2006年に読んだ本
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92 超怖い話 超−1怪コレクションVol.2 加藤一・編 ★★☆☆☆
91 超怖い話 超−1怪コレクション 加藤一・編 ★★☆☆☆
90 心に残った幽霊供養 高田寅彦 ★★☆☆☆
89 呪いの都市伝説 カシマさんを追う 松山ひろし ★★★★
88 遺品整理屋は見た! 吉田太一 ★★★☆☆
87 ギボギボ90分! と学会レポート 永瀬唯・他 ★★☆☆☆
86 ろくろ首の首はなぜ伸びるのか 武村政春 ★★☆☆☆
85 未確認動物UMAの謎と真実 学研ビジュアル版謎シリーズ ★★☆☆☆
84 ザ闇市場 TJムック ★☆☆☆☆
83 ウソの歴史博物館 アレックス・バーザ ★★☆☆☆
82 未来人ジョン・タイターの大予言 MAXムック ★★☆☆☆
81 マルドゥック・スクランブル 圧縮 冲方丁 ★☆☆☆☆
80 カンフーガール 八神かおり ★★★★
79 35年目のリクエスト 亀渕昭信 ★★★☆☆
78 音楽系で行こう! 印南敦史 ★★☆☆☆
77 談合しました 加藤正夫 ★★★☆☆
76 社長をだせ!ってまたきたか! 川田茂雄・森健 ★★☆☆☆
75 添乗員千夜一夜物語 樋笠一馬 ★★★☆☆
74 巨大未確認びっくり生物 普遊舎コアムック301 ★★☆☆☆
73 本当にいる世界の未知生物 天野ミチヒロ ★★☆☆☆
72 科学者は妄想する 久我羅内 ★★★☆☆
71 祭られた人々 普遊舎ムック ★★★☆☆
70 なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか スーザン・A・クランシー ★★★☆☆
69 夏のロケット 川端裕人 ★★★★
68 サブカルチャー反戦論 川端裕人 ★★☆☆☆
67 The S.O.U.P. 川端裕人 ★★★★
66 暴かれた9.11の疑惑の真相 ベンジャミン・フルフォード ★★★☆☆
65 世界が完全に思考停止する前に 森達也 ★★☆☆☆
64 消された一家 豊田正義 ★★★★
63 デジタル・パラノイア 吉田司 ★☆☆☆☆
62 まれに見るバカ女 別冊宝島編集部 ★★☆☆☆
61 百物語 第五夜 平谷美樹・他 ★★☆☆☆
60 編集者T君の謎 大崎善生 ★★★☆☆
59 まれに見るバカ女との闘い 別冊宝島Real050 ★★☆☆☆
58 AV時代 村西とおるとその時代 本橋信宏 ★★★★★
57 偽善系 正義の味方にご用心! 日垣隆 ★★★☆☆
56 PC&ネットの違法合法ジャッジ 一番町総合法律事務所 ★☆☆☆☆
55 裏本時代 本橋信宏 ★★★★
54 ぱちもん 山本甲土 ★★★☆☆
53 B級グルメ道 Keiko ★☆☆☆☆
52 怪談の学校 怪談之怪 ★☆☆☆☆
51 脅迫状であてましょう 小説推理編集部編 ★☆☆☆☆
50 骨董探偵手帳 骨董倶楽部編 ★★☆☆☆
49 ダ・ヴィンチ・コード 最終解読 皆神龍太郎 ★★★☆☆
48 そういう裏があったのか!! 雑学博士協会編 ★★☆☆☆
47 と学会年鑑 GREEN と学会 ★★★☆☆
46 名画をめぐるヒソヒソ話 話題の達人倶楽部 ★★☆☆☆
45 あの手この手の裏社会マニュアル 末並俊司 ★★☆☆☆
44 お客に言えない食べ物のウラ事情 秘情報取材班 ★☆☆☆☆
43 情熱チャンジャリータ ゲッ板谷 ★☆☆☆☆
42 ものいふ髑髏 夢枕獏 ★★☆☆☆
41 UMAハンター馬子 完全版2 田中啓文 ★★★☆☆
40 借金2000万円返済記 快楽亭ブラック ★★★☆☆
39 UMAハンター馬子 完全版1  田中啓文 ★★★★
38 大阪の神々 わかぎゑふ ★★☆☆☆
37 鍵師 大谷二三男 ★☆☆☆☆
36 脳髄工場 小林泰三 ★★★★
35 特捜!世界の謎とミステリー パーフェクト・メモワール ★☆☆☆☆
34 ソウ2 行川渉 ★★★☆☆
33 本当にいる日本の未知生物案内 山口敏太郎 ★★★☆☆
32 ソウ-SAW 行川渉 ★★★★
31 神田鶴八鮨ばなし 師岡幸夫 ★★★☆☆
30 と学会年鑑 YELLOW と学会 ★★★☆☆
29 賢治先生 長野まゆみ ★★☆☆☆
28 夢のなか、いまも 宮崎勤 ★★☆☆☆
27 実録完全犯罪 別冊宝島 ★☆☆☆☆
26 延長戦に入りました 奥田英朗 ★★☆☆☆
25 トンデモ本?違う、SFだ!RETURNS 山本弘 ★★★☆☆
24 ハル 瀬名秀明 ★★★☆☆
23 封印作品の謎2 安藤健二 ★★★☆☆
22 OUT SIDER 諸刃龍紀 ★☆☆☆☆
21 19歳 一家四人惨殺犯の告白 永瀬隼介 ★★★☆☆
20 怪奇・夢の城ホテル 川辺敦 ★★★☆☆
19 パクリ・盗作スキャンダル読本 別冊宝島1257 ★☆☆☆☆
18 吉野健太郎傑作選 吉野健太郎 ★★★☆☆
17 板垣恵介の激闘達人列伝 板垣恵介 ★★★☆☆
16 実話 怪談草紙 上原尚子 ★☆☆☆☆
15 日々狂々、怪談日和 平山夢明 ★☆☆☆☆
14 宇宙のオーパーツ ムー謎シリーズ ★☆☆☆☆
13 地獄のババ抜き 上甲宣之 ★★★☆☆
12 挑戦的平和論 上巻 小林よしのり ★☆☆☆☆
11 殺人王 美食編 目黒殺人鬼博物館 ★☆☆☆☆
10 世界怪奇事件ファイル 並木伸一郎 ★☆☆☆☆
09 猟奇事件ファイル 別冊宝島 ★★☆☆☆
08 実録!マーダー・ウォッチャー 洋泉社ムック ★★☆☆☆
07 文学賞メッタ斬り! 大森望・豊崎由美 ★★★★
06 社会派くんがゆく!維新編 唐沢俊一・村崎百郎 ★★★☆☆
05 ダンジョン&ドリーマーズ ブラッド・キング他 ★★★☆☆
04 百物語 第四夜 平谷美樹 ★★☆☆☆
03 百物語 第三夜 平谷美樹 ★★☆☆☆
02 出家日記 蛭児神健(元) ★★★☆☆
01 カニバリズムの系譜 池田智子 ★★☆☆☆




「超怖い話 超−1怪コレクションVol.2」 加藤一・編 (竹書房文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 シリーズの第2作目。解説によると、前作よりも技巧的にもパワーアップしているはずなのだが、どうも一概にそうは言えない気がするのだが。確かに、文章力という点でいうとレベルアップはしているのだろうが、どうにもあざとくなっているような気がしてなせない。もっと原始的な”怖さ”を追求した怪談であってほしいものだなあ。


「超怖い話 超−1怪コレクション」 加藤一・編 (竹書房文庫)\571 ★★☆☆☆ ▲TOP
 実話怪談投稿によるコンテスト「超−1」の入選作をまとめたもの。巻末の著者一覧をみると、結構同一の作家がいくつかの話を書いているのがわかって、その傾向を探るのも面白い、今回は、葬儀に関わる話で結構怖いものがそろっていた。


「心に残った幽霊供養」 高田寅彦 (学研)\1680 ★★☆☆☆ ▲TOP
 全国の寺社や僧侶から聞き集めた怪談をまとめたもの。体裁としては、実話怪談系といえるだろうか。なかでも、因縁話的なものは歴史を感じさせる。ただ、構成があまりにもうまくできていて、フィクションか小説のような体裁になっているところが、ちょっと興ざめしてしまうところか。


