2003年に読んだ本
戻る


063JUMP!ネズミの時計屋さんハーマックスの恋と冒険 1マイケル・ホーイ ★★☆☆☆
062JUMP!異星文明の巨大証拠群コンノケンイチ他 ★☆☆☆☆
061JUMP!僕たちの好きな超時空要塞マクロス別冊宝島 ★☆☆☆☆
060JUMP!オフコース小田和正の謎別冊宝島 ★★☆☆☆
059JUMP!ゴーマニズム宣言SPECIAL よしりん戦記小林よしのり ★★☆☆☆
058JUMP!津軽発「東日流外三郡誌」騒動三上強二・原田実 ★★★☆☆
057JUMP!作家の花道室生佑月 ★★★☆☆
056JUMP!スプラッター殺人鬼 PERFECT BOOK別冊宝島 ★★★☆☆
055JUMP! 俺はハマリ者!!スタパ齋藤 ★☆☆☆☆
054JUMP!未確認動物UMAの謎並木伸一郎 ★★★★
053JUMP!幻想の津軽王国原田実 ★★★☆☆
052JUMP! ガセネッタ&シモネツタ 米原万里 ★★☆☆☆
051JUMP! クライミング・フリー リン・ヒル ★★★☆☆
050JUMP! THE CHAT 椙本孝思 ★★★★★
049JUMP! 愛のトンデモ本 と学会 ★☆☆☆☆
048JUMP! サイバー北朝鮮 ウラジミール ★☆☆☆☆
047JUMP! 奇妙な論理 1 マーティン・ガードナー ★★★☆☆
046JUMP! 美亜へ贈る真珠 梶尾真治 ★★★☆☆
045JUMP! もう一人のチャーリー・ゴードン 梶尾真治 ★★★☆☆
044JUMP! フランケンシュタインの方程式 梶尾真治 ★★☆☆☆
043JUMP! フーリッシュ★ハッカーズ プチワラドットコム ☆☆☆☆☆
042JUMP! ファイナルファンタジーXIプレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記 永田泰大 ★★★★
041JUMP! 怪談之怪之怪談 怪談之怪・編 ★★☆☆☆
040JUMP! 鳥肌口碑 平山夢明 ★★☆☆☆
039JUMP! 戦争論3 小林よしのり ★★☆☆☆
038JUMP! ガメラ最強読本 別冊宝島 ★☆☆☆☆
037JUMP! 百物語 第二夜 平谷美樹 ★★★☆☆
036JUMP! 呪禁局特別捜査官 ルーキー 牧野修 ★★★☆☆
035JUMP! 噂の匿名座談会 噂の真相 ★★☆☆☆
034JUMP! 殺戮の<野獣館> リチャード・レイモン ★★★☆☆
033JUMP! 新・魔獣狩り 8 憂艮編 夢枕獏 ★★☆☆☆
032JUMP! ホラー・ジャパネスクを語る 東雅夫・編 ★★★☆☆
031JUMP! 大極宮 大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき ★☆☆☆☆
030JUMP! 新耳袋 8 木原浩勝・中山市朗 ★★★☆☆
029JUMP! 銀河帝国の弘法も筆の誤り 田中啓文 ★★★☆☆
028JUMP! 空想非科学大全 柳田理科雄 ★★☆☆☆
027JUMP! ハッカー侵入実験 ハッカーの教科書2 IPUSIRON ★☆☆☆☆
026JUMP! かくかく私価時価 小田嶋隆 ★★★☆☆
025JUMP! 栄光の仮面ライダーシリーズ完全ガイド 電撃ムック ★☆☆☆☆
024JUMP! と学会年鑑BLUE と学会 ★★☆☆☆
023JUMP! 寿司とマヨネーズ ある愛の記録 水月マヨ ★★★☆☆
022JUMP! 僕たちの好きなウルトラマン2 別冊宝島 ★☆☆☆☆
021JUMP! ゴジラ最強読本 別冊宝島 ★☆☆☆☆
020JUMP! 怒濤の厄年 三谷幸喜のありふれた生活2 三谷幸喜 ★★☆☆☆
019JUMP! 機動警察パトレイバーPERFECT BOOK 別冊宝島 ★☆☆☆☆
018JUMP! ウルフレター 平井和正 ★☆☆☆☆
017JUMP! 奇妙な論理 2 マーティン・ガードナー ★★☆☆☆
016JUMP! 続・中国いかがですか? 小田空 ★★☆☆☆
015JUMP! サンサル 2 大田垣晴子 ★★☆☆☆
014JUMP! 網状言論F改 東浩紀 ★★☆☆☆
013JUMP! サンサル 1 大田垣晴子 ★★☆☆☆
012JUMP! THE MASK CLUB 村上龍 ★★★☆☆
011JUMP! 書物の森でつまづいて… 田中芳樹 ★☆☆☆☆
010JUMP! 富良野塾 序章 倉本聰・監修 ★☆☆☆☆
009JUMP! ホラー・ガイドブック 尾之上浩司 ★★★☆☆
008JUMP! 10分でわかるマンガハッカー入門 Saint、藤森異端 ★☆☆☆☆
007JUMP! 愚者の旅〜わがドラマ放浪 倉本聰 ★★★☆☆
006JUMP! 2ちゃんねるウラオモテ超入門 マイウェイムック ★☆☆☆☆
005JUMP! ホラー小説大全 風間賢二 ★★☆☆☆
004JUMP! 死体ばかり見ていた。 めぐみ ★☆☆☆☆
003JUMP! 電脳祈祷師・邪雷幻悩 東野司 ★☆☆☆☆
002JUMP! ゴーストシステム 長江俊和 ★★☆☆☆
001JUMP! フリークス 綾辻行人 ★☆☆☆☆




「ネズミの時計屋さんハーマックスの恋と冒険 1」 マイケル・ホーイ (ソニー・マガジンズ)\1600  ★★☆☆☆ TOP
 話の内容自体はファンタジー仕立てのミステリーといった趣なのだが、これの元になっているのが75通のメールというところに興味をそそられる。一話が約2400字、原稿用紙で6枚という数を毎日書き続けるのは結構たいへんな作業である。ひとつひとつの話は短くても、それを継続することで長編を完成させる労力はたいしたものである。思いつきで書き始めたものだけにプロットをきちんと立てていたわけでもないだろうが、整合性もとれているし。こういうタイプの創作手法はWebならではのものというるだろう。

