
 アメリカの有名な元ハッカーによるハッキングの実例とその解説。具体的なツールやコマンドよりも、ねらいをつけたサーバーやセキュリティに対してどんな下調べをしてアプローチに臨むのか、その過程の解明に重きを置いている。なるほど、ツール一発というわけにはいかないが、どんなに堅牢そうに見えても必ずどこかに穴があるものだ、と知らされる。面白かったのは、カジノのスロットマシンをハッキングする話と、ソーシャル・エンジニアリングの方法。ハード面と心理面と全然違った分野のようだが、ハッキングというものの本質は共通しているのだなあ、と。(2007/02/08)


「同和利権の真相2」 一ノ宮美成・他 (宝島社文庫)\686 ★★★☆☆ ▲TOP
 シリーズ第2弾。前作は「教育現場への介入」というテーマをもって読んだが、本作は「同和利権と癒着」が大部分を占めているのでそのぶん興味は薄かったかも。ほとんどが公共工事に関わる発注、談合とそれによって利益の供与が発生した事件を追ったものである。これら巨額の金が動いた事件、確かに税金がらみで義憤にかられる人も多いのだろうが、俺は国家を語る余裕もない小市民なので…。ただ、同和問題について真面目に勉強して実践している人間に対して、この裏切り行為のもつ意味は大きい、としか。とりあえが、いままでタブー視されていた同和問題について、一般の人間でも「もの申す」ことができる雰囲気になってきたのはよろこばしいことではないだろうか。いつまでも同じ立場から意見を言えない、一方的に考えを封殺されるような”まるで戦後補償問題のような”現状が打破されることは望ましい、とは思うのだ。(2007/01/29)


「野中広務 差別と権力」 魚住 昭 (講談社)借り物\1890 ★★★★☆ ▲TOP
 一年近くをかけてコツコツと読んできた一冊。この頃読んでいる「同和利権の真相」シリーズとは相反するような内容もあるのだが、こちらは政治の上での権謀術数が描かれていて、しかも登場する政治家が著名で実名。ここ十数年の政治の世界てせの出来事とその裏事情が述べられ、振り返ってみるといちいち合点のいくこともあったりして。野中広務という政治家自身には全然興味はなかったのだが、こうしてその出自や功績を追ってみると、その人間性は確かに惹かれるものがある。善玉とみるべきか、悪玉とみるべきか。選挙区民やある一部にとっては確かにこれ以上ないほど心強かったのだろう。今後どのような影響をもっていくのか、興味深いところ。(2007/01/22)


「同和利権の真相1」 寺園敦史・他 (宝島社文庫)\686 ★★★☆☆ ▲TOP
 昨年末の一連の「京都市職員欠勤事件」を知って、なぜこんな勤務態様が許されているのかと思っていたのだが、同和問題がからんでいたとは知らなかった。というか、不勉強だったなあ、と思うことしきり。この本の中で取り上げられている、卒業式前に校長が自殺した事件については、何かの実話系雑誌で読んだ覚えがあったのだが、解放同盟との関与についてここまで詳しく書かれている記事を読んだのは初めてであった。ただ、記事のソースとされているのが(たぶん)共産党系から出ているのが今ひとつ強い論拠にできないのが難ではある。一部掲示板等で、日教組・北教組に対する批判が共産党がらみになっているのがなぜかわかになかったのだが、本州のほうではそりが当然というからみになっていたのだなあ。まあ、俺自身は組合を脱退してだい゛たつので、ニュートラルな立場から見てはいるのだが。同和問については、人権養護の立場からいろいろな本を読んできたが、反面教師のスタンスからの文章もいろいろ読んでみなければなあ。(2007/01/15)


「佐賀のがばいばあちゃん」 島田洋七 (徳間文庫)\540 ★★☆☆☆ ▲TOP
 確か、去年の1月末に入院していた頃、病院の談話室に置いてあった小冊子に著者・島田洋七の書いたエッセイが紹介されていたような気がする。その中でこのばあちゃんについても触れていたような。個人的には、漫才ブームという喧噪の中で消えていった芸人のひとり、という認識でしかなかったのだが、こうして書かれた文章を読んでみると、少なからず琴線に触れる部分もあるような気がする。軽い読み物としては十分だろう。(2007/01/10)


「超怖い話 超−1怪コレクション3」 加藤一・編 (竹書房文庫)\600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 新年初めての読破が怪談本、というのも実に俺らしく。このシリーズ、実話怪談という触れ込みなのだが、どうも作り事くさくて食指が動かなかったのである。実際は、いろいろな人物の手になるものとして、幅広い作風を楽しめるのではないか、と買ってみた次第。確かに怖い話もあるにはあるのだが、それよりも、”心霊落語”と銘打っているジャンルの、オチのある話は結構面白かった。(2007/01/03)


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