「呪いの都市伝説 カシマさんを追う」 松山ひろし (アールズ出版)\1300 ★★★★☆ ▲TOP
 なんと懐かしい、今から30年以上も昔、俺もこの都市伝説にリアルタイムで遭遇しているのだ。確か小学生低学年の頃だったと思うが、たいして仲がよくもなかった友達が妙にもったいぶって隠すのを無理矢理聞き出したところ、このカシマさんの怪談。当時は本気で怯えていて、様子がおかしいことに気づいた両親に話をして、ちょっとだけ気が晴れた覚えが。一週間くらい、本気で怯えていたんだっけ。本書は、「カシマさん」の来歴から撃退法まで、日本全国いろいろな地方に伝わる話を収集して、どのようにしてこの話が伝播してきたのかを考察している。いいよなあ、こういう民族学的なアプローチって。


「遺品整理屋は見た!」 吉田太一 (扶桑社)\1200 ★★★☆☆ ▲TOP
 遺品整理ということで、財産の相続とかそういう方面の話かと思っていたのだが、実はワケアリ(自殺とか殺人とか)のあった部屋の清掃や整理の仕事に携わる人の話だった。実際そんな現場に出くわしたことなどもちろんないが、いくら仕事とはいえ、そういう現場の整理をするっていうのはどんな気分なのだろう。特に、蛆虫の処理とか。ちょうど、「コミックチャージ」という漫画雑誌で、これと似たようなことを扱った漫画が連載されている。


「と学会レポート ギボギボ90分」 永瀬唯・他 (楽工社)\1600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 霊能者(タレント)としておそらく日本一有名であった、故・宜保愛子の霊視について、トリックの正体やリーディング(誘導)の方法について詳細に解説を試みた一冊。ただし、悪意のある暴露本ではなく、トリックを知ったうえで、その巧妙なやり口に感心してみせる、といった体裁で、嫌みな部分はない。手品のタネ明かしをされたような感じだが、個人的にはすっきりした後味。昨今テレビに登場する”エセ・スピリチュアリスト”とは違って、経験と実績に裏付けされたロジカルな”技”であったことに感心した。


「ろくろ首の首はなぜ伸びるのか」 武村政春 (新潮新書)\700 ★★☆☆☆ ▲TOP
 副題が、「遊ぶ生物学への招待。なるほど、「鼻行類」を思わせるような、知的な遊びである。一つ間違えると「空想科学読本」なんだが。著者は医学博士で、専門はDNA複製の分子・細胞生物学。こういう立派な肩書きをもった人が大真面目で取り組むからこそ、面白い読み物となるのだろう。良質のハードSFといった趣か。特に、「吸血鬼 太陽の光があたるとなぜ灰になるか」あたりが、新しい解釈の仕方で興味深い。ミトトコンドリアを使った説明は、「パラサイト・イブ」にも通じるものがあるなあ。


「未確認動物UMAの謎と真実」 GAKKEN MOOK ヴィジュアル版謎シリーズ  (学研)\980 ★★☆☆☆ ▲TOP
 学研純正のUMA本。カラー図版が多いのと、最新情報が載っているので購入。つくづく思うが、昨今UMAがらみの本の出版の多いこと。しかもコンビニ本が多いので手にとる人も多そうだし、知名度も高まっているのだろうか。しかし、こうも似たような本が出ると、ついつい出版社で選んでしまったり。ついついたま出版より学研を選んでしまうのはなぜなんだろう。


「ザ闇市場」 TJムック (宝島社)\1000 ☆☆☆☆ ▲TOP
 こういうアングラモノには今でも惹かれてしまうんだよなあ。内容は、ドラッグ、ブローカー、偽造など、地下取引に関わるさまざまな分野の裏情報。実際にお世話になることはないのだろうが、こうして読んでみると、確かに市場としては需要が見込まれるものが多い。それぞれに応じた”相場”がしっかり載っているのもわかりやいのだが、それぞれに応じた法律の兵器は蛇足かも。


「ウソの歴史博物館」 アレックス・バーザ (文春文庫)\657 ★★☆☆☆ ▲TOP
 古今東西のウソやデッチ上げを満載した一冊。図版が豊富で、タブロイド版に掲載された写真などが見られるのもよい。宇宙人などのトンデモ物件から贋作やエイプリルフールまで、多岐の分野にわたる事物が紹介されているので、最後まで退屈することなく読むことができた。中でも、インターネットを通じて広く流布した偽情報の項目が面白い。どうせなら、こういう壮大な仕掛けをしてみたいものである。


「未来人ジョン・タイターの大予言」 MAXムック (マックス)\1000 ★★☆☆☆ ▲TOP
 もともとアメリカのオカルト掲示板への書き込みから始まったそうで、誰かが画策したのだとしたら、なかなかに壮大な”ネタ”ではある。2036年どこか「」からのタイムトラベラーという触れ込みで、どこか「ウンモ成人」とか「ユミット」とかを思い起こされる。中で語られている話も、70年代のヒッピー思想を彷彿とさせるような感じ。物理学的な検証がなされたかどうかはわからないが、そのへんはどうだったのだろう。歴史的な時間軸の問題は多元宇宙で説明がつくとしても、限りなくホラ話に近いのは仕方ないところか。タイムマシンが車に積む装置、というのがご愛嬌。


「マルドゥック・スクランブル The First Compression−−圧縮 」 冲方丁 (ハヤカワ文庫JA)\660 ☆☆☆☆ ▲TOP
 かなり話題になっていた3冊シリーズの1冊目。日本初のサイバーパンクというかハードSFというか。ただし、設定に多少の無理(ネズミ型万能兵器など)があって、すんなり移入することがてきなかった。こういう都合のいい設定は、どちらかというとライトノベル向きなのではないだろうか。文章自体は硬質でハードボイルドしているのだが。2巻以降は読む気なし。


「カンフーガール」 八神かおり (文芸社)\1000 ★★★★☆ ▲TOP
 女子高生が中国武術に魅せられて上達していくまでを追った読み物。とは言ってもドキュメンタリーではなくフィクションなのだが。これが、女子高生の口語体による文章で、最初は読みづらかったのだが、慣れてくるとすいすい読み進めることができるから不思議。しかも、ムダに(?)中国武術のいろいろな知識が詰め込まれていて、入門書としても読むことができる。鍛錬を積んで技が上達していくとともに、精神面でも成長していく過程をみることもできたりして。こういうことに興味がある身としては面白かった。


「35年目のリクエスト」 亀渕昭信 (白泉社)\1365 ★★★☆☆ ▲TOP
 著者は夕張群由仁町出身ということで、俺の実家から30分のところ。35年前にパーソナリティーをしていたオールナイト・ニッポンに寄せられた手紙の差出人の35年後の今を訪ねて歩く。当時少年期でいろいろなことに思い悩んでいたリスナーも今は50代である。この時間の経過ぶりが感動をよぶのだろう。この本も、「月刊ダ・ヴィンチ」で紹介されていたもの。


「音楽系で行こう!」 印南敦史 (ロコモーションパブリッシング)\1300 ★★☆☆☆ ▲TOP
 音楽ライターの著者による100章の体験談。よくある養成講座的なマニュアルと違って、偶然の産物でライターになったようにいきさつが語られる。ただし、本人は強い意志でこの道を進んだことを述べてはいるが。ひとつの章が見開きの2ページで抗せ手されているためか、非常によみやすく、なるほど、コセムというのはこういったフォーマットで書かれたのが読みやすいのだな、と気づかされた。


「談合しました」 加藤正夫 (彩図社)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 いきなり強制捜査のシーンから始まるこの本、民間の建築業界で公然と行われてきた談合がどのようになされているのかを、内部からの目で詳細に解説している。特に、落札予定価格の読みあいと、いかにその価格に近づけて価格設定をするかの頭の使い方はすごい。また、談合の実際だけではなく、それが発覚したあとにどのようないきさつが待っているのかも知ることができる。資料もふんだんで、この業界の仕組みを知るにはうってつけの一冊。