「異星文明の巨大証拠群」 コンノケンイチ他 (徳間書店)\1600  ☆☆☆☆ TOP
 「超映像ベスト集成」というサブタイトルがついているが、カラー図版はほとんどなく、また白黒の写真にしても別の雑誌やビデオ画像からの引き写しが多いため見づらいことこのうえない。内容は、昔からあった、月や火星に人工物がんぞいするというものや、宇宙飛行の中でたまたま映像に写りこんだUFOらしき物体(オブジェクト)の写真等。明らかに誤認されているものも多いと思う。どう見ても宇宙船の一部や廃棄物が凍ったものとか、意識的に見ないとそれとは判別しづらいものばかりだし。だいたいが、「NASAはUFOの証拠を隠している」とか言いながら、その証拠をNASAが公開している史料から探しているのがヘン。

「僕たちの好きな超時空要塞マクロス」 別冊宝島 (宝島社)\1048  ☆☆☆☆ TOP
 懐かしさだけで購入。学生時代、日曜の午後2時半というどう考えても中途半端な時間帯に放映されていたのできれぎれにしか観ていなかった。今回この本の中のストーリーを見ていても、後半は全然しらない話ばかりである。マクロスは、何より現存の平気が変形して人型ロボットになるという発想がいい。それと、板野サーカスと呼ばれている、あのミサイルの軌跡のリアルさとか。ハードSFとして設定してもよかったくらいではないだろうか。登場するロボト群の中で一番俺の好きなのがデストロイドモンスターで、これは生まれて初めて塗料で着色したという思いでまであるのだった。

「オフコース小田和正の謎」 別冊宝島 (宝島社)\1400  ★★☆☆☆ TOP
 オフコースとの出会いは古いが、はっきり意識してコピーを始めたのが高1の時。その後学校祭やら大学のサークルで主催したコンサートやらでずっと歌ってきた、好きなバンドである。とは言ってもバンド形態よりもアコースティック・ギターとコーラスでアレンジしたものがほとんどだったのだが。特に、ハーモニカをフューチャーした曲など、そのごの俺の嗜好にも大きな影響を与えた。本書では、そのオフコース時代からソロに至るまでの小田和正の楽曲づくりや人間性に光を当てていろいろな裂く綿から語られている。コビニで手軽に返るということもあるが、どうもターゲットは俺くらいの年代のような気がするが、これがものの見事にハマって、久しぶりにオフコース時代の曲をCDで聴いてしまつたりもしたのだ。

「ゴーマニズム宣言SPECIAL よしりん戦記」 小林よしのり  (小学館)\1600 ★★☆☆☆ TOP
 あい変わらずマンガに属するか本に属するか迷うのだが、言論・思想のジャンルということでこちらに。書店で見てすぐ購入してしまったのだが、よく中を見てみると今までに「ゴーマニズム宣言」で書かれたものを再編集したものであった。書き下ろしもあるにはあるのだが、インタビューやらなにやら文章の部分も多く、またそれがあまり面白くないときている。ただ、シリーズも大作となってしまっているので、その全部を一から読み直すことなくいいところどりをするには便利な本といえるだろう。

「津軽発「東日流外三郡誌」騒動」 三上強二・原田実 (批評社)\2600  ★★★☆☆ TOP
 以前読んだ本と併せて読むと。さらにこの「東日流外三郡誌」騒動の内実を深く知ることができる。考証本としてもノンフィクションとしても一級の本だろう。が、真作説をとる人々からするとかえってトンデモな本に映るだろうことがまた面白かったして。そういえば、修学旅行の引率で青森のねぶた記念館に行くことが多いのだが(^^;、そこで描かれている坂上田村麻呂と東北の関係が、本書によつて再確認できたことは、個人的に大きな収穫であった。この「東日流外三郡誌」騒動については、もう少し文献にあたってみたいような気もした。

「作家の花道」 室生佑月 (集英社文庫)\419  ★★★☆☆ TOP
 作家・室井佑月が銀座ノホステスから専業作家として認められるまでに書かれたエッセイ集。文体自体はかなりいろいろなところで見られるものだが、私生活もネタにして、作家という職業にどのようにして取り組んでいつたのかが描かれているところが興味深い。どこかで氏のエッセイを読んだとき、露悪趣味か誇大表現のどちらかと思ったが、このエッ゛イを読み進むかぎでは、”地”の部分で発言しているようにうかがえて楽しかった。一枚四千円の作家時代もあったのだなあ。

「スプラッター殺人鬼 PERFECT BOOK」 別冊宝島 (宝島社)\1300  ★★★☆☆ TOP
 たぶん限られた需要しかないジャンル(^^;紹介されている殺人鬼はすべて映画に登場する架空の人物で、フレディ、ジェイソン、レザーフェイス、ブギーマン、チャッキー、ゴーストフェイスと、めぼしいところは全ておさえ、シリーズ作品についてもわかりやすく解説されている。スプラツター・ホラー映画の中でひとつの”人格”をもちえるに至った有名どころである。個人的には、あまりにも超人的な性質をもったものは好きではないので、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスが好き。実話に基づいているというところもポイントだろう。このごろのホラー映画はSFXで”見せる”ものばかりになって、昔のような怖がらせるツボがなかなか見あたらないのが残念だ。

「俺はハマリ者!!」 スタパ齋藤 (インプレス)\1500  ☆☆☆☆ TOP
 スタパ齋藤の文体は好きだ。ちょっと椎名誠の昭和軽薄体にも似ているのだが、全体として石丸元章と同様、ドライブ感・スピード感が何ともいえず味わいがある。パソコン誌のコラムで活躍中の著者の文章であるが、今回購入した本はいかんせん情報が古く(2001/03初版)、残念ながら時代遅れとなってしまった商品の説明が多かったので、その時代の感覚を思い起こす程度にしか読むことができずつまらなかった。

「未確認動物UMAの謎」 並木伸一郎 (学研ムーブックス)\950  ★★★★ TOP
 インターネット通販で購入。一般書店ではとうとう手に入れることができなかつたので。学研の「ムー」がらみということで過去に報告されたことの焼き直しが多いだろうという予想に反して、図版も情報も最新のもの、今までに目にしていないものが並べられていて、飽きることなく一気に読むことができた。ネット上では(2003/11月)現在、獣人系のニュースが海外から配信されることが多いのだが、この本の中ではチュパカブラ関連に多くの記事が割かれている。俺としては、どうしてもレイクモンスター、ネッシー系の話題に期待を集めているのだが。現在もっともタイムリーな話題として深海で発見された新種の硫化鉄のウロコをもつ巻貝があるが、この本にでているような未確認動物が今後発見されるようなこともあるのかもしれないと考えると結構楽しい。