「社長をだせ!ってまたきたか!」 森健・川田茂雄 (宝島社)\1400 ★★☆☆☆ ▲TOP
 「社長をだせ!実録クレームとの死闘」(川田茂雄・宝島社\1400)の続編。今回は趣を変えて、クレームの実例とその対処に加え、それに対するワンポイン・アドバイスが併記されている。サブタイトルが「あっちでもこっちでもクレームとの死闘」とあるような、さまざまな業種の現場で実際にクレームへの対応がなされているものであるが、思わず笑ってしまうようなものから、ちょっと納得させられてしまうようなものまでいろいろ。俺のいる教育現場でもたびたびクレームがある(給食がマズいから給食費を払わない、など)が、つくづくこういう渉外の仕事は俺には向いてないよなあ。


「添乗員千夜一夜物語」 樋笠一馬 (文芸社)\1400 ★★★☆☆ ▲TOP
 著者は海外添乗1000日のベテラン添乗員。北海道旭川生まれで日本旅行者に入社という略歴を読んだだけで身近に感じられてしまうから不思議。旅をする中での仕事と、そこで出会った事件についてさまざまなエピソードを交えて振り返っているのだが、添乗員ならではの苦労と、それをどうやって処理していくのかのノウハウが書かれているのは面白い。相変わらず異業種の仕事には興味津々である。


「巨大未確認びっくり生物」 コアムック301 (コアマガジン)\762 ★★☆☆☆ ▲TOP
 どうも画像を加工したっぽいのも多数含まれてはいるのだが、とにかく巨大な生物が一堂に会して壮観。こんなのに、海の中や山の中で遭遇したらと思うとぞっとする。中でも、残酷人喰い事件史のコーナーは被害者の写真も生々しくて。巻末には日本のUMA情報も載っているのだが、「件」の写真はたぶん初めて見た。


「本当にいる世界の未知生物案内」 天野ミチヒロ (笠倉出版)\580 ★★☆☆☆ ▲TOP
 どこから集めたものだか、多数のUMAと絶滅動物の情報が。ひとつひとつの記事は短いのだが、これだけの数があつまればなかなか壮観。世界の地域別に分けてあるのもわかりやすい。この著者の天野ミチヒロという人、最近見かける名前なのだが、どういう人なんだろう。


「科学者は妄想する」 久我羅内 (日経BP)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 日本テレビ系「特命リサーチ200X」の元スタッフによるいろいろなトンデモ科学説を紹介したもの。なるほど、ああいう番組のネタ本としてわかりやすい構成である。こういう具合に番組作りのためのネタ出しがされるんだろうなあ。出典や参考サイトも併記されているので、さらにつっこんで調べてみることはできるだろうが。


「祭られた人々」 普遊舎ムック (普遊舎)\762 ★★★☆☆ ▲TOP
 過去にブログや掲示板が”炎上”した事件を数多く紹介している。ネット上では聞いていた話でも、こうしてまとめてみると事件の流れや展開、その後の様子かわかって面白い。自分がその立場になったなら笑ってもいられないのだろうけど。よくあるまとめサイトを書籍したような感じだが、すんなり読んでそこそこ楽しめたのでよし、とするか。そういえば、俺自身もかつて某掲示板で、「釣り」を企画したことがあるのだが、100近辺までしかスレは伸びなかったのだった。まだまだ、だなあ。


「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか」 スーザン・A・クランシー (ハヤカワ文庫)\620 ★★★☆☆ ▲TOP
 なぜアブダクション(エイリアンに誘拐されてUFOに連れていかれたと称する)という現象が発生するのか、心理学の立場から検証した一冊。原理としては、睡眠障害や催眠療法によるイメージ誘導が紹介されているのだが、いちいち納得できる論旨である。それにしても、同じ現象なのに日本では「霊による金縛り」として知られているものが、外国では「エイリアンの仕業」と解釈される、その文化の違いというのは面白いものである。こういう、きちんとしたデータを集めたうえで真面目に、科学的に検証したものは少ないだけに貴重かもしれない。


「夏のロケット」 川端裕人 (文春文庫)\638 ★★★★☆ ▲TOP
 前回読んだ「The S.O.U.P.」をさらにハードSFに向けて進化させたような内容。全くの素人とはいえないものの、民間の趣味でロケットに魅せられた人々が、自分たちの手で有人ロケットを打ち上げる、という内容。ここに描かれている技術や知識で本当にロケットが飛ばせるのかどうかは別として、おおいに夢のある話、とはいえるだろう。登場人物も実にキャラが立っているし、大団円に向けての盛り上げ方もいい。これはお薦めの一冊。


「サブカルチャー反戦論」 大塚英志 (角川文庫)\540 ★★☆☆☆ ▲TOP
 読むのに一年近くかかった一冊。思うように読み進められないのは、たぶんこの本が抱えている反戦というテーマの重さのせいだろう。他にも反戦平和をテーマとする評論は読んでみたものの、どうも今ひとつしっくりとこないのは、俺自身の中にそういうものに対するテーゼが存在しないからなのではないだろうか。本書では、サブカルチャーという世間とはちょっと違う側面から戦争やそれに類する言論への批評を加えているのだが、言葉でそれを語るにはどうしても実体験が伴わないぶんリアリティーに欠ける。仕方がないことなのだろうが、ひれで平和や反戦を語ることが果たして可能なのだろうか。


「The S.O.U.P.」 川端裕人 (角川文庫)\743 ★★★★☆ ▲TOP
 月刊「ダ・ヴィンチ」で紹介されていた一冊。書店では見あたらず、ネットで購入。書評では、内容がちょっと古いと書かれていたのだが、俺程度の知識からすると、ハッカー、クラッカー、ネットワークゲーム、と現代でも十分通用すると思えたのだが。物語中に登場するネットワークゲームの描写も細かいし、人工知能イライザや人工生命ALなど、小ネタがそれっぽくていい。スリルがあるわけでもないし謎ときの部分もそれほどではないのだが、総体的に面白かった一冊といえるだろう。


「暴かれた9.11の疑惑の真相」 ベンジャミン・フルフォード (扶桑社)\152 ★★★☆☆ ▲TOP
 トンデモ陰謀論本かと思ったのだが、結構うまくできていて読ませる一冊。9.11の米同時テロが、実は米合衆国による自作自演だったという説。日本では確かにあまり話されてはいない話題なのだが、(2006年)10月に東京でシンポジウムがあるとかで、もしかしたら話題になるかもしれない。日航ジャンボ機墜落にも同様に陰謀論があるのだが、9.11の方がフィルムにも記録されている資料として論拠は高そう。ただし、それが真実だったとして、これだけの大がかりなプロジェクトが果たして実現するのか、という疑問も。ここは、と学会のメンバーに検証をしてもらいたいところなのだが(笑)。フィクションとして読めば、楽しい一冊。


「世界が完全に思考停止する前に」 森達也 (角川文庫)\514 ★★☆☆☆ ▲TOP
 ドキュメンタリー作家による評論集。「一人称の主語」という視点から、社会問題や世界情勢についての考えを伸べている。森達也というと、今までに読んだ本の中では「職業欄はエスパー」(「スプーン 超能力者の日常と憂鬱」改題)が面白かったが、こういう社会全般を見る目も根っからのドキュメンタリー作家なんだなあ、と感心させられる。いろいろな雑誌のコラムに書かれた文章を集めたのも、ジャンルが特定されない幅広さが生まれてよかったのかもしれない。


「消された一家」 豊田正義 (新潮社)\1400 ★★★★☆ ▲TOP
 副題「北九州・連続監禁殺人事件」。事件が発覚してニュースで聞いたときは、てっきり宗教(カルト)的な共同生活の中で起きた事件だと思っていたのだが、本書を読んでみると、なかなか根は深いものがあったようだ。ひとりの男が命じ示唆するままに、七人の家族が互いに殺し合う、という普通なら考えられない事件。しかも、元警察官やら農協でも地位のある立場であったりと、分別ある人間が理不尽な命令、要求に従ってしまうようになる過程はいったいどのようなものだったのだろう。犯人には、それだけ人心支配にたけた能力があったということなのだろうか。人間の心が麻痺して、どんなことでも「できる」ようになってしまうということがよくわかる一冊。