「幻想の津軽王国」 原田実 (批評社)\2670  ★★★☆☆ TOP
 現代の奇書といわける偽書「東日流外三郡誌」についての著作。前半は著者がこれを真作と信じていた頃、後半は偽作と確信した後という構成になっており、それぞれの時期ノスタンスの違いが著作物にもあらわれているのが興味深い。古史古伝、偽史偽書の世界は奥深く、だからこそ面白くもあるのだが、それにしてもこれだけの史料をたったひとりで偽作し続けていくというのも相当な作業であり、なみなみならぬ知識が必要であろう。義経ジンギスカン説やキリストの墓など、東北地方に関わるトンデモな説がたくさん登場するのも楽しめた。

「ガセネッタ&シモネッタ」 米原万里 (文春文庫)\562  ★★☆☆☆ TOP
 装丁は外国文学風、題名はギャグエッセイ風であるが、これは堂々としたまじめな随筆であり、著者は現役のロシア語通訳者である。同時通訳をするうえての裏話がたくさんのっているかと思えば、国語論や旅行風俗など話題は多岐にわたる。読んでいて飽きさせないのはその見識の深さによるものであろう。密かに、巻末にある友人の書かれた解説が心に沁みる。

「クライミング・フリー」 リン・ヒル (光文社)\1800  ★★★☆☆ TOP
 体ひとつで自然に挑戦する、ということに大きな興味がある。自分自身では、学生時代にオートバイで山の中に踏み入っていったりキャンプをしたりぐらいしか実体験をもってはいないのだが。これまでに感銘を覚えた漫画で「神々の山嶺」(原作・夢枕獏、画・谷口ジロー)というのがあって、これは登山を描いたものだが、そこまでスケールの大きなものではないにしろ近年関心の深いのがフリー・クライミングの世界であった・本書は、そのフリー・クライミング界屈指の女性クライマーの書いた自叙伝的なもので、クライミングとの関わりからそれにまつわるエピソードや人間模様までが盛り込まれている。ただし、欧米のノンフィクションに往々にしてみられるように、宇宙の一体化とか自分探しとか、そういうスピリチュアルな話になっていくのはちょっと興ざめだった。

「THE CHAT」 椙本孝思 (アルファポリス)\952  ★★★★★ TOP
 これはいい!確か月刊「ダヴィンチ」で書評が載っていたと思うのだが、あまり期待せずに何となく買って読んだのが大当たりだった。チッャトやインターネットが舞台というと、その状況設定だけを描いた薄っぺらいものになるか、マニアックすぎて鼻につくものかのどちらかしか読んでいなかったのだが、この作品の中ではネットの匿名性とかそこに存在するはずのリアリティーの危うさについてがきちんと表されている。最初はホラーかと思って読んでいくのだが、二転三転のドンデン返しがこれでもかというくらい用意されていて、うれしい誤算の連続。たぶんこいつが犯人…という大方の予想は当たるのだが、その真相についてラスト3ページに最も大きなドンデン返しが待ちかまえているのだ。これはぜひ読むべし!

「愛のトンデモ本」 と学会 (扶桑社)\1238  ☆☆☆☆ TOP
 だめ。俺には合わない、のひと言で終わってしまう一冊。流し読みで最後まで読み進んだが、楽しめた、笑えた部分というのは、この一冊の中ではトンデモ・エロビデオの世界と題した小コラム一編だけであった。恋愛とはもともと狂気、トンデモなのだ、というのがまえがきに書かれていたが、そのようにして楽しむにしてはネタが”薄すぎ”たのではないか、と思った。どこかでこの感覚を味わったなあ、と探してみると、1999/12/13に読んだ「トンデモ本・女の世界」のことだった。

「サイバー北朝鮮」 ウラジミール (白夜書房)\2400  ☆☆☆☆ TOP
 ハッカージャパンBOOKSの中の一冊であるが、ハッキング等の具体的な事例が載っているわけではない。北朝鮮の軍事的情勢をパソコン関連の話題を軸に分析したものである。サイバー云々の冠を付けるよりも純然とした軍事情報としてまとめた方がよかったのだろうが、初出となる雑誌等の性格を考えるとやむをえない編集ではあったのだろう。前半の北朝鮮ホームページについての奇術は興味深い。書かれていることで思い当たるのが、当時掲示板によく貼られていたカジノサイトの書き込みで、これが北朝鮮発のものだったとは思いもよらなかった。確か、俺の掲示板にも書き込みされていたと記憶するが。

「奇妙な論理 1」 マーティン・ガードナー (ハヤカワ文庫)\720  ★★★☆☆ TOP
 2巻を先に見つけてしまつたので前後してしまつたが、有名な擬似科学批判本をやっと読破。本巻では、アインシュタイン批判や地球空洞説、オルゴン理論など子供の頃に夢中になって読んだ類の章題が踊っている。その中でも、最終章に近いところに一する「ダイアネティックス」の章が面白かった。現在でも書店(の特にビジネス書の近辺)に並んでいるこの理論の本だが、その起源が1948年にSF小説家によって考え出されたものだとは知らなかった。この理論と運動についてはすでに決着をみたような書き方が本書ではされているが、半世紀を経た現代にもそれが生き残っているほうが奇跡みたいなのであろう。トンデモ系の理論は、その出自を知れば知るほど面白みが増すという典型のような話であった。

「美亜へ贈る真珠」 梶尾真治 (ハヤカワ文庫)\580  ★★★☆☆ TOP
 カジシンの短編傑作集の三作目は”ロマンチック編”。表題作は30年近くも昔に読んでからずっと心にひっかかっていたくらいの名作である。収められている作品はロマンチックの名に恥じず心を揺り動かすものばかり。現代SFのような骨太さやクールさはもってはいないが、昔懐かしいほのぼのしたSFの世界に浸りたいのならばうってつけである。どちらかというと、ジュブナイルとして年若い人間に読ませたい。