「デジタル・パラノイア」 吉田司 (徳間文庫)\620 ☆☆☆☆ ▲TOP
 副題が「電脳ニッポン興亡記」。著者自身が前書きの中で時代に先んじて書いたと自負しているが、これが書かれた頃のせそ環境を考えると、確かにそうかもしれない。VR(バーチャル・リアリティー)や相互コミュニケーションなど、当時はまだそれほど開発の進んでいなかつた技術にも触れていたのだから。ただし、本文はそれほど読みやすいものではない。たとえば「こういう」を「こ〜いう」と表記したり、話し言葉で書いていたり。著者は洒脱な気持ちで書いているのだろうが、評論として読む方からはこんなお茶らけた表記は読みづらい以外のなにものでもないだろう。オウム事件とか天皇とか自衛隊とか、PC事情と絡めて話を進めてくのは面白い手法だとは思うのだが、全編これでは、さすがに…。読み物としては軽く、面白いのだが、PC音痴と辞任している著者があえてそれを論ずることに果たして忌みがあるのだろうか?ちなみにこの本、2006年9月1日現在、絶版または重版未定、だそうである。


「まれに見るバカ女」 別冊宝島編集部 (宝島社文庫)\630 ★★☆☆☆ ▲TOP
 先に読んだ「まれに見るバカ女との闘い」の前編にあたる本。女性政治家についてはトップに辻本清美を配し、ピースボート時代の行状も交えて詳しくつづられている。政治家になってからの動きが、市民団体で活動していた頃からのどのような流れとつながっているのかがわかって面白い。また、作家の章では、俺の嫌いな柳美里のプライバシー侵害事件について、当時あまり触れられていなかった法的に解釈まで読むことができた。文化的なレベルというか、高い立場から一般人を見下ろすような視点、彼女らは自分でそれに気づくことはないのだろうか。フェミニズムやジェンダーの問題は確かに難しいが、ただひとつ言えるとすれば、「弱者を標榜するモノほど、声高に自己の優位性を主張する」ということだろうか。


「百物語 第五夜」 平谷美樹・他 (ハルキホラー文庫)\600 ★★☆☆☆ ▲TOP
 前々回から「百物語はこれで終わり」と言い続けていたのだが、これで5巻目。ここまで来ると怪談としてのフォーマット(書式)が定着してきて、怖さという面では残念ながらパワーダウンはいなめないだろう。「新耳袋」がスタイルとして完成していったのとは対照的である。ただ、この中で語られる話自体は、突拍子もないものはなく、いかにも近所でありそうな話、自分でもいつかは体験しそうな話で、親近巻があるのは確か。毎年恒例の刊行になるだろうから、来年に期待しよう。


「編集者T君の謎」 大崎善生 (講談社文庫)\ ★★★☆☆ ▲TOP
 副題が「将棋業界のゆかいな人びと」。将棋雑誌の編集に携わっていた著者の書いたユーモアあふれるエッセイ。羽生善治名人をはじめとする、将棋界のいろいろな人々のエピソードが面白おかしく紹介さけている。棋士の生活や棋界のしきたり、運営など、知らなかったことがたくさん描かれているのがうれしい。ただ、真っ先に名前が浮かぶような林葉直子なと、スキャンダルに関わるような部分には一切触れていないのが残念。


「まれに見るバカ女との闘い」 別冊宝島Real050 (宝島社)\1200 ★★☆☆☆ ▲TOP
 しばらく積んであった本なので、時事としてはちょっと旬をすぎているような感じも。テレビでよく見かけていた田嶋陽子センセイに言及している部分など、フェミニズムと呼ばれる思想のアヤシさが満載の一冊。ジェンダーフリーという言葉がさけばれて久しいが、日本という国の文化としていかがなものか?なんて書くと、女性差別とかなんとかいう言葉が返ってきそうで、つくづくいやな世相だなあ。


「AV時代 村西とおるとその時代」 本橋信宏 (幻冬舎アウトロー文庫)\762 ★★★★★ ▲TOP
 「裏本時代」の続編。前作では裏本やその業界の裏話がメインだったが、今回は村西とおるという人物に視点を絞る形でのドキュメントとなっている。結構厚手の文庫なのに、この読みやすさはどうだろう。というか、イカガワシイモノへの興味がこれほどの好奇心をわかせているのだろうが。当時のAVの制作現場の様子や金額を知るうえでの資料的価値もあるだろう。とても良質のドキュメントである。お奨め。


「偽善系 正義の味方にご用心!」 日垣隆 (文春文庫)\720 ★★★☆☆ ▲TOP
 タイトルに惹かれて購入。内容は、教育から少年犯罪まで、あらゆるニュースへの評論。こういう種類の文章は結構苦手なほうなのだが、論調に一本柱が通っているため、筆者の主張もわかりやすく、すいすいと読み進めることができたのが意外。特に、評論家や思想家への論評に的をえている文章が多く、楽しんで読むことができた。ちょっと、この筆者の別の本も読んでみたいかも。


「PC&ネットの違法合法ジャッジ」 一番町総合法律事務所 (宝島社)\1429 ☆☆☆☆ ▲TOP
 ネット上で起こりうる事件の違法性について法的解釈をしたもの。PC雑誌などではよく見かける記事だが、こうして並べてみると実に多様化していることがわかる。ただ、こういう解釈は人や時と場合によって変わることもあるだろうし、鵜呑みにするのは危険だろう。


「裏本時代」 本橋信宏 (幻冬舎アウトロー文庫)\680 ★★★★☆ ▲TOP
 2000年に刊行さけた、たがみよしひさの漫画「アンダーグラウンド」の原作になった本。ビニ本から裏本へと続く出版の世界で帝王となった、のちの村西とおるとの交友をつづったノンフィクション。あの頃、北大神田書店という本屋の名前は函館でもよく聞いていたものだが、こんな背景があったとはね。ノンフィクションならではの、実在する人物の話や時代背景に興奮した。これは、あの頃を知る世代にはぜひ読んでもらいたい一冊である。


「ぱちもん」 山本甲土 (小学館文庫)\670 ★★★☆☆ ▲TOP
 ミステリー仕立ての連作短編集。ひとつの話の登場人物が次の話にも登場する、という形は、長い話を読ませるのに都合のいい形態だなあ。興信所がいろいろな場面で出てくるのだが、決して格好いいものではなくて、地味な市井の人間模様が面白い。すべて関西弁で書かれているというのも、生活感をにじませる効果があったかも。トリックに凝らずとも、ミステリー「っぽく」完成されている作品である。


「B級グルメ道」 Keiko (SB文庫)\667 ☆☆☆☆ ▲TOP
 イラストとエッセイでつづる私的B級グルメ本。気軽に読めそうで買ったはいいが、なにしろ気軽に読め「すぎ」てしまって、心に残る部分がほとんどない。酒には興味がないし、紹介されている店は東京近辺だし。せめて、自宅で手軽に作れる料理の紹介とかあれば、というか、買う前に中身を確かめなかった俺が悪いのか。


「怪談の学校」 怪談之怪 (メディアファクトリー)\1200 ☆☆☆☆ ▲TOP
 メディアファクトリーの怪談本というと内容の濃さで知られていたのだが、残念、この本はその限りではなかったようで。タイトルどおり、怪談を書く際の技法やお約束について解説されているのだが、出来の悪い手品のタネ明かしをされているようで、せっかくの怪談も興ざめである。自分でホラーを書くときの参考にはならなかった。


「脅迫状であてましょう」 小説推理編集部編 (双葉文庫)\669 ☆☆☆☆ ▲TOP
 語呂あわせのタイトルが気に入って買ってはみたが、残念ながらスイスイ読み終わってしまったということは、それだけ内容がアレだったということか。著名人、というか芸能人に脅迫状を書かせて、筆跡鑑定の第一人者にそれをプロファイリングさせる、という試み。発想はよかったのだろうが、なにしろ内容が薄いのである。他にも、備考、暗号、カギと、ミステリーに登場するいろいろな小道具についてもその専門家を紹介しているのだが、今後も手元においておきたいと思わせるだけの資料価値は感じられなかった。


「骨董探偵手帳」 骨董倶楽部編 (光文社文庫)\480 ★★★☆☆ ▲TOP
 マンガ「ギャラリー・フェイク」でもいろいろな骨董の知識が紹介されていたが、骨董のイロハよりも、真贋の見分け方が面白い。俺が今まで読んだ中では。本書にも名前の登場する、中島誠之助による「ニセモノ師たち」という本が、骨董の偽物については詳しく解説されているものだった。俺も年をとったせいか、古びたものの良さが少しだけわかりかけてきたような気もするのだが、残念ながら美術品や生活骨董に金をかける気持ちだけは全然わからなかったりして。


「ダ・ヴィンチ・コード 最終解読」 皆神龍太郎 (文芸社)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 巷で話題のダヴィンチ・コード。残念ながら流行物には興味がないので、俺には無縁な話題だと思っていたのだが、と学会の人間による解説本ということで少々興味が沸いてきた。内容がかいつまんで紹介されているのと、それぞれに対するデバンギング(検証)がしっかり施されているのが本書の特徴。「神々の指紋」のときもそうだったのだが、トンデモ歴が長い人間にとっては、何を今更、というような欺瞞に一般人は惹かれ、そしてダマされていくものなんだなあ。ネタ本の「ダ・ヴィンチ・コード」は、今のところ読むつもりはなし。


「そういう裏があったのか!!」 雑学博士協会編 (青春文庫)\680 ★★☆☆☆ ▲TOP
 副題が「聞くに聞けない世間のカラクリ厳選222」という雑学本。ジャンルが多種多様なので飽きない、という利点はあるかも。この青春出版。文庫本にしてもコンビニで売っている廉価本にしても、雑学シリーズで相当な利ざやを稼いでいるはずであるが、ここまでシェアが伸びるとは考えてはいなかっただろう。まさに、先見の明があったというべきか。


「と学会年鑑 GREEN」 と学会 (楽工社)\1400 ★★★☆☆ ▲TOP
 と学会本は、なんか刊行が不定期な気もするのだが。今回も多種多様なジャンルでのトンデモが紹介されているのだが、個人的に気に入ったのは、ペットフードの紹介と久々の幸福の科学情報であろうか。第14回トンデモ本大賞の「人類の月面着陸は無かったろう論」受賞は至極当然のこととして。トンデモ方面でも、そろそろ何か大きなムーブメントがないものかと期待する次第。


「名画をめぐるヒソヒソ話―ダ・ヴィンチもびっくり!」 話題の達人倶楽部 (青春文庫)\550 ★★☆☆☆ ▲TOP
 雑学本としては水準が高い一冊ではないだろうか。さまざまな画家にちなんだエピソードを紹介しているが、美術の専門書でも読まなければわからない話をいろいろと読むことができるのは得した気分である。個人的な趣味の方面名として、贋作についてもっとページを割いてくれればもっと楽しめたんだろうけど、


「あの手この手の裏社会マニュアル」 末並俊司 (三笠書房)\530 ☆☆☆☆ ▲TOP
 ヤミ金融やカード犯罪、詐欺の手口を紹介。漫画「カバチタレ!」などでも紹介されている手法が多いが、よくもまあ、法の網の目をくぐってこんな方法を重いつくものである。というか、成功すれば一攫千金ではあろうが、こんな手口にひつかかるものなのか?という疑問は残るけど。そういえば、知り合いに法律関係の専門家がいることがわかったことだし、現実問題としてどれくらい事件化しているのか、聞いてみたいものである。


「お客に言えない食べ物の裏話」 マル秘情報取材班 (青春出版社)\420 ☆☆☆☆ ▲TOP
 食材や食品、メニューにまつわる雑学本。以前は食べること自体に興味がなかった俺だが、病気をしてからはかえってこういう食べ物にかんする文章が目にとまるようになってしまった。まあ、食事制限があるために、読んだものを片っぱしから食べるってわけにはいかないんだけど。健康に関わる部分よりも、人気のある食品と味についての記述は楽しかった。


「情熱チャンジャリータ」 ゲッツ板谷 (角川文庫)\590 ☆☆☆☆ ▲TOP
 昔「パチンコ必勝ガイド」で金角・銀角というコンビのライターとして活躍していたのがゲッツ板谷だった。西原理恵子のエッセイ漫画にもよく登場していたので名前だけは知ってはいたが、本人の書く文章を読むのは初めて。下品系、とひとくくりにしてしまえる内容なりのだが、残念ながら笑える場面が全然なくて、あつさりと読了してしまった。巻を重ねていけば独特の世界観に浸れるのだろうが、この文体と内容の本をたくさん読むのはちよっとつらい。


「ものいふ髑髏」 夢枕獏 (集英社文庫)\514 ★★☆☆☆ ▲TOP
 夢枕獏の「奇譚草子」はとても怖い短編集だったので、今回も期待して買ってみたのだが、怪奇話というよりは、怪奇”噺”という体裁の物語が多かった。実際に、朗読会や講談として演じられている作品もあるようである。確かに、テマとしてはいろいろな説話集や落語の中で紹介されているものだし、時代の古いものは「陰陽師」で取り上げたほうがいいようなものも。テイストとしては、夢枕獏の初期短編集に近いような気がした。


「UMAハンター馬子 完全版2」 田中啓文 (早川文庫)\900 ★★★☆☆ ▲TOP
 完全版2巻目に登場するのは、ヒバゴン、ブログスター、チュカパブラ、クラーケン、ヤマタノオロチ。今回は、諸星大二郎テイストの伝奇物や偽史などもあり、作品の幅がグッと広がっているような気がする。ただ、最終話が巨大怪獣の対決みたいになってしまったのと、主人公の境遇があまりにも予想どおりだったのが残念な感じも。この2巻で完結ということなのだが、なもちはまだまだ多数多種いることだし、まだシリーズとして続けてもらいたいような気もした。


「借金2000万円返済記」 快楽亭ブラック (ブックマン社)\1300 ★★★☆☆ ▲TOP
 書店で細々と積んであったのを購入。借金をふくらませていく人の心理はどうにもわからないので参考までに。読んでみると、紋切り型の”破滅型の芸人”像しか浮かんでこず、やはり芸人だからこそ本として成立しているのだなあ、と思わせる。この程度の借金地獄は、たぶん世の中にあふれているのだろうが、それでも生活が廻っているのだから考えてみれば不思議なものである。快楽亭ブラックという落語家がどれほどの芸を身につけているのかは知らないが、日のあたる場所に出てくることはもうないような気がするなあ。


「UMAハンター馬子 完全版1」 田中啓文 (早川文庫)\819 ★★★★☆ ▲TOP
 ながらく気になってはいたものの、全然まとめて読む暇のなかった本。なもちマニアにはおなじみのネタ満載。1巻には、ネッシー、ツチノコ、キツネ、ヒバゴンと、かなりポピュラーなものが揃っているのだが、その解釈についても結構ハードSFしており、物語の進行とは別の読み方をしても楽しめるだろう。キャラクター設定が非常にあまい作家だというのはわかるのだが、惜しむらくは、この文庫のカバー絵のとりみきの絵がコミカルすぎて、ちょっと手に取るには時間がかかったのだ。2巻も楽しみになる一冊。


「大阪の神々」 わかぎゑふ (集英社文庫)\540 ★★☆☆☆ ▲TOP
 著者の名前は、漫画「おごって!ジャンケン隊」で知ったのだと記憶している。別の雑誌では、故・中島らもと”特別な親密な関係”にあったと書いてあったような気も。本書の内容というと、大阪人の気質と習性を面白おかしく紹介したもの。当の大阪人でなければわからないよえな微妙なニュアンスをうまく表現している。北海道版もつくれそうな。


「鍵師」 大谷二三男 (幻冬舎アウトロー文庫)\600 ☆☆☆☆ ▲TOP
 どうも、大判の本を買って読まずにいたような気がするのだが。副題が「カギ穴からのぞいた人生模様」となっているが、カギや錠前を開ける仕事を通して見たいろいろな面白い話を読むことができる。開錠のテクニックやコツなども書かれてはいるが、実際の役には立たないだろう。裏マニュアル的なものを期待するとはずれ。


「脳髄工場」 小林泰三 (角川ホラー文庫)\590 ★★★★☆ ▲TOP
 今月の新刊として平積みされていたもの。カバー裏のあらすじを読んでみると、どうもどみかで見たことのあるような設定。これは、中学校国語の教科書に載っている「素顔同盟」すやまたけし)と非常によく似ている。あと、鈴木みそ「オールライトライブ」の中で酷似した漫画を描いていたのも思い出した。表題作もなかなかなのだが、その他にもクトゥルー神話をモチーフにした難しい話があったり、かと思うと星新一のテイストを感じさせるショートショートがあったりと、なかなかに盛りだくさんな一冊である。同じ作者のハード寄りのSFをもっと読んでみたい気もした。