「もう一人のチャーリー・ゴードン」 梶尾真治 (ハヤカワ文庫)\580  ★★★☆☆ TOP
 カジシンの短編傑作集の二作目は”ノスタルジー編”である。表題作の元ネタになっている「アルジャーノンに花束を」は近年テレビドラマにもなったので(しかも待ち続けていた文庫化がようやくなされて)知名度もグッとアップしたので、この物語を読む下準備にもなるに違いない。残りの短編はどちらかというと日本的な情緒漂うものが多い気がするのだが、それがノスタルジックの所以かも知れない。それにつけても、この選の巧みさは見事である。編集者が選んだのか本人が選んだのかは知らないが、まさにノスタルジック・ロマンスのエッセンスを集めたような作品ばかりが並んでいる。こういう編み方を、他社のアンソロジーの選者にも見習わせたいものである。

「フランケンシュタインの方程式」 梶尾真治 (ハヤカワ文庫)\580  ★★☆☆☆ TOP
 梶尾真治の短編傑作集がハヤカワ文庫で3冊同時刊行である。本作は”ドタバタ編”と銘打って、名作「冷たい方程式」のパロディである表題作を含む6編を収録している。初出が1978年から1997年の間ということもあって、若干ノスタルジックな作品が多くなっているが、SFの初心者にはお奨めである。なんだか、”古きよき時代のSF”みたいな感じで。昔徳間文庫でそれぞれの年代別のSFアンソロジーが出されていたのだが、そういう企画モノ(ただし日本SFに限って)も毎年読んでみたいと思う。

「フーリッシュ★ハッカーズ」 プチワラドットコム (ソフトマジック)\1300 ☆☆☆☆☆ TOP
 スタイリッシュなカバーデザインにすっかりだまされてしまつた。これはハックラ本とも言えないような内容。内輪うけとしては面白い部分もあるのだろうが、役に立つ記述がひとつも見つからないというのも珍しいほどである。次からはしっかり内容を確かめてから買うようにしなければ…。

「ファイナルファンタジーXIプレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記」 永田泰大 (エンターブレイン)\950 ★★★★ TOP
 FFXIは今まで興味なかったのだが、ゲームを始めたので書店などでもその名前があると視界に入るようになってきた。この本はゲーム攻略本のコーナーにあったので最初はソノ手の本だとばかり思っていたのだが、たまたまオビにかかれていた漫画がみずしな孝之だったので、どんなものかと手にとってみた次第。内容は、FFXI(プレステ2版)の導入からプレイを進めていく過程を日記形式で描いているものだが、当初桜玉吉の漫画を文章で読んでいるようなおかしさがあり、このままギャグ路線でいくのかと思ったら、なかなか意味深くコミュニケーションやゲームを”語る”部分が多くなっていく。ゲーム自体のプレイを進めていく上での参考とまではいかないが、実際にゲームをしてからまた読み返してみたくなるような部分も。ゲーム世界の中に没入してストーリーが進むようなエッセイは「ウィザードリー日記」を始めとしていくつかあるようだが、それらの中でも遜色の出来ではないだろうか。値段以上に厚みも十分、読み応えのある一冊であった。

「怪談之怪之怪談」 怪談之怪・編 (メディアファクトリー)\1200 ★★☆☆☆ TOP
 雑誌「ダヴィンチ」に連載されていた対談をまとめたもの。毎月購読しているので呼んだ記憶のある記述ばかりで、ちょっと損したような気分も。この中で、中島らもの体験談が語られているのだが、その対談が行われた時期は中島の逮捕前で、まだバンバン大麻等をキメていた時期であることを考えあわせると、なんとも可笑しい。小説家や俳優など、芸術に携わる人間に目撃談が多いというのも、一種”感覚的”、センシティウな世界であることから当然のことなのかも知れない。

「鳥肌口碑」 平山嫁明 (宝島社)\1200 ★★☆☆☆ TOP
 人外の怪談とストーカー等の狂気に関わる話との二段構えになっている。よくある”怖い話”の本なのだが、特に後段の、精神に異常をきたした人々の描写が具体的でぞーっとするものがあり、やはり本当に怖いのは人間だな、という感想か。

「戦争論3」 小林よしのり (幻冬社)\1600 ★★☆☆☆ TOP
 「戦争論」もいよいよ3巻を数えた。1巻目を初めて読んだときは結構共感できたものだが、今回に至ってはなんだかその主義主張ばかりが全面に押し出されているようで、冷静なはんだんを保ち続けることが困難になってきているのでは、という感じがしてしまった。史実というものがとらえかたによつて、あるいは受け取る人間の考え方によっていくらでも解釈の仕方が違ってくるというステロタイプのような論争である。とはいえ、歴史や思想をこれほどわかりやすく説明できるのは、やはり漫画という表現方法のなせる業、でもあるのだろう。

「ガメラ最強読本」 別冊宝島 (宝島社)\1200 ☆☆☆☆ TOP
 裏mokichi.comにも書いたのだが、ゴジラよりもガメラ派の俺である。平成ガメラシリーズもDVDセットで手に入れた。(中古だけど(^^;)今回このムックを見ていると、幼い頃リアルタイムで観た頃のことが思い出されて、いやがうえにも郷愁を誘った。思えば、昔は夏休みや冬休みといえば特撮怪獣モノがテレビ放映されていたものだか、昨今はそれが戦隊ヒーローモノやアニメとってかわられてしまつたのは残念である。ガメラでは、やはりギャオスの設定と造型が秀逸だろう。ガメラ4の本家版が制作されることを切に望む。

「百物語 第二夜」 平谷美樹 (ハルキホラー文庫)\620 ★★★☆☆ TOP
 「実録怪談集 百物語」の続編。採話の幅が広がったのか、ジャンル的なものや趣が若干変化して、よくある怪談集みたいになりつつあるのがちょっと残念である。それでも、実話のもつ重みというものが伝わってくるあたりが何とも言えずいい。昨今はホラーブームであるが、このような市井の実話をもっとたくさん読んでみたいと思う。「新耳袋」とはまた違った発見がありそう。

「呪禁局特別捜査官 ルーキー」 牧野修 (祥伝社)\838 ★★★☆☆ TOP
 呪禁局シリーズの第二弾。前作はプロローグともいえるもので、養成学校時代の青春モノ、という趣だった。ちょうどハリー・ポッターシリーズとテーマが重なっていたので、なんだかパクリっぽい漢字がして評価は低かったのだろうが、本作では主人公も青年に成長し、堂々とした魔術線が展開している。物語のそこかしこに魔術やオカルトの知識がちりばめられており、昔の菊地秀行作品のような感じも。新たな敵の出現と主人公のパワーアップというマンネリ化した展開に陥らずに進むことを願う。

「噂の匿名座談会」 噂の真相 (噂の真相)\1000 ★★☆☆☆ TOP
 「噂の真相」というメディアの在り方はともかくとして、こういう実録モノには弱いのだ。もちろん全てが事実とは限らないわけなのだが。ジャンルが多いのでけっこう読み応えがあったのだが、やはり政治や官憲に関わる記事よりも、芸能や文壇のゴシップをおもしろがってしまうのが人間の性というものか。ただ、挿入されている広告のほとんどがアダルトなのが、この雑誌の”品性”を証している、といっていいだろう。

「殺戮の<野獣館>」 リチャード・レイモン (扶桑社ミステリー)\571 ★★★☆☆ TOP
 ホラー関係のブックレットによく紹介されている”この一冊”。なるほど、噂にたがわぬ悪趣味な物語である。まあ、タイトルにもあるこの「野獣」が超自然的な産物として終わっていないのはよしとするべきだろう。結末のドンデン返しもいいし。それにしても、これだけ悪趣味な物語も珍しいのではないか。まさに「ハードコア・ホラー」の面目躍如である。ホラーとしては決して怖くはないが、後味の悪さを味わいたい向きにはおすすめ、である。

「新・魔獣狩り 8 憂艮編」 夢枕獏 (祥伝社)\849 ★★☆☆☆ TOP
 このシリーズ、最初こそ楽しみにしていたものの、だんだんと刊行が間延びしてしかも登場人物ばかり増えていくものだから、前巻までのあらすじを読んだだけでは筋が思い出せなくなってきている。シリーズとしては通巻8巻目でもあり、いろいろな伏線が効果を発揮し出すころなのだが、その伏線を思い出すのが困難となった今、ただ冗長にすぎるような感じがしないでもない。筆力も表現も熟成してきているので読んでいて深みは感じるのだが、最後までテンションを高めたまま読みつづれることができるかどうか多少不安になりつつある、というのが正直なところだ。

「ホラー・ジャパネスクを語る」 東雅夫・編 (双葉社)\1000 ★★★☆☆ TOP
 ここで定義されている「ホラー・ジャパネスク」という言葉、編者の東雅夫によれば、「日本固有の恐怖や神秘の世界」をさすのだそうだ。本書の中でも紹介されているが、俺自身この言葉からは水木しげるの妖怪モノや横溝正史の伝奇推理のような土俗的・土着的なイメージが強い。現代頭に浮かぶ国産ホラーといえば、もっと現代的(モダン)で”都市的”なイメージも強いかとは思うのだが、その底に流れているのは、やはり日本的な”怪”のイメージではないかと思う。本書は編者と日本を代表するホラー作家との対談がほとんどを占めているが、作家の創作現場やその原体験を伺い知るという意味でとてもおもしろいものだった。

「大極宮」 大沢在宮・京極夏彦・宮部みゆき (角川文庫)\571 ☆☆☆☆ TOP
 こういう、作家の日常や創作現場を知るための機会がけっこう好きなのだが、残念ながらあまり面白いものに出会う機会は少ない。本作はWeb上に連載されていたものを編集したものらしいが、この3人のファンには楽しめるだろうが、その作品に触れる機会の少なかった自分には、特段興味を引くものではないのである。

「新耳袋 8」 木原浩勝・中山市朗 (メディアファクトリー)\1200 ★★★☆☆ TOP
 「新耳袋」シリーズも8巻目。このシリーズ、最初の頃はおどろおどろしい恐怖ばかりを追究していたようなイメージがあるのだが、巻を王ごとにそれも洗練されてきて、まさに”奇妙な味”に昇華されつつある。こうしてみると、今さらながらに、現代にも”怪”というものは転がっているモノだと実感させられてしまう。

「銀河帝国の弘法も筆の誤り」 田中啓文 (ハヤカワJA文庫)\580 ★★★☆☆ TOP
 ギャグ・パロディー満載で、ひと昔前ならば筒井康隆横田順彌が得意としていたジャンルかも知れない。地口(駄洒落)でオトしているものも多いが、そこに至るまでのハード的な設定がきちんとされているのがいいところ。真面目な(?)SF小説としても十分に通用する発想ばかりである。最近の日本の小説はホラーばかり読んでいたような気がするが、SFも新しい世代が登場してきた、というところか。

「空想非科学大全」 柳田理科雄 (メディアファクトリー)\600 ★★☆☆☆ TOP
 文庫版は増補改訂決定版と銘打っている。確かと学会関連からは批判本も出ていたとは思うのだが、いーじゃないか、素人の計算による考察本なんだからさ、という感じで、割と楽しく読み進めることができた。もとより空想科学(SF)の考証なのだから、あまりにもガチガチに詰めていく浩代亜波ないのではないか。このくらいがちょうどいい。このシリーズ、続々と文庫化されるらしいから、ひととおりは買ってみたいと思う。読んでいて疲れないし(^^;

「ハッカー侵入実験 ハッカーの教科書2」 IPUSIRON (データハウス)\2300 ☆☆☆☆ TOP
 「ハッカーの教科書」シリーズ第2弾。今回は副題が侵入実験との触れ込みであったが、実際の内容はというと、その実験用のサーバーの構築方法がほとんどである。とは言っても詳しく説明されているので、この本に従って各種ソフトをインストール、設定していけば問題なくサーバーも稼働するであろう。そこまでのマシン資産と手間暇かける時間がないので実験にはいたらないが、何か行う際には役立つと思われる。個人的には、PHPやSQLなど、ちょっと知りたかった事柄や言語にいての解説を読むことが出来たので十分満足である。

「かくかく私価時価」 小田嶋隆 (BNN)\1600 ★★★☆☆ TOP
 久しぶりに小田嶋モノを買ってみた。パソコンがらみのエッセイが面白いのは知っていたが、時事モノというとドウシテモネタが古くなってしまいがちなので、敬遠していた部分もある。実際に読んでみると、地口(駄洒落)がうまく後々にリンクしていて、相変わらず軽妙で洒落た文体である。俺自身時事モノの文章は裏mokichi.comの方に書いているが、書こうとする題材に関してある程度の周辺事情を集めてからでないと中身のあるものは書けないものであるが、本書はそのへんがとてもうまく繋がりをみせているのに気づかされた。