「特捜!世界の謎とミステリー」 パーフェクト・メモワール (リイド社)\680 ☆☆☆☆ ▲TOP
 トンデモ系知識のダイジェスト版。軽く読むにはいいのだが、どうしても物足りなさが残ってしまう。UFO、なもちから歴史上のミステリー、謎の移籍まで、ありとあらゆるものが詰め込まれているので、低年齢層や初心者の入門編としてはいいのかもしれないが。使用されている図版が、あきらかにWebから採取したと思われる粗い画像があり、これはいただけないなあ。


「ソウ2」 行川渉 (角川ホラー文庫)借り物 ★★★☆☆ ▲TOP
 「ソウ -SAW」の続編。前作ほどの不条理さの残る展開ではないものの、犯人が最初から姿を表していたり、観客が観ている前で事件が進行したりと、推理小説の定石を覆すような設定が楽しい。さまざまな仕掛けで登場人物が死んでゆくというのは、日本の小説であれば「殺人鬼」綾辻行人)、海外の映画であれば「セブン」という感じか。ただ、設定が緻密な割には心理描写が甘い気がして、なかなか登場人物の心理を追うことができない。これは、原作が海外の作品だということもあるのだろうが、特に犯人の異常心理やそみに至るまでの心情はどうしても理解することができなかった。宗教観の違いだろうか?


「本当にいる日本の未知生物案内」 山口敏太郎 (笠倉出版社)\500 ★★★☆☆ ▲TOP
 コンビニ売りの500円本にしては、内容が充実している本。ただし、UMAだけではなく、全国の妖怪が網羅されているので、科学的なもの、非科学的なものがごちゃまぜになっているところが難か。北海道発の情報では、函館・大沼のサイなど、今まで知らなかったものもあるのが面白かった。明治・大正と昭和初期の新聞に載ったなもち情報を集めて整理してみたら、面白い傾向がみれそうな気も。


「ソウ-SAW」 行川渉 (角川ホラー文庫)借り物 ★★★★☆ ▲TOP
 ジャンルとしては、ホラーになるのか、ミステリーになるのか。不条理な、しかも極限状況での人間の心理。映画版は興味があったのだが残念ながら観る機会がなかった。今回文庫版を借りて読んでみると、長編といえる長さ、厚さではない物語なのに、なかなか手を止めることができない。ほとんどリアルタイムで物語が進んでいくようなスピード感も感じる。ノベライズということではあるが、これを構成しているのもなみなみならぬ才能ではないだろうか。


「神田鶴八鮨ばなし」 師岡幸夫 (新潮文庫)\740 ★★★☆☆ ▲TOP
 非常に食欲をそそられるマンガというのがあって。俺の場合それは、たとえば(昔の)「美味しんぼ」だったり「ラーメン発見伝」だったり「酒のほそ道」だったりするわけである。エッセイにもそういうのがいくつかあるのだが、最近読んだ中でもっとも食欲をそそられたのが、この本。江戸前の寿司屋の親方によるエッセイなのだが、修業時代から営業中の現在まで、いろいろなエピソードを交えて寿司屋の仕事についてつづられている。寿司を握るうえでのノウハウやネタのあれこれについては、他のいろいろなマンガのネタ本になっているだろうと思われる箇所もちらほら。写真図版が少ないのがちよっと残念な気もするが、生ものの魚介類が大の苦手なこの俺が、どうしても寿司を食べたくなってしまうのだから、筆力たいしたものである。


「と学会年鑑 YELLOW」 と学会 (楽工社)\1470 ★★★☆☆ ▲TOP
 カラーネームがついたシリーズ。なもちやUFOはさすがにネタ切れなのか、珍商品とか、そういう類の紹介が多くなってきたような気がする。今回いちばん笑ったのが、京都大学の折田彦市像へのイタズラの数々。諧謔精神にあふれていてよかったのだが、はまりついでにWebサイト「折田先生を讃える会」http://euro2002.hp.infoseek.co.jp)までわざわざ閲覧してしまった。これは笑えることうけあいなので、ぜひ多くの人に見てもらいたい。それと第13回トンデモ本大賞の発表だが、ノミネートされている四作品のうち、「NASAでも隠しきれない異星文明の巨大証拠群」「ニラサワさん。」は、実は俺ももっていた。とすると、俺のトンデモ度っていうのも、かなりのものなのか。


「賢治先生」 長野まゆみ (河出文庫)\390 ★★☆☆☆ ▲TOP
 評判は知っていたものの、なかなか手を出すきっかけがなかったのが長野まゆみである。実際に読んでみると、その文体、詩性というものなーには感心させられるが、やはりこれはオリジナルとなる宮沢賢治の魅力が大きいのだろう。「銀河鉄道の夜」自体の独自の解釈というのは、他の作家の作品でも戯曲でもみたことがあるが、本作もなかなかオリジナリティーあふれる魅力をもってはいる。ただ、夢のように物語がすぎていき、結末がはっきりしていないというのは、個人的にどうも今ひとつ。


「夢のなか、いまも」 宮崎勤 (創出版)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 宮崎勤自著の第2弾。つい先日死刑判決が出たばかりなので、緊急出版ということになるのか。相変わらず不可解な文体だ゛、確信犯という感じはしないので、精神的・気質的なものなのかもしれない。これと同じような精神構造をもつ人間を身近に知っているので、なんとなく理解できるような気もする。ただし、ネズミ人間やもうひとりの自分うんぬん、やはり後づけの口実なのでは、との考えも捨てがたい。いずれにせよ、死刑は確実なものになっているのだから、今後何を解明しようというわけでもあるまい。考えてみれば、俺も完全に同年代であるわけで、事件の猟奇性はともあれ、彼のこの十何年かの生活を考えるとなかなかに感じ入るものがあるのだ。


「実録完全犯罪」 別冊宝島1276 (宝島社)\840 ☆☆☆☆ ▲TOP
 別冊宝島がこのサイズ、版型にしたのは大正解だったろう。なにより、コンビニに置くようになり、サイズ、値段とも手頃なので手にする機会も断然増えたのである。ただ、その値段や薄さに見合った内容であり、若干もの足りなさを感じる、とも言えるのだが。本書では、戦後犯罪史に残る特異な事件について、見開きで紹介しているのだが、忘れつつあた事件や知らなかった事件が出てくるのが面白い。こうして並べてみると、北海道に関係した事件も結構あって、感慨深いものが。


「延長戦に入りました」 奥田英朗 (幻冬舎文庫)\495 ★★☆☆☆ ▲TOP
 スポーツ系エッセイ。プロスポーツだけではなく、さまざまなスポーツについて触れているのだが、そのどれにもちょっとした”おかしみ”や”くすぐり”が含まれていて、楽しく読むことができた。俺自身はスポーツには全然興味がないのだが、こういう切り口から語られるとついつい読んでしまうから不思議だ。


「トンデモ本?違う、SFだ!RETURNS」 山本弘 (洋泉社)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 昨年出版されたものの続編。今回は、どちらかというとメジャーな作品が多いような。先日読んだ「封印作品の謎2」と同様、手塚治虫「サンダーマスク」が紹介されている。また、幸村誠「プラネテス」とそのアニメ版が高く評価されているのにも注目。俺はてっきりアニメ版は失敗作だと思いこんでいたのだが、これだけ評価されているのならば一度観てみなければ。日本SFは”冬の時代”と言われていたらしいが、結構いろいろと新人が登場してきているようで、久しぶりに読んでみたくもなった。ただ、ライトノベル系との棲み分けが難しいんだよなあ。


「ハル」 瀬名秀明 (文春文庫)\620 ★★★☆☆ ▲TOP
 ロボットをテーマにした連作短編集。瀬名秀明の作品は、「パラサイト・イブ」と「ブレイン・ヴァレー」を読んだことがあったのだが、長編でハードSFというのも少々肩が凝った覚えがあるので、短編はありがたい。ロボットというものの多面性と多様性を考えると、こういう連作の形にしたのは、実に的を得た構成ではないだろうか。どこか、ブラッドベリの作風をうかがわせるような叙情性も漂っているし。