「栄光の仮面ライダーシリーズ完全ガイド」 電撃ムック (メディアワークス)\933 ☆☆☆☆ TOP
 宝島ムックが先鞭をつけた”懐かし”シリーズ、コンビニで手軽に買えて購読年齢高めのそれが、今後流行りそうな予感である。仮面ライダーシリーズは、後半になるにつれて記憶があいまいだったり観ていなかったりするのだが、「X」あたりまではリアルタイムで追っていたので非常に懐かしい思いで読んだ。平成ライダーシリーズが人気らしいが、どうも最初のコンセプトからは大きく外れた現代のライダーが俺は好きにはなれない。歴代ライダーシリーズの中で、怪人の造型としては「V3」が一番好きと言えば、そのへんの嗜好、わかる人はわかるだろう。

「と学会年鑑BLUE」 と学会 (大田出版)\1300 ★★☆☆☆ TOP
 待望のと学会本。2002年度の第11回トンデモ本大賞の発表が載っているのだが、ちょっとインパクトに欠けるような気も。というか、荒唐無稽なだけではトンデモとして成り立たない(それほど珍しくもない)時代になってしまったのか。おもしろがって笑えるトンデモ本が減ってしまったのは残念な限りである。前半は、と学会例会のレポートとなっているのだが、有名な方から無名な方までいろいろなジャンルのトンデモが紹介されている。小物が多いため読み進めるのは楽だったがあまり感心できるものがなかったのが残念。ただ、偽史「東日流三郡誌」について、その作成者とみなされる人物の死に伴ってアキラかになった事実については、論争の決着をみたという点で興味深いものがあった。

「寿司とマヨネーズ ある愛の記録」 水月マヨ (碧天社)\1600 ★★★☆☆ TOP
 SMカップルの蜜月と破局までの記録。Web上で人気があったらしいが、もちろんそんなサイト(^^;をみていたはずもなく、たまたまダヴィンチでインタビューが載っていたのを読んで本屋に行ったら平積みだったのである。日記形式なので結構すんなり読み進めることができたが、読後に特別な感慨は残らなかった。それと言うのも、これがSM?という疑問に終始していたからである。Sの寿司氏、陳腐な形容であるが”肥大した自我”につき動かされているようにしか思えない。自分でいうようにSが性癖なのではなく、単にその役割を演じていたようにしか思えないのだ。だいたいにして、愛読書に漫画「殺し屋イチ」を挙げているあたりでもう眉ツバもの。SMを愛のひとつの形としてではなく、マンネリ気味の営みへの刺激としてしかとらえていないような気がする。その言動にしても、金持ちの坊ちゃんのわがまま程度にしか思えないし。はたしてMのマヨさんも、性行為としてのSMというよりも、精神的に不安定な自分をつなぎ止めるための”癒し”としてのセラピー(加療)行為として受け止めているようにしか思えないのだ。どうも集団セラピーの際に行われる役割劇を観ているようで、これはWebでずっと観察とていた人達には現実のこととは思えなかっただろうなあ、と考えた次第。

「僕たちの好きなウルトラマン2」 別冊宝島 (宝島社)\933 ☆☆☆☆ TOP
 「ウルトラセブンVS侵略宇宙人編」と題して、今回はウルトラマンに登場する宇宙人が中心の構成となっている。とは言え、圧倒的に人気の高いバルタン星人などのキャラクタ゜ももちろん登場する。すでに伝説ともなっている、モロボシダンとちゃぶ台をはさんで対峙するメトロン星人。確かにあの画、あのシュールさは他の追随を許さないものがあるだろう。個人的にも、セブンの中では一番好きなエピソードである。思い返すと、「ぼくら」か何かの付録で、ウルトラセブンのソノシートがついてきて、確かそれはゴドラ星人の回だったと思う。今どこにあるかはわからないが、捨ててはいないので、いつか耳にする機会もあるだろう。

「ゴジラ最強読本」 別冊宝島 (宝島社)\933 ☆☆☆☆ TOP
 特撮好きには、ゴジラ派とガメラ派の二種類が存在するらしい。俺はというと、断然ガメラ派。というのも、リアルタイムで観た頃がちょうどミニラの登場の頃で、ゴジラはすでに擬人化されて人間の味方となっていたからである。ゴジラがイヤミや座頭市の物まねをする、という怪獣映画を冒涜するような扱い方のために、すっかりゴジラには嫌気がさしてしまったのである。今回この本の中でひとつ面白かったのは、「キングコング対ゴジラ」の紹介で、敵キャラのキングコングの写真が一枚として載っていないということ。きっと版権が取れなかったのだろうが、きっと向こうにとってもゴジラ映画に出演させてしまったことは汚点となっているのだろうな。

「怒濤の厄年 三谷幸喜のありふれた生活2」 三谷幸喜 (朝日新聞社)\1100 ★★☆☆☆ TOP
 三谷幸喜身辺雑記エッセイの第二弾。今回も、劇作法から日常におこったあれこれ等、平凡でとるにたらないこと(^^;がほのぼのと綴られている。しかしながらコメディ作家を自任しているだけあって、どこかユーモラスでオチを容易しているところが心憎い。テレビに出演しているところを見た時は、その振る舞いが演出なのか天然なのか計り知れないところがあつたものだが、どうやら相当な部分で演技、と見た。

「機動警察パトレイバー PERFECT BOOK」 別冊宝島 (宝島社)\933 ☆☆☆☆ TOP
 読み始めてから気が付いたのだが、オレはそれほど「パトレイバー」が好きではなかったらしい。人間が「乗り込んで操縦」する「汎用性の高い機械」という意味ではこのレイバーという設定は大好きだし、特定の登場人物のキャラクター設定も好きなのだが、どうもこのオタク文化ほ凝縮したようなつくりはSFの方向性とは違うような気も。劇場版監督の押井守がこの設定を嫌っていたというのは、始めて聞いたが興味深いところではある。ただ、劇場版第2作目に登場する架空のOS”HOS”などの細かいネタは好き。HOSについては、以前使っていたNEC・PC-98のMS-DOS時代に起動画面のエミュレーターをお気に入りでBAT設定していたものである。

「ウルフレター」 平井和正 (徳間文庫)中古 ☆☆☆☆ TOP
 簡単に言ってしまえば、平井和正とファンの手紙のやりとりの収録。ファンレター集みたいなものか。一風変わっているのは、そのやりとりに終止符を打つことになった経緯までが載っていることか。確かに、自分の仕事以外の部分で何十通もの手紙にいちいち返事を書く労力はたいへんなものだったろうし、心ないファンもどきもたくさんいたことだろう。第一版の出版が昭和51年とのことで、「ウルフガイ」シリーズや「ゾンビー・ハンター」など懐かしい作品名が頻出しているのがうれしい。この平井和正のファンクラブ的な位置にあった(?)「ウルフ会」という組織と、それをみつめる平井和正の視線の齟齬は、その後、小説版「幻魔大戦」で描かれることになる宗教団体の内紛と重なって非常に興味深い。