「封印作品の謎2」 安藤健二 (太田出版)\1480 ★★★☆☆ ▲TOP
 昨年出版された「封印作品の謎」の第2弾。今回は、「キャンディ・キャンディ」「ジャングル黒べえ」「オバケのQ太郎」「サンダーマスク」の四作品に絞って、深いルポが試みられている。前作同様、人種差別に関わってのものもあるが、著作権や権利がらみのものが紹介されているのが特徴だと言えるだろう。また、黒人差別問題で話題にのぼっていた「黒人差別をなくす会」について詳しく知ることができたのは、収穫だった。


「OUT SIDER」 諸刃龍紀 (文芸社)\1600 ☆☆☆☆ ▲TOP
 物語の内容以前に、なんといっても目立ったのが(かっこ)書きの多用である。その部分を文章で表現するのが本来小説っていうものじゃないのだろうか。登場人物それぞれのキャラを立てようと努力したのは伝わってくるのだが、そのかわりに物語全体の盛り上がりには欠けている。まあ、予定調和にしたがって淡々と進むドラマを見ているようで、安心して読んでいれるということもできるのだろうが、


「19歳 一家四人惨殺犯の告白」 永瀬隼人 (角川文庫)\476 ★★★☆☆ ▲TOP
 犯罪ルポ。ドキュメンタリータッチで進行していくのだが、よくぞ、というくらい緻密な構成になっている。それだけに、制作の裏話的な話は目障りだ。犯人の人生に焦点を絞っていったほうがよかったのではなかったか。獄中の犯人との書簡のやりとりというのは貴重なので、これを軸にして、事件の進行と織り交ぜながら書いていくという、従来の作法のほうが、この作品には合っていたかもしれない。


「怪奇・夢の城ホテル」 川辺敦 (ハヤカワ文庫JA)\651 ★★★☆☆ ▲TOP
 これは、どう考えても表紙カバー絵で損をしていると思う。エンターテインメント系の物語かと思いきや、しっかりとホラーな内容だったのである。狂言回しの主人公がいて、スペシャリストの登場人物がいるという、典型的な「ワトソン=ホームズ」型で物語は構成されているのだが、特に大きな謎やミステリーはこめられてはいない。小説「地獄の家」を元にした映画「ヘルハウス」のような設定の物語で、最初は特に怖さも感じなかったのだが、ラストに近づくにつれての緊迫感はなかなかどうして、たいしたものである。実話系の怪談に比べても遜色のない出来で、中高生ぐらいの年代が読むにはぴったり。


「パクリ・盗作スキャンダル読本」 別冊宝島1257 (宝島社)\800 ☆☆☆☆ ▲TOP
 これはちょっと俺の期待していた内容ではなかったようで。パクリとされる作品名とかの列挙かと思っていたのだが、実際は盗作の定義とか、そこに至る心理を分析するような内容になっている。まあ、昭和に入ってからのさまざまなジャンルの盗作問題についてほとんど触れられているようだし、読むのにちょうどいい分量ではあったのだが。それにしても、パクリ疑惑の、ネットやWebの世界での告発の多いこと。ほとんどは2ちゃんねる発みたいだし。


「吉野健太郎傑作選」 吉野健太郎 (ソシム)\1800 ★★★☆☆ ▲TOP
 さまざまな媒介でコラムを書き、その面白さで定評のある筆者の書いた文章を集めたもの。独特の文体のようだが、これはスタパ斎藤の文体の影響が大きいように感じるのだがどんなものだろう。内容は、ためになるものからくだらないものまで、ジャンルともに雑多なのだが、それがまたいいようのない可笑しさを醸し出していい味である。テキストサイトなど、こんな文章をコンスタンスに書き続けていけるようになれば、多数の読者、リピーターもつくようになるのだろうなあ。


「板垣恵介の激闘達人列伝」 板垣恵介 (徳間文庫)\552 ★★★☆☆ ▲TOP
 漫画「グラップラー刃牙」は職場の同僚から聞いて読み始めた漫画であるが、あの筋肉の描写や荒唐無稽な筋立てはちょっと自分には合っていないと思っていた。しかし、読めば読むほど惹かれていく魅力をもっていたのも確かである。これは、俺のもっている、「格闘技」や「強さ」に対する憧れによるものだろう。その漫画の作者による本書は、格闘技界で”達人”と呼ばれる人たちに取材、インタビューしたものをまとめたものである。いろいろな武術雑誌や書籍で読んだ神業が、実際に実在するのだということを、作者が身をもって体験、実証していく。こういう、等身大の人間のもっている不思議な力(超能力とか宗教とかではなく)が実証されるのを知るのは、とても興奮するものである。年老いてなお強い、というその事実に。


「実話、怪談草紙」 上原尚子 (竹書房文庫)\552 ☆☆☆☆ ▲TOP
 実話系怪談本。よくあるタイプの本よりもひとつひとつの話の内容が多いので、読み応えがあるような、物語自体の本数は少ないので物足りないような。幽霊そのものが出てくる話よりも、奇妙な話、不思議な話の法が多いような気がする。あとがきによると、作者は「見える」人のようだが、それならばもっと怖い話としてアレンジのしようがあったような気もするのだが。


「日々狂々、怪談日和」 平山夢明 (竹書房文庫)\552 ☆☆☆☆ ▲TOP
 実話系怪談本編著者によるWeb日記の書籍化。とは言っても「見える」人ではないので、自身の体験談による怪談話ではない。身辺雑記ととりまぜて、身の回りでおきた、ヘンな話を紹介している。これを読む限りでは、著者の住んでいる地域がかなり特殊でいろいろとネタになる事件の多発する場所のような描かれ方なのだが、いかんせんWeb日記サイトの書き込みの域を出てはいない。二回読み直そうという意欲がわかないのである。


「宇宙のオーパーツ」 ムー謎シリーズ (学研)\1575 ☆☆☆☆ ▲TOP
 火星の人面岩をはじめとする、宇宙の不思議なモノの特集。ようするに宇宙系トンデモ物件案内である。月刊ムーの別冊だけあって、30年以上昔から知っていたものもあるが、今まで知らなかったようなものもちらほら。ただ、画像が粗いのもあって、どうみても比較イラストのようには見えてこないものがそのほとんど。結局「見える人にはそう見える」というレベルのものばかりで、これは心霊写真と同様。


「地獄のババ抜き」 上甲宣之 (宝島社)\1143 ★★★☆☆ ▲TOP
 「このミステリーがすごい」でお薦めの作家ということで購入。長編連作の第2弾らしいが。登場人物の全員がそれぞれにアクの強い個性をもっていてしっかりキャラが立っているのには感心した。ただ、カードゲームを中心に据えて物語りが進行するのだが、やはりそれを文章で表現するのは難しい。もっと図版を多用してもよかったのかもしれない。丁々発止のやりとりは、博打漫画や「デスノート」のような心理戦で、そのへんのかけひきとドンデン返しはうまく表現できている。ミステリーらしいトリックとはちょっと違うのだが、最後までどぎきしながら読み通すことができた。


「挑戦的平和論」 小林よしのり (幻冬舎)\900 ☆☆☆☆ ▲TOP
 今回、退院してからずっと部屋の整理をしているのだが、そろそろ「捨てる生活」に入ろうかと考えている。自分にとってよっぽど大切な、あるいは思い入れのあるものだけ残してあとは処分してしまおうと思ったのだが、真っ先に捨てるリストに入ったのが小林よしのり本だった。ゴーマニズム宣言は出始めから”追って”いて、それなりに共感させられる部分もあったのだが、ここ数年の論旨にはどうもついていけない。変節とまではいかなくとも、以前のような思い切りのよさを感じることがなくなってきてしまった。本作でも、「そう言ってきたじゃないかわしは!」とか「それもわしが、何度も言い続けてきたことだよ!」など、どうも高所から見下ろすような発言が鼻についてくるようになったのである。思い起こせばこれは、オウム真理教に暗殺されかかった頃から始まり、HIV訴訟、教科書問題と、二度にもわたる”裏切り”に遭った後からだったような気がする。もちろん、「戦争論」のような著作は手元に残しておきたいとは思うが、とりあえず本書の下巻もよっぽどのことがないと買うことはないだろう。


「殺人王 美食編」 目黒殺人鬼博物館 (太陽出版)\1400 ☆☆☆☆ ▲TOP
 食人にまつわる猟奇事件のダイジェスト。詳細な解説が載っているわけではないのだが、半分以上は今まで知らなかった事件であり、これは得をしたような気分である(イヤな得だな)。それぞれの事件とともに、調理方法について詳しいレシピが併記されているのが特徴なのだろうが、それはいらなかったと思う。思いつきは面白いし新機軸ではあろうが、読者としてはそんなものには期待していないだろうに。


「世界怪奇事件ファイル」 並木伸一郎 (学研)\860 ☆☆☆☆ ▲TOP
 トンデモ系の本は昔かなり集めていたのだが、何年かに一回、最新の情報を知りたくなって買ってしまうのである。十年くらい前までは月刊「ムー」を買っていたので、リアルタイムで追っかけることもできたのだが。今回、大好きなUMA関係では目新しいものはなし。デス・ワーム(砂漠に住む毒性の巨大ミミズ)とかフライング・ヒューマノイドとかは載っているが、俺が読みたいのは恐竜型のUMAの情報なのである。だいたい、UMAがまとめて「天空の怪奇」という章になっているのはどう考えてもおかしいのだがなあ。


「猟奇事件ファイル」 別冊宝島1234 (宝島社)\1200 ★★☆☆☆ ▲TOP
 日本の猟奇事件と呼ばれるような性質の事件を、とにかくこれでもかとばかりに列記している。詳しい解説はあまり載っていないのだが、その代わりに新聞をにぎわしてような事件はほぼ網羅されているのではないだろうか。俺自身、物心ついてから記憶に残っている事件がたくさん登場し、「ああそういえば…」と感慨にふけることしきり、であった。


「実録!マーダー・ウォッチャー」 洋泉社ムック (洋泉社)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 世に有名な殺人者だけではなく、ちょっと風変わりな事件を起こした人物が載っているのが特徴。犯罪者にもB級がいる、ということになるのだろうか。実話マッドマックスとか実話ナックルズとか、あの系統の犯罪本をイメージするといいだろう。一般紙でも取り上げられるような犯罪者ではなく、よくまあこんなマイナーな犯罪者を、と思わせるところがミソなのかもしれない。


「文学賞メッタ斬り!」 大森望・豊崎由美 (PARCO出版)\1600 ★★★★☆ ▲TOP
 入院中に読了。書評本にあたる構成なので、これを楽しめる人とそうでない人は大きく分かれるところであろう。俺はもちろん前者だったのだが。本書は、さまざまな文学賞の特徴とその受賞者、選考の過程など、ふだん目にすることのない舞台裏について、かなり詳しく書かれている。口語で書かれていて対談形式というのも、文脈をとらえやすく読みやすい理由だろう。読んでいるだけでいろいろな受賞作品を読んだような気にさせられる。これ、巷ではやっているダイジェスト本よりもよっぽどいい。


「社会派くんがゆく!維新編」 唐沢俊一・村崎百郎 (アスペクト)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 入院中に読了。前作「社会派くんがゆく!維新編」が予想外に面白かったので、期待して購入。著者ふたりの毒舌はちょっと鼻につく部分もあるのだが(言い回しがありふれていたりして)、その知識と慧眼には思わずうならされるものがある。たとえば同じ意見を小林よしのりが書いた場合、どこかに逃げ場所をつくっていたりしていねような感じがするものだが、本作での論旨はいっそすがすがしいまでに単純明快なのである。ただ、それに対しての反論を汲み上げる”装置”がない限りにおいては、いい逃げになってしまうのも仕方がないことなのであろう。緊急出版だつたのかどうか、ライブドアショックには触れていないのが残念。犯罪や政治の事件だけではなく、経済についてどのような論を交わすのかが読みたかったところではある。


「ダンジョン&ドリーマーズ」 ブラッド・キング他 (ソフトバンク)\1800 ★★★☆☆ ▲TOP
 入院中に読了。コンピューターゲームの派生と発展、そしてネットワークゲームへの進化について舞台裏をつづったルポルタージュ。結構厚い本なのだが、出てくるパソコンゲームはリアルタイムで見たり触れたりしたものだったので楽しかった。特に、物語の中核をなしている「ウルティマ」シリーズや「DOOM」については、その背景も考え合わせると感慨深いものがある。ゲームの文化史としての資料となるだろう。ただし、これほどまでにユーザーをのばした「ファイナルファンタジー」についてひと言も触れていないのは解せないのだが。手元にあるがインストールもしていない、「シムシティ4」「DOOM3」、この機会にやってみたくなった。


「百物語 第四集」 平谷美樹 (ハルキホラー文庫)\580 ★★☆☆☆ ▲TOP
 第4集を探した。身近な本屋には見つからず、そのためだけにずいぶん遠出してしまったのだが、読みたい本は読みたいときに読まねばなあ。第3集で打ち止めとのことだったが、結局この第4集が作者最後になるらしい。内容はいつものとおりの実話系なのだが、今までと違っているのは、そういう経験をたくさんしている人たちの話をいくつかずつ章立てしている点。これによって、今までバラバラの”点”として存在していた恐怖感が”線”として結ばれ、あるいは”面”として迫ってくるような印象がある。たったひとつの体験であれば気のせいですませられるところが、こうして波状攻撃されたとき、俺ならば耐えることができるだろうか、などと。


「百物語 第三集」 平谷美樹 (ハルキホラー文庫)\660 ★★☆☆☆ ▲TOP
 第三集が出ていることを知らなかったのである。装丁も似ているし、だいたい実話ものの怪談というのはなんだか”浅い”気がして、手にとることもないものだから。今回、何かの広告で見てあわてて書店に急いだ。作者が中学校の美術教師ということと、もともとSF畑だというのが、なんとなくしっつきやすい気がする一因になっているのだろう。今回も、地元岩手県にまつわる話、「遠野物語」に題材をとったような話がいくつかあり、そのへんは楽しめた。ただ、「視える人」の視点からの記述が以前よりもずいぶん増えたようにも思えてしまう。話の収集だけでなく、脚色も含んでいるような部分もあったりしたのがちょっと残念。


「出家日記」 蛭児神健(元) (角川書店)\1500 ★★★☆☆ ▲TOP
 著者の名前を見て、「ああ、あの…」と思い当たる人がいったいどのくらいいるのだろうか。たぶん、俺はその最後の世代の方になるに違いない。それくらい、この人の属していたジャンル(特にロリコン)は間口が狭いものなのである。現在でもカルトやB級モノのジャンルで著名な人としては、本書にも登場する吾妻ひでお大塚英志、そしてトンデモ方面の活動で有名になった志水一夫あたりが、その界隈で知られていた時代のことである。著者のスタイルが”変質者”の典型として知られるようになったというりはなんとなく知っていたが、その後このような凄絶な人生を過ごしていたとは全然知らなかった。というか、児童ポルノ法が施行されてから、そっち方面の話題に触れる有識者自体いない状態だったのだから仕方もないか。そうそうたるメンバーの集結した「ロリコン大全」(だったかな?)とかいう本もどこかで見つけてきていたと思うんだが、あれは捨ててしまったっけ?もう一度、資料的価値のあるものとして、あの時代を振り返る機会ももちたいものである。


「カニバリズムの系譜」 池田智子 (メタ・ブレーン)\1500 ★★☆☆☆ ▲TOP
 「カニバリズム」「食人」という言葉に興味をもち始めたのはいつからだっただろう。小さい時から怖がりだったことを考えると、高校生のとに観た映画「ゾンビ」の強烈なイメージが根底にあるのではないかとは思うのだが。本書の参考文献にもなっている「食人宴席」という本をどこかで立ち読みして、その後書店を探し歩いてやっとのことで手に入れた、なんて思い出もあったりする。昨今は、北朝鮮の究極の飢餓の中で食人が行われたなんて話もテレビで目にしたが、実際のところはよっぽど猟奇的な犯罪でもなければ、現代の世で食人が行われるひとなどないだろう。本書は、資料的価値としてはとてもよくまとめられている本であった。


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