「奇妙な論理 2」 マーティン・ガードナー (早川書房)\720 ★★☆☆☆ TOP
 「トンデモ系」の中ではつとに有名な本であるが、やっと読むことが出来た。民間療法から空飛ぶ円盤、アトランティスとムーまで幅広いジャンルを網羅しているのであるが、つい先月雑誌「ムー」の表紙で見かけたような単語もチラホラと。この本が書かれたのが1950年代だったということを考えあわせれば、全くこの「奇妙な論理」たちのなんと長命なことか。そして、それを盲信する人達の絶えないこと、も。どちらかといえばポピュラーな事柄は1巻の方に乗っているらしいので、ぜひ探して読まねば。

「続・中国いかがですか?」 小田空 (集英社)\838 ★★☆☆☆ TOP
 その名のとおり、「中国いかがですか?」の第2弾。前回は漫画として紹介したが、今回は情報量の多さを鑑みて本として紹介しておこう。小田空との出会いは今までに書いたのだが、ここまで中国にハマっているとは知らなかった。こんな人が一緒にいてくれたら、通訳としても、向こうの習慣を知るにしても便利だろうな。旅行記モノを読んで、久々にどこか外国に行きたいという気持ちが沸々と。

「サンサル 2」 大田垣晴子 (メディアファクトリー)\590 ★★☆☆☆ TOP
 「サンサル」2巻目である。連載も2周年にかかった頃の作品なので、初期のものに較べると、構成も内容もずっと洗練されてきている。特に、書き文字とイラストのバランスの妙が楽しめる。作品としてではなくて、作者・太田垣晴子個人を詳しく知りたいと思ってしまうのはなぜだろうか。ひとつ発見したのは、「太田」ではなく「大田」だったこと。今までワープロで変換していたので、ずっと間違えていた。以後、気を付けます。

「網状言論F改」 東浩紀 (青土社)\1400 ★★☆☆☆ TOP
 「オタク」の主体の在り様、などとオビに書かれているのだが、副題の「ポストモダン・オタク・セクシュアリティ」というキーワードが示すとおり、現代文化を論じた、どちらかというと小難しい本である。語り口は確かに軽妙で、しかもゲームや漫画、アニメを例に引いて解説しているので思ったより理解は進むのだが、やはり言論の世界、なんだか抽象的な概念論は読んでいて退屈する部分も。というかもだからどうしたって?といいたくなるような感じか。ただ、様々な近代、そして現代の文化の構造面をこのような形で解き明かそうとする試みはとても興味深い。ちゃんと理解しているとは限らないのだが(^^;

「サンサル 1」 大田垣晴子 (メディアファクトリー)\590 ★★☆☆☆ TOP
 大好きな”セイコもの”のデビュー作である。商業作家ではなかった時期にこれ゛けのクオリティーの作品がつくれる、というのにも感心した。内容はいつもの絵手紙的な作品なのだが、それぞれのテーマに関わる部分よりも、情緒を感じさせるような扉の絵など古典的な絵柄に力を感じた。

「THE MASK CLUB」 村上龍 (幻冬舎文庫)\495 ★★★☆☆ TOP
 村上龍をちゃんと読むのは、「限りなく透明に近いブルー」以来だから、20年以上経ったことになる。あの作品は余り好きになれなかった、というかその頃の年齢ではよくわからない描写が多すぎたのだが、あまり面白い作家だとは思えずに過ごしてきたのだ。その割に、(確か小椋佳が選曲した)サントラ盤は買ってしまったのだが。本作は、SMというある意味語り尽くされたシチュエーションの下で繰り広げられる不条理劇の趣がある。性的な描写には筆の踊る部分はないのだが、死者の在り方とかその心理的分析が面白い。なるほど、こういう解釈もあったかと思わせるものがある。結末にしても、あっさりと切り捨てているところが純文学離れしていて、これはいい感じ。

「書物の森でつまづいて…」 田中芳樹 (講談社文庫)\1429 ☆☆☆☆ TOP
 田中芳樹といえば、これはもう「銀河英雄伝説」しかないと言っていいだろう。学生時代から就職しての期間まで、刊行を楽しみにしていたものである。本書は、さまざまな作家との座談会と、筆者が過去に書いた他の作家作品の解説とで成っている。前半はSFに関しての思い出なども科借りているため読んでいて面白かったのだが、後半は中国大河ロマンについてが中心で、これは興味がないので斜め読みで済ませてしまった。この頃、エッセイとして作家が自分の作風や執筆に関わるウピソード、創作技法について書いたもを多く読むようになったが、思わぬ裏話や作家・作品へのリンクというのが実に楽しいものである。

「富良野塾 序章」 倉本聰・監修 (エフジー武蔵)\1429 ☆☆☆☆ TOP
 富良野塾開塾20周年を記念しての刊行である。塾の創生期から現在までの足取りを余すところなく記録しているので、ファンにとってはたまらない一冊となっているだろう。ファンとまでは言わない俺にとっても、倉本氏の創作技法を知る上でおおいに参考になる部分があった。ただ、この塾自体については倉本氏の私塾という性格上か、たぶんに新興宗教的な面が垣間見えてしまうのだが。演劇活動を軸に自給自足で生活指定集団といえば東北にわらび座というのがあって、これは修学旅行等の観劇で有名なのだが(^^;、どうもコミューンの作り方とか、どこかで聞き知っているような、個人的に肌に合わないような…。富良野塾の公演は、「谷は眠っていた」を観たことがある。天宮良が客演で出ていて、倉本氏もカーテンコールで顔を見せ、ずいぶん得ほしたような気がしたものである。

「ホラー・ガイドブック」 尾之上浩司 (角川ホラー文庫)\895 ★★★☆☆ TOP
 国外のホラーガイドについてはホラー小説大全という素晴らしい研究書があるのだが、残念ながら日本国内の作品に触れる部分は少なかった。本作では国内のホラー関係の書籍、映画、TVについても触れられており、日本でのホラーブームの隆盛を概観することができる。とは言っても、国内のそれは、SFや推理探偵小説と混同されるものが多く、やはり本格的ホラーというと海外作家の作品に偏ってしまうところが残念なところ。いろいろなジャンルにわたっての解説と紹介がなされているので、「日本一わかりやすい画期的ガイドブック」の名には恥じていないと思う。このジャンルに興味のある人には必携の書となるだろう。

「10分でわかるマンガハッカー入門」 Saint、藤森異端 (データハウス)\1600 ☆☆☆☆ TOP
 初まさに「10分でわかる」感覚で、初心者にとっての読み物としては悪くない出来だと思う。ただ、添えられているマンガが、ずいぶんとハッカーを美化して書いているのが、いかにも初心者向けのハックラ本という感じか。今までにも初心者向けの解説本は多数出版されているが、体系的なまとめはともかく、わかりやすい構成になっているとは言えるだろう。初めてこのテの本を読む人にはお薦めできるのだが。

「愚者の旅〜わがドラマ放浪」 倉本聰 (理論社)\1500 ★★★☆☆ TOP
 初出ではない文章も含まれてはいるのだが、それでも読まされてしまうところは、やはり一流の”文章書き”だということなのだろう。筆者がシナリオライターとしてデビューし活躍していくまでを描いた青春記でもある。あまり知らない部分、もっと言えば興味のない部分もあるのだが、北海道に関わってくるところで読み進めることができたようなものだ。代表作についてはもう語り尽くされたような気もするが、田中絹代勝新太郎など、希代の名優の隠れた部分をうかがい知ることができた、というお得感が残った。

「2ちゃんねるウラオモテ超入門」 マイウェイムック (マイウェイ出版)\1429 ☆☆☆☆ TOP
 2ちゃんねるには書き込んだことは一度だけ(しかも削除依頼だ笑)あるのだが、関連本はけっこう買っている。日本最大の掲示板コミュニティだというだけでなく、かつてのアングラ全盛時代の頃のインターネットの雰囲気を色濃く残しているからである。本書は、今までに読んだムックと内容は大差ないが、それぞれの章に付けられている漫画が意外に面白かった。それぞれの板の説明などくわしいことが知りたいのであれば別の本を読んだ方がいいだろうが、本当の「超」入門を求めるのであればうってつけだと言えるだろう。

「ホラー小説大全」 風間賢二 (角川ホラー文庫)\895 ★★☆☆☆ TOP
 日本推理作家協会賞を受賞した作品の増補版である。こういうジャンルの本がそういう将を受賞したというのも驚きであるが、内容は古今のホラーの研究書といった趣である。章立てが工夫されていて、ホラーの黎明期、ゴシックから、スティーヴン・キングに代表される現代ホラーまで、その歴史を追うことができる。個人的には、「近代が生んだ三大モンスター」と銘打って、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの怪物に絞って設けた章がよかった。難を言えば、外国産のホラーばかりで国内のそれには全然触れていないところだろうか。海外ホラーに造詣の深い著者の国産ホラー観も伺ってみたいところである。

「死体ばかり見ていた。」 めぐみ (廣済堂)\1300 ★★☆☆☆ TOP
 副題が「めぐみの葬儀屋日記」。そういえば確かに雑誌「GON!」で連載されていたのを読んだ覚えがある。内容は死体フェチの女の子の葬儀屋でのバイト日記と死体ウォッチングの本場・タイへの旅行記である。こういうジャンル(グロ系)が苦手な人は手に取って見ることもないだろうが。口語体で書かれた文章は、確かに”イマドキ”の女のコの口調で、その辺りは内容の深刻さと対照的で面白いのだが、さすがに笑い飛ばすのはちょっと気がひけるかも。中で著者自身も触れているが、「なぜ死体なのか」という動機付け(のようなもの)が次第に薄れていっているのではないか、と思える。いろいろなビジネスの内幕を知るにはいいかもしれないが。

「電脳祈祷師・邪雷幻悩」 東野司 (学研歴史群像親書)\1100 ★★☆☆☆ TOP
 大いに期待して読んだのだが…。このシリーズ、1巻目がどこを探してもなくて、八丁したところすでに販売終了したとの知らせ。仕方ないので本作から読んでみたものの、題名の「電脳祈祷師」というイメージではとらえられないような内容でがっかりした。電脳というよりも電気が敵役なのである。それに対する方法も何か超古代文明的なグッズで占められているし。ひとつひととつの描写は細かいのだが、全体的には印象が薄い感じ。全編を通して数学の解法が説明される部分もどういう意味があるのかよくわからない。東野司といえば「ミルキーピア」シリーズ。ネットワークの中に入っていって事件を解決するという話は荒唐無稽ながら、古きよきマイコン時代の描写も多く、楽しく読めるシリーズであった。また、「東野司の電脳セッション」に収められているパロディー作は、古典落語からゲゲゲの鬼太郎まで、パソコンと絡めて描いた傑作であった。次に読める作品に期待したい。

「ゴーストシステム」 長江俊和 (角川ホラー文庫)\667 ★★☆☆☆ TOP
 DVD発売の告知k「降霊機」というフレーズを見て、思わずやられた…と思ったのだが。ラウディ・ボイスという言葉がスピリチュアリズムの世界にある。これは、あの世の人間の声をこの世の電波なり音波なりに変換する、という実験である。当然この物語のシステムというのもそれだと思っていたのだが、それはちょっと違っていたようだ。携帯電話に届く死人からのメールという発想はいいのだが、エーテル体を解釈の中で使ったり、無意味に暗号化したりというのは頂けない。さんざん盛り上げておいて、解決編にあたるのが最後の30頁というのも。死や死者のイメージになかなか鮮烈な表現があっただけにちょっと残念である。

「フリークス」 綾辻行人 (光文社文庫)\552 ☆☆☆☆ TOP
 新書版を店頭で手にとった覚えがある。カバー裏のおどろおどろしい文句とあらすじに釣られて一度は読んでみたいと思っていたので、文庫カバー裏のおどろおどろしい待って購入。昔小学生の頃、江戸川乱歩「一寸法師」を読んでそのあまりに恐ろしいイメージに戦慄したものだったが、残念ながら本作にそういう部分を求めてはいけなかったようだ。推理小説としての出来がどうなのかはわからないが、どの連作を読んでも何となし結論が読めてしまう、犯人探しの楽しみの少ない物語群であった。もちろん著者はその辺も計算ずくなのだろうが。綾辻行人は「殺人鬼」シリーズが凄い。B級スプラッタホラーの王道をいくような物語であった。

戻る